【基礎1】ディスプレイの接続を確認しよう
Macと外付けディスプレイを接続するためには、双方のインターフェイスをきちんと確認することが大切です。よく使われるインターフェイスは「VGA」「DVI」「HDMI」「ディスプレイポート」の4つです。VGAとDVIは古くから使われているインターフェイスですが、近年のディスプレイの高解像度化にともない、トレンドからは外れてきています。Macにも標準では搭載されておらず、これらのインターフェイスを持つディスプレイは変換アダプタを通して接続する必要があります。
HDMIはケーブル1本で音声と動画を同時に転送できます。もともとはテレビなどの家電で使われていたインターフェイスですが、コンピュータ用のディスプレイにも採用されていることが多いです。MacでもMacミニ、Macプロ、MacBookプロはHDMIを搭載していますので、これらのMacであればケーブル1本で接続できます。その他のMacでも、サードパーティ製の変換アダプタを使えば接続可能です。
また、搭載しているディスプレイは少ないですが、「ディスプレイポート」というインターフェイスもあります。これは映像転送用の規格で、Macにはこれを小さくした「ミニディスプレイポート」がサンダーボルトを兼ねて標準搭載されています。ミニディスプレイポートとディスプレイポートを接続するケーブルを使えば、変換アダプタを使うことなくMacとディスプレイを接続できます。さらに、ディスプレイポートには「デイジーチェーン」という機能があり、ディスプレイやHDDなどの製品を「数珠つなぎ」で配線できます。ディスプレイの場合は、2台までデイジーチェーン接続が可能です。
Macのインターフェイス
MacBook
その他のMac
MacBookはUSBタイプCしかインターフェイスを持たないため、USBタイプC非対応のディスプレイを接続するには変換アダプタが必要です。他のMacはすべてサンダーボルトを搭載しているため、ミニディスプレイポートを持つディスプレイはそのままつながります。また、変換アダプタを使えばHDMIやDVI、VGA接続のものもつなげられます。
ディスプレイのインターフェイス
DVIの後継を担うデジタル映像出力の標準規格。現行のMacにはミニディスプレイポート(サンダーボルト)が搭載されています。ディスプレイポートは外付けディスプレイ側に備わっている場合が多く、4Kディスプレイにもフル対応します。
デジタル家電向けのビデオインターフェイスで、ハイビジョン映像と同時に音声を伝送できるほか、著作権保護機能を備えます。一般的なタイプは19ピンのタイプAで、iMacとMacBookエアを除くMacにも搭載されています。
古くからコンピュータ用ディスプレイやプロジェクタの接続規格として普及しているインターフェイスの1つです。高解像度ディスプレイ用に2つ目のデータリンクを用意した、「デュアルリンクDVI」と呼ばれる規格もあります。
「ミニD-Sub15」ピンとも呼ばれるインターフェイスです。アナログ信号で情報を転送するため著作権保護などの機能は使えません。古い規格のため、最新のディスプレイには搭載されないことも多いです。
サンダーボルトの変換アダプタ
Mini DisplayPort- DVIアダプタ(上)
Mini DisplayPort- VGAアダプタ(下)
【発売】アップルジャパン
【価格】各3500円(税別)
サンダーボルトから一般的なDVIディスプレイおよびVGAディスプレイに入力するときに必要なアダプタ。
Apple Mini DisplayPort- Dual-Link DVI アダプタ
【発売】アップルジャパン
【価格】1万1800円(税別)
サンダーボルトから高解像度(2560×1440ピクセル以上)のDVIディスプレイに接続するときに必要なアダプタ。
サンダーボルトからHDMI入力のディスプレイに接続できるようにするアダプタ。
【基礎2】MacBookでの接続を確認する
ワイヤレスでの利用に特化した設計のMacBookは、USBタイプCしかインターフェイスを持たず、ディスプレイポートやHDMIのようなインターフェイスが備わっていません。その代わり、USBタイプCの機能である「ディスプレイポート・オルタネイトモード」に対応しています。これは、USBタイプCコネクタの「リバーシブル機能」を利用してディスプレイポート信号を流すというものです。USBタイプCは電源の転送も可能なため、ケーブル1本でUSBのデータ転送、電源入力、映像の転送をまとめて行えます。
また、変換アダプタを使ってUSBタイプCをHDMIやディスプレイポートに変換することも可能です。アップル純正アクセサリの「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」または「USB-C VGA Multiportアダプタ」を使えば、HDMI、VGAでの出力ができます。ただし、純正の変換アダプタは少し高価なためサードパーティ製の安価なアダプタで変換するか、最近ではUSBタイプCでの入力に対応したディスプレイも登場しているので、そちらを選ぶのもよいでしょう。
USBタイプCはまだ普及段階の規格ですが、今後、ますます普及し、対応アクセサリも増えていくと思われます。
MacBook用の変換アダプタ
USB-C Digital AV Multiportアダプタ
USB-C VGA Multiportアダプタ
【発売】アップル
【価格】各9500円(税別)
MacBookに外付けディスプレイを接続する変換アダプタです。USBタイプCポート、タイプAポートにくわえてHDMI接続できる「USB-C Digital AV Multiportアダプタ」はおすすめです。
USBタイプC対応ディスプレイ
USB-C対応ディスプレイ 27UD88-W LG Electronics Japan
【発売】LGエレクトロニクス
【価格】7万3000~10万2000円
USBタイプC接続に対応したディスプレイもあります。
【基礎3】4KディスプレイはMacで使える?
4Kディスプレイ(3840×2160以上のピクセル数を持つディスプレイ)もだんだんと一般的になっており、今では3万円~4万円台で販売されているものもあります。もちろんMacも4Kディスプレイへの出力に対応しているため、対応するコンテンツなどを楽しむことができます。
Macで4K出力をする場合、接続するインターフェイスに注意しましょう。HDMIで出力する場合、現行のMacに搭載されている「HDMI1.4」ではリフレッシュレート(1秒あたりのディスプレイ投影画像の書き換え回数)が30ヘルツに制限されてしまうため、すばやい動きのあるコンテンツを再生したり、マウスポインタを速く動かしたりすると映像がカクカクしてしまうことがあります。ディスプレイポート入力を備えるディスプレイなら、サンダーボルトで接続すれば4Kを60ヘルツで出力できます。
また、4Kディスプレイをドット・バイ・ドット(等倍)で使用すると、写真や動画を視聴する際には高精細に楽しめますが、テキストやウインドウなどはぐっと縮小されるため、操作性が悪くなることもあります。そういった場合には解像度を下げて表示するOS Xの「スケーリング」機能を使えば、くっきりした表示を活かしつつ、文字を大きく閲覧できます。
Macでも4Kは使える
アップルは、4Kディスプレイへの対応状況をアナウンスしており、現行のMacはすべて4Kディスプレイに対応しています。【URL】https://support.apple.com/ja-jp/HT206587
スケーリングを活用しよう
4Kディスプレイはピクセルが細かく、ドット・バイ・ドットで表示すると、デスクトップは広大になりますが、テキストやGUIのボタン、メニューが極小表示になって使い勝手は悪くなります。システム環境設定の[ディスプレイ]でスケーリングすると使いやすくなります。
「リフレッシュレート」って何のこと?
ディスプレイは1秒間に何度も画面を描き換えて動画を表示しています。この、書き換えの速度を「リフレッシュレート」と呼びます。単位は「ヘルツ(Hz)」で、たとえば「60ヘルツ」のリフレッシュレートを持つディスプレイは、1秒間に画面を60回書き換えています。このヘルツ数が高いほど映像はなめらかになるので、動画再生などにはリフレッシュレートの高いディスプレイが適しています。
60Hz
30Hz
リフレッシュレートが半分になるということは、アニメーションでいえばコマ数が半分になることです。動きの速いマウスポインタの移動が認識しにくくなり、ウインドウのスクロールもカクカクしてしまいます。