Macのデータ復元ソフト 一番信頼できるのはどれ?
ある日、嫁が甘えた口調で「データが消えちゃったので助けてほしい」と訴えてきました。よく聞くと、久しぶりにつないだ外付けハードディスク(以下、HDD)が何度やっても認識しないとのこと。そこで復元ソフトの「データレスキュー4」を使ってみたところ、ソフト上では無事ハードディスクを認識し、さらに幸いなことに案外素早くデータを復元できる状態だとわかりました。
HDDには実データとは別にファイルのカタログ情報というものが記録されていて、データレスキュー4はその情報を探し出してデータを復元できます(「クイックスキャン」機能)。この方法なら、元のファイル名と階層情報をそのまま復元できる可能性があるのです。
なんとか復元したことを嫁に告げると、「これもお願いできる?」と今度はUSBメモリを渡されました。こちらは自分で間違って初期化して、しかも初期化した後に大切なファイルの存在に気づいたとのこと。
USBメモリやSSDは、構造上HDDよりもデータ復元の難易度が高いといわれています。案の定、データレスキューのクイックスキャンではファイルが見つかりませんでした。
そこで次の一手となるのが「ディープスキャン」。ストレージに残っているデータから典型的なファイル形式の特徴に合致する部分を読み取り、ファイルを復元していく手法です。そのままデータレスキューだけで復元を試みてもよかったのですが、せっかくの機会なので複数のソフトを比べてみました。
試したのは以下の3タイトル。そして結果はというと…。正直、優劣を断言するのは困難です。所要時間はどれもほぼ同じ。復元できたファイル数は多少異なりますが、ソフトによっては画像に欠損のあるJPEGファイルが混ざっていたり、存在しなかったはずのファイル形式のものが見つかったりと、単に数だけでは比べられません。
そもそもこの手の復元方法の場合、そのソフトがどれだけ幅広いファイル形式をサポートしているかが鍵になります。メジャーな形式のファイルは復元の可能性が高まりますが、対応していない形式のものは一切見つけられません。
とりあえず、復元できたファイルはごっそり嫁に渡しましたが、目当てのものがあったのかは聞いていません。ひとまず復元ソフトの実践的なレポートを皆さんと共有できたことを作業の収穫と考えることにします。初期化するときは気をつけてね。
データレスキューの魅力は、学習により対応ファイルを増やせる「ファイルIQ」機能。過信は禁物だが、マイナーな形式のファイルが復元できる確率が上がります。
削除されたファイルのみを探すなど、復元時間の効率化を図れるのが魅力。今回試した中で、唯一インデザインファイル(.indd)の復旧ができました。
わかりやすいインターフェイスが魅力のソフト。このソフトに限り、ZIPファイルのファイル名が復元できました。
復元の所要時間と復元ファイル数
初期化した1GBのUSBフラッシュメモリ(HFS+)で検証。すべてディープスキャンによるストレージ検査の結果です。※拡張子「.plist」など、ユーザにとって必要のないデータは除外した数字。
小平淳一
長野県に住みながらMac Fanの記事を書いたり、編集したり。そのほか幅広いジャンルに渡る執筆や、印刷物やWEBサイトのディレクション、時にはWEBコーディングと、業務内容は多岐に渡りますが、データの復元業務は請け負っておりません。【URL】http://www.jkodaira.info/