本体以上の革新が凝縮
これまでのアップルリモートは、IR(赤外線通信)による接続のため必ずアップルTVの正面に向かって操作しなければならず、ボタン操作も直感的とはいい難かった。Siriリモートはこういった問題を解決するためにゼロから開発されたデバイスだ。本体との通信方法はブルートゥースになり、iOSの「リモート」アプリで培ったタッチ操作がフィードバックされ、よりスムースな操作が可能になった。
Siriリモートは、ほかにも新しい試みがいくつも組み込まれている。その中でももっとも目立つのは、加速度センサとジャイロスコープだ。通常の操作では使われないセンサだが、アプリに組み込むことでSiriリモートを強力なゲームコントローラへと変える。また、本体との通信はブルートゥースに置き換えられたが、IRレシーバも引き続き搭載している。これは新しく搭載された音量ボタンとともに、テレビやAV機器のコントロールに利用できる。
ほかにも電力供給が電池から内蔵バッテリに切り替えられた。電池切れの際すぐに交換できない点をデメリットに挙げる人もいるかもしれないが、充電技術の向上によりほんの数分充電すればいったんは使えるようになるため、そこまで電池にこだわる必要はないはずだ。
●リモコンを1つに
IRレシーバはレガシーなテクノロジーだが、それゆえに利用されている機器も多い。アップルはそこに着目し、あえてSiriリモートにもIRを残してテレビやAV機器の操作に活用している。音量のコントロールや電源のオン/オフのために、別のリモコンに持ち替えていた煩わしさから解放される。
●スワイプしてスクラブ再生
ムービー再生時に大きな動きで素早くスワイプすると、長い時間に渡って早送りと巻き戻しが可能に。また、小さく細かな動きでスワイプすると、ほぼフレーム単位でコントロールできるようになる。スクラブ中は画面下部にタイムラインとともにサムネイルが表示されるため、狙ったとおりの場所でぴったりと止めることが可能だ。
バッテリはどれくらい持つ?
今回からバッテリ内蔵型になったSiriリモート。気になる持ち時間だが、公式には1回の充電で数カ月持続(標準的な方法で毎日使用する場合)と説明されているため頻繁に充電を行う必要はないだろう。充電のための接続はライトニングコネクタを用いるため、iOSデバイスの充電と同じように充電できるところもアップルユーザにはうれしい。