描くか、描かないか
新しいiPad AirとiPad miniが登場したことで、iPad、iPad Proとあわせて全4ラインアップとなったiPadシリーズ。iPad Proにはディスプレイサイズの異なる2モデルがあるので、厳密には12.9インチ(iPad Pro)、11インチ(iPad Pro)、10.5インチ(iPad Air)、9.7インチ(iPad)、7.9インチ(iPad mini)と、ディスプレイの大きさで5モデルあることになる。全モデルがApple Pencilに対応しているので、以前よりも製品選びが難しくなったように感じるかもしれないが、逆の見方をすれば、Apple Pencilが欲しければあとから購入すればよくなったというのはメリットだ。
そこで、まず重要となるのは、Apple Pencilは第一世代でいいのか、第二世代のほうがいいのかの判断だ。iPadで何かを描きたいという人は、まずそこから製品選びを始めてみよう。絵心がないし、デザインするわけでもないし…と思う人がいるかもしれないが、Apple Pencilはメモを書くのにだって、写真を補正するのにだって、プレゼン資料を作るのにだって便利に使うことができる。ましてや、他社のタブレットと比較してiPadが抜きん出ているのは、創造性を発揮したり、新しい何かを始めたりするときの武器であるApple Pencilなのだから、できれば積極的に使ってみてほしいと思う。その書き心地の良さを味わう最初の1本としては第一世代で十分だし、すでに使ったことがあるのであれば充電や取り回しも考えて、予算が許す限り第二世代を選んだほうがいいだろう。
シーンを想定しながら
そして次の判断ポイントとなるのは、「キーボードフォリオ」「インターフェイス」「ディスプレイ」「プロセッサ」「認証方式」「カメラ」「サイズ」といった項目となる。ここまでの解説を参考にしていただき、それぞれのiPadにおける違いを理解したうえで、自分に最適な1台を見つけてほしい。
また、iPadで選びで本質的に重要なのは、"どのように使いたいのか"を自らがイメージできているかどうか、といえる。つまり、iPadをどんな用途で使いたいのかといった部分だ。Macの代わりにメインマシンとして使いたい、外出先でモバイルで使いたい、枕元で動画やWEBを観るときだけに使いたい、子どもの学習用に使いたい…といった具合に、万能なiPadの使い道は人それぞれだ。
もし、パソコンのようにガシガシ使いたいというのであれば、iPad Proが一番の選択肢となるだろう。画面の大きさや高速なプロセッサという面もあるが、それだけではなく、USB-Cのインターフェイスを搭載していることも大きい。ディスプレイやカメラなど将来的にUSB-C対応周辺機器は増えてくるため、数年経ってもその恩恵を感じるはずだ。
その一方で、Macと併用して使いたい、時々使いたい、子どもに使ってほしいというライトユースを想定しているならば、iPad Proはハイスペックになってしまう可能性が大。特に予算が限られている場合は、iPad Air、iPad、iPad miniという選択肢から選ぶほうが賢明だろう。その中では最新のiPad Airが性能/価格のバランス面でもっとも優れているとはいえ、置いて使うのか、立て掛けて使うのか、持って使うのかなど、本体サイズや使用シーンを思い浮かべればiPadやminiのほうがいいという選択も十分あり得る。
現在のiPadはどれを選んでも、iPadが提供する体験を満足に味わえる。ここまでのちょっとしたヒントと、次ページのiPadのラインアップの比較表を参考にしていただき、楽しく製品選びをしてほしい。