Vol.10 暗い雰囲気の夜景を見栄え良くレタッチしよう!

─今回は夜景の写真を、合成ワザを使いながらきれいに仕上げていきましょう。光の色はよく写っていますが…全体的に暗い雰囲気です。画面内の光の数を増やし、暗い部分をもっと明るくして、よりキラキラした“映える”写真にしたいところです。

元の写真も十分きれいだと思いましたが、言われてみるともっと良くできそうなところも多いですね。

─まずは画面内の光の数を増やしましょう。今回使うのは水面への映り込みです。下の部分が海になっていますから、ここに夜景を映り込ませましょう。

わかりました！ レイヤーをもう1つ作って、クルッと反転させて合成しちゃうんですね。じゃあ海の部分の選択範囲を作る必要がありますね～。

─そのとおり！ 水面部分を地上の夜景で合成します（１）。重ね合わせるときは、上のレイヤーの不透明度を「50」くらいにしてあげると調整しやすいですよ。

すごいですね、これ。一気に写真がキラキラしてきました！ でも、さすがに水面が鏡のようになってちょっと違和感も…。

─では、映り込みを馴染ませてあげましょう。マスクのアイコンを［コマンド］キーを押しながらクリックして、水面の選択範囲を選択し、［グラデーション］ツールで水面の下半分を黒くしてしまいましょう（２）。これで岸から離れるほど映り込みが減り現実感が出てきます。

元々写っていた水面の映り込みも活かせて、違和感がかなりなくなりました。では、もう1つの暗い部分だけを明るくするというのはどうやるんでしょう？

─画面全体の明るさを大きくすると、ネオンの部分もより明るくなってしまいます。なので、今回はレイヤーの描画モードを使って「モノクロ変換＆階調反転させてオーバーレイ」という手法を使います。これは結構有効なテクニックなので覚えておいて損はないですよ！ やり方は簡単で、背景と映り込みのレイヤーを結合してそれを複製。上のレイヤーだけモノクロに変換して階調を反転します。これを「オーバーレイ」で重ねるんです（３）。オーバーレイは明るい部分は下のレイヤーも明るく、暗い部分は下も暗くする描画モードです。

んー、やっぱり難しそうな気もしますが…何事も挑戦！ 実際に手を動かして試してみます。

（１）映り込み用素材を作る

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レイヤーを複製したあと、メニューバーから［編集］→［変形］→［垂直方向に反転］で映り込み用素材を作ります。水面部分の選択範囲を作り、レイヤーパネル下の［レイヤーマスクを追加］アイコンをクリック。不自然な部分は個別に調整しましょう。

 

（２）［グラデーション］で水面の波を出す

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マスクのアイコンを［Command］キーを押しながらクリックして、水面を選択。［グラデーション］をかけて水面の波が見えたら、レイヤーの不透明度を調節します。最後に2つのレイヤーを［レイヤーを結合］で1つにします。

（３）明るい部分はそのままで暗い部分だけを明るくする

映り込みの調整が終わったら、レイヤーを複製して、上の1枚を［イメージ］→［色調補正］→［白黒］でモノクロ化しました。さらに［イメージ］→［色調補正］→［階調の反転］。正直ここまでは何をやっているか全然わからなかったのですが、このレイヤーを［オーバーレイ］にしたらビックリ！ 元の画像が自然に明るく見やすくなりました。明るさの強弱は［不透明度］を調整して設定しましょうね。

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写真をモノクロ変換して、階調を反転させてから［オーバーレイ］にすると、暗い空はより明るく、明るい部分の明るさは抑えることができます。

（４）グラデーションもオーバーレイにして雰囲気のある夜景に仕上げる

最後に［調整レイヤー］から［グラデーション］を選択し、画面全体に紫～青のグラデーションをかけて、同じようにオーバーレイで重ねました。空の部分は紫っぽく、水面は青っぽい色がつき、オシャレな都市夜景の雰囲気が出ましたね！ 明るい色でグラデーションを作ると、全体が少し明るくなりますよ。色の具合は「不透明度」で調整して完成。比べてみると、最初の写真よりこっちのほうがずっと“映え”な雰囲気！

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レイヤーパネルの下にある［調整レイヤー］から、［グラデーション］を選択して色の部分をダブルクリック。すると色を調整できるので、紫から青に変わるグラデーションを設定しましょう。