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音を360度まるっと録音!「ZOOM H3-VR」

著者: 大須賀淳

音を360度まるっと録音!「ZOOM H3-VR」

合理性・利便性が融合

ユーザが自由な方向を観ることのできるVR(360度)ビデオはすっかりポピュラーな存在となりました。一方、ユーチューブやフェイスブックには、映像に合わせて音の方向も変化する機能が付いているのをご存じですか? こうした「音のVR」と呼ぶべき360度音声は「空間音声(Spatial Audio)と呼ばれます。最近のVRカメラは空間音声用マイクを内蔵したものも多いですが、正直臨場感などはそこそこ。一方、高品質な専用マイクは安くても10万円以上で、ほかに高機能なレコーダも必要とハードルが高い状況です。そんな中登場したのが、空間音声用のマイクを内蔵した小型レコーダ「H3−VR」です。

本製品をひと目見た瞬間、多くの人はその形状に驚くでしょう。先端には空間音声用に4方向の音を拾えるマイクを備え、その根本から広がる円錐形のボディは安定感も抜群。付属のアタッチメントでVRカメラの真下に着けると、映像にも映り込みません。インパクトが強いだけでなく、実用面でも合理的なデザインといえます。

4つのマイクで音を収録

マイク部は本体上部に備えられた4つのカプセルで音を拾い、360度の音像を構築する仕組み。ガード付きなので、野外などでの使用にも安心です。

バイノーラルなど収録可

操作は液晶下に設けられたボタンで行い、日本語表示も可能な画面と合わせて操作すればほとんど迷うことはありません。また、オプションのブルートゥースアダプタ「BTA−1」を使うと、映像に映らないよう隠れた場所からも録音開始やメータ確認が可能です。収録した空間音声は4チャンネルのWAVファイルになり、「ファイナルカット・プロ(FinalCut Pro)」や「アドビ・プレミア・プロCC(Adobe Premiere Pro CC)などVR編集に対応したソフトでビデオと一緒に編集が可能です。

本製品の魅力は空間音声だけではありません。モードの切り替えで通常のステレオや、臨場感が豊かなバイノーラルといった各種のフォーマットでも録音可能。さらに、ユーティリティソフト「ズーム・アンビソニック・プレーヤ(Zoom Ambisonics Player)」を使うと、空間音声からこれらのフォーマット、および5.1chサラウンドへの変換を後で行うこともできるなど、マルチ機能のレコーダとしても便利に使用可能です。

音質は、価格とサイズからは信じられないほど臨場感あふれるものですが、こちらは実物を聴いていただくのが一番。ユーチューブに本製品の作例をアップしましたので、是非チェックしてください(https://bit.ly/2zMlzvK)。

マイクのポジションを自動検出

内蔵の6軸モーションセンサによって、マイクポジションを自動検出。本体が上向き/下向き/横倒しで設置されていても、前後、左右、上下の位置関係を常に一定に保った状態で録音可能です。

ユーティリティで音声再生・変換

専用ユーティリティ「Zoom Ambisonics Player」を使うと、収録した360度の音声からステレオやサラウンドなどのソースを書き出し可能です。

[SPEC]
[ハンディレコーダー]ZOOM H3-VR
【発売】ズーム
【Size】123(H)×76(W)×78(D)mm
【価格】3万5000円前後
【URL】https://www.zoom.co.jp/ja/H3-VR?

【主なスペック】
【重量】120g(本体のみ)【備考】記録メディア:microSD/microSDHC/microSDXC規格対応カード(Class 4 以上)、記録フォーマット:Ambisonics A フォーマット、B フォーマット (FuMa/AmbiX)、ステレオ、バイノーラル

私が紹介します!
大須賀 淳

テクノロジーを遊びつくす映像作家・音楽家。【URL】https://junoosuga.com