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【実験】AirTag vs ジェネリックAirTag! 公園で隠して本当に見つけられるのはどっち?

著者: 小平淳一

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【実験】AirTag vs ジェネリックAirTag! 公園で隠して本当に見つけられるのはどっち?

最近、「ジェネリックAirTag」と呼ばれる格安の紛失防止タグが続々と登場しています。手頃な価格は魅力的ですが、「本当に役立つの?」と疑問に思う人も多いはず。

そこで今回は、純正AirTagとジェネリックAirTagを1つずつ用意し、公園に隠して本当に見つけられるのかを検証してみました。

格安タグは本当に使える?ジェネリックAirTagを検証!

AppleのAirTagは、iPhone、iPad、Macの「探す」アプリと連携して持ち物を探せる便利なアクセサリです。

Apple純正AirTag
Apple AirTag

Apple AirTag

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ただし、定価で1個4980円(税込)という価格は正直お高め…。

「興味はあるけれど、なかなか手が出ない」という人も少なくないでしょう。実際、私も長らく購入をためらっていました。

その一方で、近年はサードパーティ製の紛失防止タグ、いわゆる「ジェネリックAirTag」と呼ばれる製品が数多く登場しています。今年4月にはダイソーから1100円の紛失防止タグが発売され、大きな話題になりました。

ジェネリックAirTagは純正品に比べてお財布にやさしいのは確かですが、気になるのは「本当に役に立つのか」という点。いざ持ち物をなくしたときに、ちゃんと見つけられなければ意味がありません。

そこで今回は、純正AirTagとジェネリックAirTagを用意して、その実用性を検証してみることにしました。ジェネリック製品はAmazonで購入したノーブランド品。「探す」アプリに対応していて、価格はなんと2個で999円! かなり格安ですが、その実力やいかに!?

AirTagとiPhone




公園で宝探し!? AirTagはすぐに見つかるのか

検証の舞台に選んだのは、自宅近くの公園です。ちょっとした丘が丸ごと公園になっていて、遊具や広場、植え込みなど、隠し場所には困りません。

広々とした公園

今回の企画は自分1人では成立しないため、隠す役とカメラマンを妻にお願いしました。条件は「もし私が見つけられなかったらケーキをおごる」というもの。逆に、私がちゃんと発見できたら報酬ナシ。頼んでおいてアレですが、わりと一方的なお願いです。

隠す際のルールも設定しました。全然見つからないような場所に隠されると困るので。皆さんが「AirTag探しゲーム」をするときにも、ぜひこのルールを参考にしてみてくださいね!

AIrTag探しルール

私は公園入り口の駐車場で待機し、妻が準備完了の合図を送ってくれるのを待ちました。待つこと数分、iPhoneに「できた!」の通知が届き、いよいよ探索スタートです。

AirTagを探す小平

写真を見返すと、この時点の私はまだ表情に余裕があるなあ…。

Apple純正AirTag編①予想外に大苦戦!

まずは純正のAirTagから挑戦してみました。探索を始める前に、iPhoneの「探す」アプリを開き、[検出時に通知]をオンにします。この設定をしなくてもAirTagは探せますが、設定しておくとAirTagが近くに来たときに通知が届きます。

「探す」アプリ:検出時に通知

今回の公園はそれなりに広いのですが、「純正AirTagならサクッと見つかるだろう」と正直タカをくくっていました。たとえば、この土管の中とか?

土管の中を探す小平

ところが予想に反して、AirTagはなかなか姿を現しません。アプリ上では「すぐそばにあるはず」と表示されているのに…おかしい。

「探す」アプリ:探し物に近づいている

しばらく歩き回っても、通知は一向に表示されません。

「ざっくりヒント。ヒントだけでいいから」

埒が明かないので妻に助けを求めると、「その位置でだいたい合ってる」とのこと。そこから捜索範囲を少しずつ狭め、根気よく歩き回っていると、ようやく「近くにあります」という通知が表示されました。

「探す」アプリ:このAirTagはこの周辺で見つかりました




Apple純正AirTag編②矢印と音でついに発見

ついに来た!ここでAirTag特有の「正確な場所を見つける」機能の出番です。それまでアプリ上では「経路」と表示されていた部分が、「探す」という表示に切り替わりました。

「探す」アプリ:探すボタン

タップすると黒背景の画面が登場。近くにあるのは間違いないようですが、まだ信号は弱め。画面を睨みながら、さらに足を進めます。

「探す」アプリ:接続されました。信号が弱いです。

すると画面に「4.7m」というAirTagとの距離が表示されました。かなり近づいてます!

「探す」アプリ:別の方向に移動して持ち物を探してみてください。

さらに進むと矢印が現れ、距離が少しずつ縮まっていきます。お宝はもうすぐそこだ!

「探す」アプリ:1.8m右側

ここで「サウンドを再生」を実行。すると「ピピン、ピピン」という高めの電子音がかすかに響いてきました。耳を澄ませて音の方向を探っていくと……。

AirTag発見

ん……?

コンクリートの中にあるAirTag

あった!

AirTagはコンクリートの筒の中に隠されていました。パッと見ではわからないけれど、絶対に見つからないわけでもない。絶妙な隠し加減です。やるなあ、我が妻。

喜んでいる小平

というわけで、なんとかAirTagを発見。ヒントはもらいましたが、自力で探した範囲内と言っていいでしょう。ケーキの行方は、ジェネリックAirTag編に持ち越しとします!

ジェネリックAirTag編①位置情報がまさかの迷子に…

続いて挑戦するのは、Amazonで購入したジェネリックAirTagです。

Apple純正品以外の紛失防止タグでは、「正確な位置を探す」機能が使えません。そのため純正よりは少し苦戦するだろうと予想していたのですが……早くも波乱の幕開けとなりました。

「探す」アプリ:本来の位置と大きくずれている

「アプリだと公園の外に出ちゃってるんだけど!」

念のため妻に確認してみると、「ちゃんと公園の中に隠したよ」とのこと。どうやら位置情報が大きくずれているようです。

とりあえずタグを紛失モードに切り替え、アプリが示す方向へ進んでみます。すると数分後、ようやく表示が公園内に更新されました。表示された場所に着き、「サウンドを鳴らす」を実行!

…と思ったら、画面には「持ち物にアクセスできません」の文字。どうやらまだBluetoothの範囲外のようで、音は鳴りませんでした。

「探す」アプリ:持ち物にアクセスできません

あてもなく歩き回ること約10分。ついに根負けして「ヒントをください」と妻にお願いすると、「もっと向こう」との回答。指で方向を示してもらって歩いていくと、ようやく「近くにあります」との通知が出ました。

「探す」アプリ:この持ち物はこの周辺で見つかりました




ジェネリックAirTag編②音を頼りに20分!? それでも見つからない

通知が表示されたので、改めてサウンド再生を試みます。今度は無事「再生中」と表示されました。

耳を澄ます小平

……が。

セミの鳴く森

セミがうるさすぎて、まったく聞き取れません!

耳を澄ませながら周囲をぐるぐる回っても成果はなし。気がつけば20分近く経過し、ついにギブアップです。

残念がる小平

場所を教えてもらうと、答えは茂みの中。

藪の中のAirTag

あ、あった!

さっきも通ったエリアでしたが、音量が小さすぎて完全に見落としていました。改めてサウンドを鳴らしてみましたが、やはりセミの声にかき消されてほとんど聞こえず。屋外の騒がしい環境だと、サウンド再生だけで探し出すのは難しいかもしれません。

結果は、AirTagが「一応自力で発見」、ジェネリック製品は「自力発見ならず」という判定に。約束どおり、帰りにケーキ屋さんへ直行し、ケーキを購入。暑さに負けてジェラートまで追加することになりました。まあ、美味しかったから結果オーライです。

まとめ:純正の信頼感とジェネリックの限界、そして教訓

今回の検証を通して、3つのことが明らかになりました。

1つ目は、Apple純正のAirTagがやっぱり頼りになるという点です。「正確な場所を見つける」機能によって方向や距離が表示され、屋外でも対象に近づく手がかりになります。さらにサウンドも聞き取りやすく、周囲の雑音に紛れにくいと感じました。

2つ目は、ジェネリックAirTagの限界です。価格が手頃なのは大きな魅力ですが、「正確な場所を見つける」モードが使えないのはやはり痛いところ。サウンド再生が頼みの綱になりますが、音が小さいと屋外で見つけるのはかなり難しいです。音量は製品ごとに差があるので、選ぶときは「大音量」を謳うモデルをチェックするのがおすすめです。

そして3つ目。純正AirTagであっても、探すのは思った以上に大変ということです。アプリで大まかな位置は特定できますが、最後の数メートルを絞り込むのに意外と時間がかかりました。

結局のところ、紛失防止タグは「万が一のときの補助」に過ぎません。タグがあるからと油断せず、普段から持ち物をなくさないようにするのが一番大切だと改めて感じました。

AirTagとジェネリックAirTag

……え? 当たり前すぎる結論だって? いえいえ、実際に試してみたからこそ得られた実感です。“幸せの青い鳥”も探し回った末に自分の家で見つけたわけですし、なにごとも「過程」が大切ということで。




コラム:紛失防止タグの「GPS搭載」表示にご注意を

AirTagはBluetooth(BLE:Bluetooth Low Energy)の技術を利用し、Appleの「探す」ネットワークを通じて第三者のデバイスの助けを借り、自らの位置を特定します。つまり、AirTagそのものにGPSが搭載されているわけではありません。

一方、Amazonなどで販売されている紛失防止タグの中には「GPS搭載」と謳うものもありますが、実際にはGPSチップを内蔵していないケースがほとんどです。

本当にGPSを搭載しているなら、位置情報を発信するために通信回線(SIMカードや専用ネットワーク)が不可欠です。通信機能を持たない小型タグが「GPSで探せる」と宣伝している場合、正しくはBluetoothタグと考えるのが妥当でしょう。

AirTagが活用しているテクノロジーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。興味のある方は、ぜひそちらもご覧ください。

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著者プロフィール

小平淳一

小平淳一

Apple製品を愛するフリーランスの編集者&ジャーナリスト。主な仕事に「Mac Fan」「Web Desinging」「集英社オンライン」「PC Watch」の執筆と編集、企業販促物のコピーライティングなど。ときどき絵描きも。Webの制作・運用も担う。

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