Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

Macのスリープモードは3種類あるって本当? – Mac活用“ワンランクアップ”講座

著者: 海上忍

Macのスリープモードは3種類あるって本当? – Mac活用“ワンランクアップ”講座

いまやMacといえば、MacBook Airなどのノート型が一般的。使いたいときに画面を開き、使い終えたら閉じるスタイルが当たり前です。そして画面を閉じている間は「スリープモード」となり、CPUや内蔵ストレージがほぼ電力を消費しなくなるため、いつのまにか「バッテリが切れているかも」という心配もなくなりました。

そのスリープモード、現在のMacには3種類が存在します。

なぜ種類があるのか、どうすれば選択できるのか、それぞれの特長/メリットはどうなのか、詳しく説明します。

3種類あるスリープモード

画面を閉じればモード開始、開ければモード解除(ウェイクアップ)と振る舞いとしては単純明快なスリープモードですが、かつて補助記憶装置の主流はHDDだったなどの事情があり、挙動が異なる3種類のモードが用意されています。

Macのデフォルトの設定では「セーフスリープ」が選択されており、「システム設定」にはモードを変更するためのスイッチが用意されていないため、このセーフスリープが(唯一の)スリープモードと早合点されているかもしれませんが、実際には3種類用意されているのです。




現在のスリープモードを確認する方法

前述したとおり、Macデフォルトのスリープモードは「セーフスリープ」ですが、「システム設定」を隅々まで調べてもどこにも掲載されていません。

しかし、[アプリケーション]→[その他]フォルダにある「システム情報」アプリを起動するか、Finderから[システム設定]→[一般]画面にある[システムレポート…]をクリックし、[電源]を選択してみましょう。

表1に挙げたとおり、「システム電源設定」欄のHibernate Mode項目に表示されている値が「3」であれば、セーフスリープモードだとわかります。初期設定では、AC電源接使用時とバッテリ電源時のどちらも「3」に設定されているはずです。

現在のスリープモードは「システム情報」アプリで確認できます。

もうひとつ、「ターミナル」アプリで「pmset」コマンドを使用する方法もあります。まずは「pmset -g」(「t」と「-」の間は半角スペース)と入力し、行末で[return]キーを押してコマンドを実行してみましょう(実行例1)。「システム情報」アプリと同様に、sleep行には「3」と表示されているはずです。

なお、コマンドの実行結果を見ると、ハイバーネートファイルは「/var/vm/sleepimage」として存在することがわかります。このファイルは、開いている書類やアプリケーションが使用するデータなどが含まれるメモリ内容をそのまま書き出した巨大なファイルで(ファイルサイズはMacに搭載されたメモリサイズと一致)、メモリに書き戻すことでスリープに入る直前のMacの状態を復元します。

【実行例1】

pmsetコマンドでも現在のスリープモードを確認できます。

スリープモードを変更する方法

スリープモードを変更する方法は、残念ながらGUIには用意されていません。デフォルトの「セーフスリープ」は、メモリ内容をストレージに退避させたあとメモリ上で保持するため、スリープ解除後にすぐ復帰できる(メモリ上にデータが保持されているから速い)うえに、ストレージにメモリ内容を退避させるという保険があるため、バッテリが尽きても作業内容を失わないとバランスがよく、敢えて変更する必要がないからでしょう。

しかし、スリープ途中でバッテリが尽きるとは考えにくい、ストレージにメモリ内容を退避させるなど無駄だと考える場合には、スリープモードを「0」にしてもいいかもしれません。

その場合、「ターミナル」アプリで以下の実行例2のとおりコマンドを入力し、行末で[return]キーを押して実行します。「Password:」とプロンプトが表示されるので、管理者権限を持つユーザ(複数のユーザで使用していないMacは、現在ログインしているユーザ)のログインパスワードを入力すればOKです。

念のため「pmset -g」を実行し、「hibernatemode」の値が「0」に変更されたことを確認しておきましょう。なお、初期設定のセーフスリープに戻す場合には、行末の数値(引数)を「3」にしてpmsetコマンドを実行します(実行例3)。

【実行例2】

【実行例3】

スリープモードを「スリープ」に変更します。




おすすめの記事

著者プロフィール

海上忍

海上忍

IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。

この著者の記事一覧

×
×