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水泳に最適な骨伝導イヤフォン「SUUNTO AQUA」レビュー。泳ぎ方の分析や疲労度の回復まで教えてくれる!

著者: 大竹望未

水泳に最適な骨伝導イヤフォン「SUUNTO AQUA」レビュー。泳ぎ方の分析や疲労度の回復まで教えてくれる!

個人的なことになりますが、私の趣味は水泳と音楽鑑賞です。それぞれ独立して楽しむのが基本ですが、ふと、この2つを同時に楽しむことはできないのかと考えました。

そんな矢先、たまたま水泳に特化したイヤフォンを見つけました。それは、骨伝導イヤフォン「SUUNTO AQUA」。水中で音楽を聴けるのはもちろんのこと、なんと泳ぎ方の分析までできるそうです。

幸いにもメーカーからお借りできたので、さっそくレビューしていきます。

地上では普通の骨伝導イヤフォン「SUUNTO AQUA」

手にとってみたところ、見た目は一般的な骨伝導イヤフォンと大きく変わりません。長時間つけていても、軽量で痛くなりにくい設計です。

SUUNTO AQUA_1
装着した様子。ちなみにスイミングキャップの上からでも、難なく装着することができました。

イヤフォンには、ドライバ部分にあるマルチ機能ボタン、○▷ボタン、◁ボタンの3つのボタンが搭載されています。これらのボタンを使えば、ペアリングやBluetooth接続も簡単に行えました。

SUUNTO AQUA_2
オン/オフを切り替えるには、▷ボタンを長押しします。また○▷ボタンを押すことで、音量などの調節を行うことができました。

設定の変更や取得した数値の確認は、「Suunto」アプリで行います。防水に関しては、長時間の使用に耐えられるIP68性能なので安心です。

Suunto

【開発】
Amer Sports Digital Services Oy
【価格】
無料

水中で使ってみたところびっくり! 新たな視聴体験

このイヤフォンには、通常の「Bluetooth音楽」モードとは別に、あらかじめ内蔵のストレージに保存した音楽を再生する「オフライン音楽」モードが存在します。水泳時などでiPhoneを近くに置けない場合でも、この「オフライン音楽」を使って視聴することができるんです。

また使用場面によってモードが選択できる「サウンドモード」で、日常的に使える「標準」だけでなく、「屋外」や「水中」に変更することで、より最適化された音質に変更できました。

保存した楽曲は、[すべての曲]に追加されます。追加した曲の中から選んで、プレイリストを作ることも可能です。
アプリ内から簡単にサウンドモードを切り替えられます。

さっそくオフライン音楽を「水中」モードに変更して、プールの中で試してみました。すると──陸上で聞く音とは響きがかなり違いました。水の中で音楽が反響するため、耳いっぱいに音楽が響き渡ります。

それは音がブワーっと脳の中に広がっていく感覚で、今までに味わったことのない視聴体験でした。個人的に、このイヤフォンの一番の醍醐味はこの「水中リスニング」にあると思いました。

ただ少々気になったのは、「ストレージモード」に音楽を保存する際の手順です。iPhoneやMacからイヤフォンに音楽を転送し、楽曲を保存する必要があるのですが、初見ではなかなか保存先がわからず手間取ってしまいました。

SUUNTO AQUA_5
音楽を内蔵ストレージに転送するには、イヤフォンを電源バンクに置き、付属のUSB-C to Cケーブルで接続します。そして、パソコンまたはiPhoneに接続する必要があります。

そして楽曲を約8000曲を保存できるものの、保存できるのはMP3、FLAC、WAV、AAC、M4A、APE、WMA形式で保存している音声データのみ。

このように「オフライン音楽」は少々ハードルが高いため、まずはイヤフォン内に用意されているプリセット音源を水中で視聴してみるのもよいかもしれません。

また便利だと思った機能は、ヘッドジェスチャーコントロールです。プールで泳いでいるときに、いちいちイヤフォンを触って操作するのも面倒なはずです。頭で2回振ると、次の曲に進めるといった操作が役立ちました。

泳ぎ方を分析してくれる! 疲労度の検知も

さて、このイヤフォンで私が特に気になっていたのが、水泳中の動作分析・疲労度検知できる機能です。

泳いだあとにアプリを開いてみると、自動的に水泳記録が取れていました。息継ぎの回数や頭部の角度、ストロークの滑走時間を分析して「Sunto Coach」としてアドバイスしてくれます。

その日のアクティビティを一覧で見ることができます。
アドバイスだけでなく、時間や呼吸角度を具体的な数値で検知し、記録してくれます。

今まで1人で泳いでいると、どのような泳ぎ方をしているのかわからないという課題がありました。このイヤフォンを使えば、データとアドバイスにより可視化できるため、泳力の向上につながると感じました。

「疲労感の回復」についても、以下のように取得したデータをアプリ上で表示してくれます。どのくらいのレベルで疲労を感じているのかわからず、無理に運動を続けてしまう場合もあると思うので、疲労軽減に便利な機能です。

1週間のトレーニング負荷の可視化やデータを元に負荷の分析をしてくれます。
回復状態を次のトレーニングに活かせるでしょう。

また、「ジャンプ評価」と「頸部可動性評価」という機能があります。内蔵するセンサを利用して、ユーザのフィットネスレベルを分析。ベースライン測定を基に、各ワークアウトの前後にユーザの体幹と脚の筋肉の状態を測定して、回復が効果的であったかどうかを判断してくれるんです。

ためしに「頸部可動性評価」をやってみましたが、自分の頸部の可動域が左右非対称であることがわかりました。

指示に従って首を動かすことで、評価してくれます。
具体的な角度まで表示してくれました。

おすすめの簡単なストレッチも表示してくれるため、結果をトレーニングに意識的に取り入れられそうです。

やはり水泳での利用に最適! アクティビティ向けイヤフォン

骨伝導イヤフォンを使用する際には、音漏れについて気になるところです。その点について、SUUNTO AQUAも多少の音漏れは気になりました。

個人的な使用感ではあるものの、イヤフックが少し浮いていたため音楽をしっかりと聴くためには音量を大きくする必要があり、音漏れが発生しやすい印象でした。

SUUNTO AQUA_12
10時間再生が可能なため、運動する最中はバッテリ切れに困ることなく使用できました。

ただし、もともとアウトドアやスポーツ時の利用がメインの製品ですので、大きな欠点ではないはずです。

上記のことを踏まえても、水中で視聴体験が楽しめることや泳ぎ方を分析してくれる点で、使用満足度が非常に高い製品だと思います。水泳好きにはたまらないイヤフォンでした。

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著者プロフィール

大竹望未

大竹望未

『Mac Fan』編集部所属。2001年生まれ。2024年に編集部に入りました。趣味は旅行、音楽を聴くこと。便利でおもしろいガジェット、iPhoneのTipsを日々探しています!

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