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自作キーボードの祭典“キーケット”にキーボード初心者が潜入! 「キーボードマーケット 2025」 体験レポート

著者: 佐藤彰紀

自作キーボードの祭典“キーケット”にキーボード初心者が潜入! 「キーボードマーケット 2025」 体験レポート

筆者はいつも、MacBook Proの内蔵キーボードとトラックパッドで仕事をしています。理由はこの組み合わせが好きすぎるから。こんなに使いやすいのだから、サードパーティ製品にもなかなか手を出してきませんでした。

とはいえ、編集部ではHHKB Studioが使いやすいと盛り上がっていたりして、外付けキーボードが少しづつ気になり始めてきました。そんな最中、自作キーボードの祭典「キーボードマーケット トーキョー 2025」が開催されると聞きつけたのでキーボード初心者がお邪魔してきました。

「キーケット」の愛称で呼ばれる「キーボードマーケット」は、自作キーボードの本体や部品などを販売する即売会。2025年3月22日に開催された今回が2回目の開催です。

そもそも自作キーボードって何?

自作キーボードは、文字どおり基板、ケース、キースイッチ、キーキャップなどを自分で組み立てるキーボードのことです。自作することで、市販品では販売されていないような、「好みの打鍵感に仕上げたい」「キーボードを左右分割したい」「キーが少ないキーボードが欲しい」などのニーズを満たすキーボードが手に入ります。

自作PCのような雰囲気もありますが、エルゴノミクスを意識して立体的に造形されたキーボードもあり、自作キーボードの世界はパーツを組み合わせるだけにとどまりません。

キーケットでは出展サークルが自作したキーボード本体や自作したパーツなど、製作者自慢のプロダクトが並びます。

ユニークな自作キーボードが並ぶ会場を探索

キーケットには自作キーボードに関する58のサークルと、13の協賛企業がそれぞれ出展していました。初回開催から会場の広さを2倍に増やし、来場者も2倍受け入れられるようにしていたそうです。自作キーボード愛好家たちの“熱気”が会場中に充満していました。

筆者が会場を探索して、気になった製品をピックアップして紹介していきます。

おさかなキーボード/サークル「大西拓磨/小松亮介」

魚の形をした、その名も「おさかなキーボード」。腹ビレ部分に垂直配置されたキーは、押しやすさを重視して作られているそう。

まず訪れたのは、事前に見たWebカタログで気になっていた「おさかなキーボード」。

作者の大西拓磨さんに作成の経緯を聞くと、実は開発当初は「おさかな」にする予定はなかったそう。エルゴノミックな押しやすい3Dキー配置を模索していく中で、キーボードの形がおさかなに見えてきて、そこからおさかならしいフォルムに作り上げていったとか。

このサイズのキーボードだと、一般的なキー配列の「QWERTY配列」が使えません。このキーボードでは製作者の大西さんが開発した「大西配列」が採用されています(別のキー配列に変更することも可能です)。

おさかなキーボードのキー配列。「大西配列」は同じ指で連続して打鍵することを避け、タイピングしやすいように設計されています。

omni CS/サークル「mass」

ホワイトの「omni CS」。ブラックのカラーバリエーションも展示されていました。

massさんが制作したキーボード「omni CS」は、トラックボールを2つ内蔵しています。右のトラックボールはカーソル移動用、左のトラックボールは画面スクロール用です。

中央にタッチパッドを備えるのもユニークです。、登録しておいたアプリを起動できます。トラックボールの移動速度もタッチパッドから変更できるようになっており、低速域はより小さな動きにするなどの細かやかな設定が可能です。山形に配列されたキーや下段にあるファンクションキーなども特徴的ですね。

このほかにも「無線」「分割キーボード」「トラックボール付き」「40%キーボード」などを組み合わせて、各サークルが自慢のキーボードを出展していました。

キーキャップやパームレストなど周辺機器もたくさん!

マーブル柄のキーキャップ/サークル「Fuji Parmesan Craft Works」

レジンで作られた自作キーキャップ。水面にマーブル模様を浮かべて塗装するマーブル塗装が施されたスペースバー(写真手前)が一際目を引いていました。

こちらのブースでは、色鮮やかなキーキャップを販売していました。

自作キーボードは「より使いやすい形」の探究がメインストリームだと思っていたのですが、デザインやおしゃれの文脈でも盛り上がっているようです。製作者のふじっこさんによれば、なんと、一つひとつが手作りで、一つ作るのに3時間かかるそう。マーブル塗装されたスペースバーが印象的でした。

多肉植物キーキャップ/サークル「海産物」

多肉植物モチーフのキーキャップと、内部に金魚が泳ぐ金魚鉢ビーキャップ。多肉植物はディテールが細かく作り込まれていました。

こちらのサークルでは多肉植物と金魚鉢のようなキーキャップが販売されていました。

しゃちの水槽さんが手作りした多肉植物のキーキャップ7種類が展示されており、それぞれディティールが違うのでみていて飽きません。キートップが平面ではないので、たくさん押すキーにはつけづらいですが、ESCキーなどあまり使わないキーに設置すると良さそうですね。

Magic Trackpad対応パームレスト/サークル「livehack」

キーボードの下にMagic Trackpadを配置できるパームレスト。埋め込むようにMagic Trackpadを設置できます。

Magic Trackpad専用パームレストも発見しました。

livehackさんが制作したパームレストは、まるでMacBookのように、キーボードの下にトラックパッドを配置できます。筆者が日頃MacBookの内蔵キーボードを使う理由の9割が、「この配置でトラックパッドを使いたい」からなので、自作キーボードと合わせて導入するのもアリですね。個人的には、キーケットで一番欲しくなった製品です。

“ラピッドトリガー”対応ゲームコントローラ/サークル「ルミナスタジオ」

ラピッドトリガー対応のゲームコントローラ。主に格闘ゲームで使用される、レバーレスコントローラと呼ばれるものです。ラピッドトリガーが採用されている格闘ゲーム用コントローラは、まだ数えるほどしかありません。

キーボードの祭典にはゲームのコントローラまで展示されていました。

ルミナスタジオさん制作のコントローラの特徴は、キー入力にラピッドトリガーという技術が採用されていることです。従来のキースイッチ入力では、ある地点を境にして、それより押し込んでいるか否かでON/OFFの状態が決まる一方で、ラピッドトリガーでは、キーの上下の移動方向でON/OFFが決まります。つまり、ラピッドトリガーならキーを底まで押し込んでいても、指を離した瞬間にOFFになります。反応速度を求めるゲーマーに、より高速なレスポンスが提供できます。

キーケットの協賛企業ブースも充実。“界隈”の盛り上がりを感じるイベントでした

また、キーケットはサークルだけでなく、キーボードや周辺機器を取り扱う13企業が協賛出展していました。

人気の高級キーボード「HHKB」を製造・販売するPFUの出展ブース。このほかにも自作キーボード専門店の「遊舎工房」や「、REALFORCE」を製造・販売する東プレなどが出展していました。

紹介したサークルはごく一部で、ほかにも「狭ピッチキーボード」や「木製キーキャップ」などユニークなキーボード、パーツが展示・販売されていました。どのサークルの方にお話を聞いても楽しそうに語ってくれるので、キーボードへの熱量と界隈の盛り上がりを感じます。

次回のキーケットは2026年3月28日開催予定です。キーボードに少しでも興味のある方は、ぜひ参加してみてください。デバイスを触って話を聞くだけでも楽しいですよ。欲しくなったらそのまま買っちゃいましょう!

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著者プロフィール

佐藤彰紀

佐藤彰紀

『Mac Fan』編集部所属。ECサイト運営などの業務を経て編集部へ。好きなものは北海道と競技ダンスとゲーム。最近はXR分野に興味あり。

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