iFLYTEKの「VOITER SR302Pro」はデバイス内で完結する文字起こし機能が特徴のボイスレコーダだ。クラウドなどの外部サービスを必要としないので、文字起こしサービスで懸念される、情報漏洩のリスクが低い。
リアルタイムで文字起こししているため、収録中は文字起こししている様子が液晶画面に表示されるうえ、収録後はすぐに文字起こしデータを出力できる。詳細については以前の紹介記事「“文字起こし”にAI革命⁉︎ ボイスレコーダVOITER「SR502J」「SR302Pro」を2台まとめてレビュー!」で解説している。
VOITER SR302Proは、今までは本体で収録した音声しか文字起こしすることができなかった。しかし、2025年1月14日から「外部デバイスから取り込んだ音声の自動文字起こし機能」が追加された。録音したデータを文字起こしする際、より情報の安全性を重視する場合は、オンデバイスで完結するVOITER SR302Proでセキュアな文字起こしが可能だ。
iFLYTEK VOITER SR302PRO AIライティングレコーダー 黒/文字起こし/ボイスレコーダー/音声を自動でテキスト…
iPhoneで収録した音声データをインポートする
外部データの取り込みにはVOITER SR302Proのアップデートが必要になる。今回はすでにアップデート済みだったためこの手順は行っていないが、アップデートが必要な方は公式のガイドを参照してほしい。
MacでVOITER SR302Proとデータのやりとりを行う場合、「Android File Transfer」というアプリが必要だ。端末の設定画面にある「ファイル書き出し手順」を参考にすると「Android File Transfer」をインストールすることができる。
※「Android File Transfer」の開発元であるGoogleはAndroid公式サイト上での公開を終了している(厳密にいうと、ページは存在するもののAndroidの公式サイトからのリンクはなくなっている)。「Android File Transfer」は、VOITER SR302Pro本体のディスプレイに表示されるQRコードからダウンロードできるので使用できないわけではないが、今後のmacOSアップデートなどに対応できるかどうかはわからない。
データをインポートする手順は少し複雑なので要注意。Macと本製品をUSB-Cケーブルでつなぐと「Android File Transfer」が起動する。
画像のように、「端末のストレージにアクセスできません」というダイアログが出るので一度[OK]を押して閉じる必要がある。

本体とコンピュータを接続すると、VOITER SR302Proの本体側でメニューを選ぶことができるので、今回は [音声インポート]を選択する。

そして再度、「Android File Transfer」を起ß動すると、ファイルを転送することができる。

今回はiPhoneで収録した音声をインポートした。使用したデータフォーマットはm4aだが、このほかにもwavやmp3など複数のファイル形式に対応している。
文字起こしデータと実際の会話を比較
今回はiPhone 14 Proで録音した編集部関口との会話音声をVOITER SR302Proで文字起こしを行い、精度を確認した。
【実際の会話内容】
佐藤:関口さんは好きな寿司ネタありますか?
関口:寿司。ちょっと通ぶっちゃうところあるんですけど、ほんとに、ほんとに、ホタテと茹で海老ですね。
佐藤:あっ全然通ぶってる感じしないですけどね。
関口:マグロとか意外と食べなかったり、逆に食べなかったりするんです。
佐藤:あー、僕もあんまりマグロ食べないかも。
関口:佐藤さんは何が好きなんですか?
佐藤:僕は貝類が基本好きで、赤貝とか
関口:おーいいっすね
佐藤:ホタテも好きだし、ホッキも好きですね。
関口:いいっすね。赤貝あったら頼んじゃいますよね。
佐藤:赤貝マジでいいすね。
関口:食感が
佐藤:コリコリ感がたまらない。
関口:でも一歩踏み出すまでに勇気が要った気がします。ちっちゃい頃は
佐藤:あー確かに小さい頃は貝そんな好きじゃないですよね。
【VOITER SR302Proによる文字起こし】
佐藤:関西さんは好きな寿司ネタありますか?
関口:寿司ちょっとつぶっちゃうところあるんですけど、本当に本当にホタテとユダエビですね。
佐藤:あ、全然ツーブってる感じしないんですけど。
関口:いや、マグロとか意外と食べない?逆に食べなかったですよね
佐藤:あー。僕はあんまりマグロ食べないかも。
関口:佐藤さん、何が好きなんですか?
佐藤:僕はもう貝類が基本好きで、赤貝とか
関口:多いですね
佐藤:ホタテも好きだし、まあ、ホッキーも好きですね。
関口:リース赤がいたったら頼んじゃいますよね。
佐藤:赤がいい。マジでいいですね。
関口:まあ、食感が。
佐藤:コリコリコリ感がたまらない。
関口:あのうでも、一歩踏み出すまでにちょっと勇気がいた気がします。佐藤:ちっちゃい頃は
佐藤:あ確かに小さい頃、会議そんな好きじゃないですよね。
※本機に話者識別機能はない。発言者の区別は筆者によるもの。
結果を見ると、「赤貝」や「ホッキ」など、固有名詞を認識しきれない部分があった。また、「通ぶる」など、“デバイスが知らないボキャブラリ”がウィークポイントのようだ。これは以前の記事で検証した結果とあまり変わらない特徴だ。
ちなみに音声データ2分弱の文字起こしにかかった時間は約1分だった。ざっくりと音声データの半分程度の時間で文字起こしが可能だ。
トータルすると、文字起こしを見て会話内容を思い出したり、正確に文字起こしするための叩き台にするには十分だろう。オンデバイス処理ということもあり、クラウドでの文字起こしより荒く感じる部分もないわけではないが、どんな文字起こしサービスを使っても、起こしきれない部分はある。そう考えると「オンデバイスでセキュアな文字起こし」が必要な人にとって、VOITER SR302Proは十分な機能を兼ね備えていると言えるだろう。
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