「蔦屋家電+」をご存じだろうか。
体験型書店・家電店としておなじみの二子玉川 蔦屋家電。その一角には、世界中のユニークな製品が並び、手にとって体験できるスペースがある。その名も、次世代型ショールーム「蔦屋家電+」。デジタルガジェットから生活雑貨まで、幅広いジャンルのプロダクトに出会える場所だ。

プロダクトの選定は蔦屋家電+の専任キュレーターが務め、その目利きの妙を楽しむこともできる。あなたがガジェット好きでも、きっとお初にお目にかかるアイテムがあるはずだ。「蔦屋家電+に足を運べば面白いものに出会える」そういっても過言ではない。
第5回「蔦屋家電+ 大賞」が発表。そのユニークな選出方法とは?
そんな蔦屋家電+では、年に1度「蔦屋家電+ 大賞」として優れたプロダクトを表彰している。その選出方法もまたユニークだ。
蔦屋家電+では、1つの製品につき1台のiPadを配置。製品の解説文などが表示され、店頭ポップの役割を果たしている。そして、そのiPadは“大賞”を選出するための重要なデバイスでもある。独自のアプリでAIによる画像解析を行い、その製品を体験した人数、滞在時間の1日の平均を算出しているのだ。
そしてそのデータと、蔦屋家電+のスタッフが接客時にお客さんから得たコメントなどを組み合わせ、“来店客の注目度”を定量化。その数値が高かった20個のプロダクトが、「蔦屋家電+ 大賞」を受賞する。
そして2025年1月20日に発表された、第5回「蔦屋家電+ 大賞」のラインアップは以下のとおり。なお、受賞プロダクトは、2025年2月13日(木)まで「二子玉川 蔦屋家電 2Fエスカレーター前」で展示中だ。気になる方は、ぜひ足を運んでみてほしい。
受賞プロダクト一覧
グランプリ:SenseRobot -AI囲碁ロボット-(伊藤電機株式会社)
2位:VITURE One XRグラス(Viture Inc.)
3位:mibot(KGモーターズ株式会社)
4位:HUAWEI FreeClip(華為技術日本株式会社)
5位:TINY MIXX(AlphaTheta株式会社)
6位:Beeboard ヒカリ絵(株式会社テクニカルアーティスト)
7位:ヒツジのいらない枕(株式会社太陽)
8位:しゃべる地球儀 PERFECT GLOBE X(株式会社ドウシシャ)
9位:ミーア(株式会社EarBrain)
10位:MOIMOIMOI(MOIMOIMOIプロジェクト)
11位:LAMDASH PALM IN(パナソニック株式会社)
12位:Smart Mini(株式会社スマトナ)
13位:BE@RBRICK AUDIO 400% Portable Bluetooth Speaker(株式会社メディコム・トイ)
14位:Beauty Face Stick(株式会社Kirala)
15位:Nothing Phone(2a)/Ear/Ear(a)(Nothing Technology Limited)
16位:ViXion01(ViXion株式会社)
17位:はねやすめ(シャープ株式会社)
18位:NICOBO(パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社)
19位:Cear pavé(シーイヤー株式会社)
20位:モンド オーバーイヤー(株式会社THT Japan)
Mac Fan編集部の注目プロダクト! 第5回「蔦屋家電+ 大賞」 から3製品をピックアップ
20種類の個性あふれるプロダクトが選出された第5回「蔦屋家電+ 大賞」 。その中から、Mac Fan編集部が特に注目する3製品をピックアップする。蔦屋家電+のスタッフ・信太秀斗さんのコメントともに紹介していこう。

SenseRobot -AI囲碁ロボット-(伊藤電機株式会社):初心者からベテランまで楽しめる。片付け機能も秀逸です!

「SenseRobot」は、「囲碁」「五目並べ」「五子取り」の対戦相手になってくれるロボットだ。モードと難易度(AIの棋力)を設定するとすぐに対局がスタート。
アームのスムースな動きと静音性は素晴らしく、棋力を研鑽するにはピッタリのプロダクトだろう。16万円前後という価格から、やや“本気度”の高い製品のようにも思えるが、カジュアルな囲碁プレイヤーにとっても最高の遊び相手になってくれるに違いない。
「AIの棋力にはいくつか段階があります。たとえば五目並べのモードには、“伝説級の存在”というランクが用意されており、メーカーさんによると世界レベルのプレイヤーに近い強さだそうです。当然、“初心者”も用意されているので、幅広い囲碁ファンの方々にお楽しみいただけると思います」(信太)
取材当日、筆者は人生で初めて五目並べをしたのだが、“初心者”相手になんとか勝利できた。これは楽しい。
そして特に驚いたのが、碁石の回収機能だ。対局終了後、アームが碁石をスッと吸い込むように拾い上げる。両サイドの収納スペースに石を戻すのだが、なんと、石が溜まって山にならないよう、位置を変えながらリリースしていくのだ。AIの賢さに感心したというより、ユーザファーストなメーカーの設計思想に感動した。

mibot(KGモーターズ株式会社):超ミニマルな一人乗りカー。シンメトリーなデザインが新発想!

mibotは、一人乗り用の電気自動車だ。シンメトリーなデザインとコンパクトなサイズ感が目を惹く。原付ミニカー規格なので、道路運送車両法上は原付に分類され、車検が不要で維持コストを抑えやすいのも魅力の一つ。ただし、道路交通法上は普通自動車として扱われるため、運転には普通自動車免許が必要だ。
シンメトリーなデザインにはコストメリットがある。1台のmibotを製造するにあたり、多くのパーツを併用できるのだ。スタートアップ、そして車好きならではの視点で作られた1台に注目が集まるのも無理はない。
「KGモーターズ株式会社は、小型モビリティロボットのスタートアップです。制作過程をYouTubeチャンネル『【KG Motors】くっすんガレージ モーターズ』で発信することで、mibotは熱烈なファンを抱える製品になりました。実際に見て、乗ってみると、約1カ月で1000台ほどの予約が入ったというのも頷けるクオリティと魅力が詰まったプロダクトだとわかるはずです」(信太)
筆者も実際に乗り込んでみた。外観上は超コンパクトだが、シートに座ると意外と空間が広々としている。前後左右、そして上まで、フレームにガラスを嵌め込んだようなデザインゆえだろう。シートはリクライニングも効くので、ゴロリと寝転ぶこともできた。
なお現在、二子玉川 蔦屋家電に展示されているmibotには乗車できないので注意してほしい。

ヒツジのいらない枕(株式会社太陽):この感触…形容できない! ふわ、モチ、ヌチ…。とにかく気持ちいい

蔦屋家電+に展示されるのは、電子機器だけではない。7位を獲得した「ヒツジのいらない枕」もその1つだ。
昨今、オーダーメイド枕を筆頭に高級枕が人気を集めている。しかし「ヒツジのいらない枕」は、そんな中でも一際目を引く。そして、実際に触れるとさらなる驚きがある。当然、綿でもなければ蕎麦殻でもない。スライムでもないし粘土でもない。フワ、モチ、ヌチッとした、初じめての感触だ。メーカーは、“水に浮かんでいるかのような気持ちよさ”を目指したとか。
「一般に、枕の耐久性は3年程度とされています。一方『ヒツジのいらない枕』は、寿命の水準は10年です。水洗いにも対応するので、清潔感を持続できるのもいいですよね。また、中央が窪み、なだらかなウェーブが描かれる構造によって、頭だけでなく首や肩まで包み込んでくれるのが特徴です」(信太)
なお、「ヒツジのいらない枕」はサイズなどが異なる複数のラインアップを用意する。同ブランドの「ヒツジのいらないマットレス」と一緒に使って、QOLを高めたいものだ。

なお、今後Mac Fan Portalでは、蔦屋家電+で展示される注目プロダクトを定期的にピックアップして紹介する予定だ。蔦屋家電+に足を運ぶのが難しい方は、ぜひ当メディアを新たな出会いの場所として役立ててほしい。
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蔦屋家電+(プラス)
住所:東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズS.C. テラスマーケット
営業時間:10:00~20:00
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著者プロフィール

関口大起
『Mac Fan』副編集長。腕時計の卸売営業や電子コミック制作のお仕事を経て、雑誌編集の世界にやってきました。好きなApple Storeは丸の内。Xアカウント:@t_sekiguchi_