薄型iMacがさらにパワフルに
2021年5月にM1チップを搭載し、“極薄モデル”として鮮やかに一新されたiMac。今回のアップデートでは、M1モデルでリニューアルされた筐体デザインはそのままに、M3チップを搭載することで内部パフォーマンスを大きく向上させることに成功した。
オールインワンの薄型デザイン
Appleシリコンの恩恵により、ボディの大幅なスリム化に成功したiMac。そのコンパクトさはM3モデルにも継承されており、わずか11.5mmという驚愕の薄さを実現している。ホームコンピュータとしてあらゆる空間に馴染むオールインワンモデルに仕上がっている。
まず前提として、新iMacで提供されるのはM3チップを搭載したモデルのみ。M3 ProおよびM3 Maxは選択できないことに注意しよう。そのうえで、8コアGPUモデルまたは10コアGPUモデルの2種類がラインアップされている。
M3 Pro/M3 Maxモデルのインターフェイス
8コアGPUモデル/10コアGPUモデルともに、Thunderbolt/USB 4ポートを背面に2基搭載。10コアGPUモデルのみ、USB 3ポート(最大10Gb/s)を2基追加した4ポート設計となっている。
なお、内蔵ストレージとしては8コアGPUモデルが256GB(512GBまたは1TBに変更可能)、10コアGPUモデルが256GBまたは512GB(1TBまたは2TBに変更可能)となっている。メモリは8GBユニファイドメモリが標準となっており、こちらもオプションで16GBまたは24GBに変更可能だ。
M3のアーキテクチャとその脅威的なパワーについては、こちらの記事で詳しく解説されているが、次世代GPUや16コアのNeural Engine、最新のメディアエンジンなどにより、処理性能が大幅に引き上げられている。
M1モデルより最大2倍高速
新iMacでは、M3チップを搭載したモデルのみを提供。8コアのCPU、最大10コアのGPU、最大24GBのユニファイドメモリを搭載しており、M1を搭載した前モデルより最大2倍高速なパフォーマンスを実現した。
たとえば、M1搭載iMacと比較すると、Safariでのブラウジングや「エクセル(Microsoft Excel)」などのビジネスソフトを使った作業は最大30%高速化され、ゲームプレイ時には最大50%高いフレームレートを体験できる。さらに最大12ストリームの4Kビデオ編集と再生ができたり、Final Cut ProやAdobe Premiere Proでのプロジェクト制作が最大2倍高速になったりと、高負荷な作業をカバーするパフォーマンスを手に入れている。
ハードウェア構成はM1モデルを踏襲
ボディデザインやスペック面に関しては、基本的にM1モデルの設計を引き継いでいる。カラーバリエーションも同様で、新iMacではブルー、グリーン、レッド、シルバー、イエロー、オレンジ、パープルの7色から選択可能(8コアGPUモデルはブルー、グリーン、レッド、シルバーのみ)。
7色の鮮やかなカラバリ
M3チップを搭載した新iMacは、M1モデル同様にブルー、グリーン、レッド、シルバー、イエロー、オレンジ、パープルの7色展開。ただし、8コアGPUモデルではブルー、グリーン、レッド、シルバーのみの提供となる。
パッケージには、本体カラーとマッチした「Magic Keyboard」と「Magic Mouse」、USB-C to Lightningケーブルが付属する。
純正の入力機器が同梱
入力機器としては、Magic KeyboardとMagic Mouseを標準で同梱(10コアGPUはTouch ID搭載Magic Keyboard)。CTOオプションにより、Magic MouseはMagic Trackpadに変更することも可能だ。
そのほか、500ニトの輝度、P3の広色域などに対応した鮮やかな4.5K Retinaディスプレイや、1080pのFaceTimeHDカメラ、6スピーカシステム、スタジオレベルのマイクといったハードウェア類については、M1モデルの構成を踏襲。
6スピーカシステムを搭載
M1モデル同様、2組のフォースキャンセリングウーファを備えた6スピーカシステムを搭載している。Dolby Atmosの空間オーディオにも対応しており、没入感の高いサウンドを味わえる。
一方で、ワイヤレス機能はWiFi 6EおよびBluetooth5.3対応へとアップデートされており、より先進的な仕様に近づいた。
最新「Wi-Fi 6E」に対応
新iMacでは、ワイヤレス機能がアップデートされた。Wi-Fiは「Wi-Fi 6E(802.11ax)」で対応で、前世代よりも最大2倍高速なダウンロードを実現。BluetoothはM1モデルの「5.0」から「5.3」に変更されている。
内部パフォーマンスの向上と併せて、さまざまな要求に応える“一家に一台”のホームコンピュータとして、その完成度を高めている。
※この記事は『Mac Fan』2024年1月号に掲載されたものです。
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