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掲載日:

メッシュ式Wi-Fiルータ「Linksys VELOP」

著者: 松山茂

メッシュ式Wi-Fiルータ「Linksys VELOP」

バンド不足で速度低下?

新製品が登場するたびに通信環境の向上を期待して導入し続けてきた我が家のWi−Fi環境。これまでは同じフロアにある隣同士の2軒が仕事場と自宅という環境を、メッシュタイプのWi−Fiルータでカバーしていました。ところが、Macが2台にiPhoneが2台、iPadとアップルTVに加え、WEBカメラが2台、さらにスマートスピーカなどのIoT製品が増えてきたせいか、最近では動画配信サービスを利用すると一部の場所でネットワーク速度が低下してしまいます。電波強度を測ってみましたが、3台のノード(ネットワークの中継点)でカバーしているので特に問題なし。ルータがマルチバンドしか対応していないせいかも…と考えてトライバンドの製品を探していたところ、タイミングよく登場したのがリンクシス(Linksys)のWi−Fiメッシュシステム「ヴェロップ(VELOP)」です。

実は本製品、海外ではすでにアップルストアで取り扱われていて、ディスコンになったAirMacシリーズの後継機種と称されていました。もちろん私も日本での販売開始を待ち望んでいたんです。見た目もAirMacエクストリームっぽくて良い感じです。

シンプルなデザイン

AirMac Extremeを小型にしたような正方形柱の本体。状態を表すライトも上面に1つあるだけです。

ケーブル類の引き出しもスマート

イーサネットやACアダプタの接続ポートが底部の奥まった場所にあるのでコネクタが出っ張りません。

時代はメッシュ式

セットアップは、iPhoneにインストールした専用アプリで行います。今回は3台パックを入手したんですが、当然ながらどれもまったく同じで親機・子機のような違いはありません。また、本製品は“真のモジュール式「Intelligent Mesh」デザイン”を採用しているとのこと。これは、それぞれのノードをWi−Fiや有線イーサネットどちらでもつなげるし、混在させても最高の性能が発揮できるのです。

ということで、1つ目を光モデムにつないで手順に従ってセットアップ。プロバイダの接続情報を入力したり無線LAN情報を設定したりであっという間に完了。引き続き残り2台も別のノードとして追加します。

メッシュタイプと聞くと、バランスよくノードを配置するのが難しいんじゃないかと考えがちですが、本製品なら特許出願中の「Spot Finder」テクノロジーを使い、遅延が低く最大のスループットが得られるように適切な配置を推奨してくれます。ノード追加の際の設定画面でも設置距離に関するガイダンスを表示してくれますし、今回も適切な場所に設置できたようで「完璧です」のお褒めの表示をいただきました。

ルータとしての設定変更なども専用アプリからできますが、MacからもWEBブラウザ経由でステータス確認や設定変更が行えます。従来使っていたWi−FiルータはiPhoneアプリからしか設定変更できなかったので、これはグッドです。

私の場合、外出先からWEBカメラにアクセスしたりVPNで仕事場のサーバに接続するので、ポート転送も必須条件。もちろんその点も大丈夫でした。専用アプリのダッシュボードからインターネットの接続状態もモニタできるし、どのデバイスがどのノードに接続しているかも確認できます。デバイスごとの優先度付けにも対応しているので、動画配信サービスを利用するアップルTVとiPadを登録。そのほか、ゲストアクセスや保護者による制限、MACフィルタリングなどWi−Fiルータとして必要な機能もサポートしています。これならパーソナルユースから小規模オフィスでの利用も問題ありませんね。

さて、心配していた動画配信サービス利用時ですが、何回か測定したところ特定の場所での速度低下もなく、3つのノードすべてで従来の環境より若干のスピードアップが確認できました。これはマルチバンドからトライバンドになったおかげでしょう。

使い始めてまだ1週間ほどですが、順調に利用できています。MacやiOSデバイスをWi−Fiにつなげたまま仕事場と自宅を行き来していますが、当然ながら接続が切れたり伝送速度が大きく変わるようなこともありません。メッシュタイプのWi−Fiルータ、それもトライバンドというのが今後のWi−Fi環境のスタンダードになると実感しました。

「Linksys App」でリアルタイムで状態確認

セットアップにも使える専用アプリ「Linksys App」。どのデバイスがどのノードにつながっているかも一目瞭然です。詳細な設定も本アプリから行えます。

Macからのモニタリングも可能

iPhoneの専用アプリ以外にもWEBブラウザでステータスを確認したり設定変更もできるのは高ポイントです。

トライバンドの効果あり

仕事場と自宅のA、B、Cの地点(下図参照)で速度を計測してみました。特にC地点は日頃速度に悩まされていた場所でしたが、改善しました。伝送速度も若干ですがアップです。

[SPEC]
[Wi-Fiメッシュシステム]Linksys VELOP
【発売】ベルキン
【Size】約78(W)×185(H)×78(D)mm(通常)
【価格】3万5618円(2個パック)/5万3438円(3個パック)
【URL】https://www.linksys.com/jp/velop/

【主なスペック】
【重量】0.63kg【備考】Wi-Fi メッシュ接続性:Wi-Fi AC2200 (867+867+400Mbps) とMU-MIMO、2.4GHz-400Mbps、5GHz 1-867Mbps、5GHz2- 867Mbps 同時トライバンド:IEEE 802.11b/g/n-2.4GHz-256QAMサポート、IEEE 802.11n/ac-5GHz-256QAMサポート 2.4GHzおよび5GHz帯のシームレスローミング テクノロジーに合わせたビームフォーミング プロセッサおよびメモリ:716MHzクァッドコア、4GBのフラッシュメモリおよび512MBのRAM アンテナ:6基のアンテナと高出力アンプ セキュリティ:WPA2パーソナル暗号化

私が紹介します!
松山 茂

東京の下町・谷中に暮らすフリーライター。Leicaと猫が好物。