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APFSを用いた導入手順をAppleがサポートページで公開?

デュアルブートで安全にmacOS Mojaveのベータ版を試す!

著者: 栗原亮

デュアルブートで安全にmacOS Mojaveのベータ版を試す!

Appleはこの秋に正式リリース予定のmacOS Mojave 10.14のパブリックベータ版を、Apple Beta Software Program登録者向けに公開している。APFS(Apple File System)のHigh Sierraでデュアルブートするための方法もサポートページに発表されたので、手順を解説しよう。

モハベの導入が簡単に

いよいよ次期macOSモハベ(Mojave)10.14の正式リリースが近づき、「ダークモード」などの新機能を待ち遠しく思っているMacユーザも多いだろう。近年、アップルは開発中の次期macOSのベータ版を正式リリースの数カ月前から公開しているため、これを利用して試してみたいと考える人も少なくないはずだ。

この「アップル・ベータ・ソフトウェア・プログラム(Apple Beta Software Program)」は、macOSのベータ版の完成度を高めるために公開され、自ら開発したソフトの動作を事前に検証することなどにも利用できる。比較的緩い条件で参加可能で、アップルの開発者登録をした人であれば、無償で利用できるのも特徴だ。

しかし、同プログラムは本来が開発者向けのため、不具合のフィードバックが可能とはいえ、トラブルが生じた際の対策は基本的に自己責任で行うことになる。もし、自分で復旧できる自信がないのであれば、興味本位で利用すべきではないだろう。

また、ベータ版のスクリーンショットなどをWEBで無断掲載するブログメディアなども散見されるが、これはプログラムの利用規約に反する。ほかの開発者へ悪影響を及ぼすことにもつながりかねないため、ブログやSNSへの投稿は厳に慎んでいただきたい。

ここでは、そのことを正しく踏まえたうえで、モハベを手軽に試用するための方法をご紹介しよう。これまでパブリックベータ版の利用というと、メインマシンとは別の検証用Macや仮想マシンを用意して試すのが一般的であった。しかし、モハベでは現在使用しているハイ・シエラにAPFSボリュームを追加するだけで、簡単にモハベ検証環境を構築できる。

APFSとは、ハイ・シエラから導入されたOS向けファイルシステムのことで、従来のHFS+(Mac OS拡張フォーマット)の代わりとなるものだ。この方法が利用できるのは、起動ボリュームに20GB以上の空き容量があるSSDで、APFSフォーマットされたMacに限られる。とはいえ、比較的新しいモデルのMacであれば問題なく利用できる。秋に正式版がリリースされれば、テスト環境のモハベのボリュームごと削除すればよいのだから、いつでも元の状態に安全に戻せるのも利点だ。

無論ベータ版のため、まだまだ細かな部分に不具合が見られるだろう。だが、これを機に不具合のフィードバックを積極的に送信して、少しでも完成度を高めるために皆さんも協力してみてはいかがだろうか。

Mojaveでデュアルブートする手順

(1)デュアルブートに必要な環境は20GB以上の空きストレージ容量が確保されたmacOS High SierraでAPFSフォーマットされたもの。「ディスクユーティリティ」でAPFSボリュームを追加しよう。作業前にTime Machineバックアップは欠かさずに行うこと。【URL】https://support.apple.com/ja-jp/HT208891

(2)Safariで「Apple Beta Software Program」に登録し、Apple IDでサインインしたら「macOS Public Betaアクセスユーティリティ」をダウンロードしてインストールをしておこう。【URL】https://beta.apple.com/sp/ja/betaprogram/

(3)Mac App StoreにmacOS Mojave betaが表示されるのでダウンロードしておこう(画像はHigh Sierraの画面)。

(4)インストーラを起動したら、先ほどディスクユーティリティで追加したボリュームにmac OS Mojaveをインストールする。インストール先は間違えないように注意しよう。

(5)インストールが完了すると、mac OS Mojaveのパブリックベータ版が利用可能になる。システム環境設定の[ソフトウェア・アップデート]パネルで、最新のアップデート状態に保つことができる。

Mojave対応Mac一覧

MacBook(Early 2015以降)

MacBook Air(Mid 2012以降)

MacBook Pro(Mid 2012以降)

Mac mini(Late 2012以降)

iMac(Late 2012以降)

iMac Pro(2017)

Mac Pro(Late2013、およびMSI Gaming Radeon RX 560や Sapphire Radeon PULSE RX 580などの推奨されるMetal対応GPUを搭載したMid2010およびMid 2012モデル)