音声アシスタント「Siri」は、ファイル検索だけでなく楽曲の検索や各種の操作に利用できます。そして、Apple Musicの機能強化に伴って、音声でコントロールできる操作の幅がこれまでよりも大きく広がりました。
一番の進化は、自分のライブラリだけでなく、Apple Musicに登録された4500万曲以上の楽曲が検索対象になる点です。これにより、具体的なアーティスト名や楽曲名を覚えていなくても、そのときに聴きたい曲の雰囲気で検索し、ストリーミングで流れてきた曲から気に入ったものを自分のライブラリに追加したりできます。さらに、iOSデバイスに至っては「ヘイ、Siri」によって完全なハンズフリーでApple Musicをフル活用できます。
また、HomePod(国内未発売)もSiriに対応していてApple Musicを音声でコントロールできます。これらすべてのAppleデバイスからSiri経由でApple Musicを使うようになれば、音楽はもっと生活に身近な存在になることは間違いないでしょう。
SiriがDJのように曲を再生
iPhoneでは、Siriを使ってタイマーを設定したり、画像を探したりできますが、これに加えてアップルミュージックを利用している場合は、ライブラリに入っていない楽曲やポッドキャスト番組を探し出して再生できます。また、気になった再生中の楽曲を自分のライブラリに追加してあとから聴くといった操作も、Siriの音声コマンドだけでできますので、ほかの作業の手を止めることなく効率的です。
また、聴きたい曲がはっきりと決まっていない場合でも「楽しい曲をかけて」のように話しかければ、「ビーツ1(Beats 1)」や各種のラジオステーションから近いムードを探して再生してくれます。なお、Siriの音声コントロールはアマゾンやグーグルなど他社製のAIスピーカに比べるとやや劣る部分も感じますが、呼びかけた文章自体の認識精度は非常に高いので、今後の進化が期待できます。
(1)Siriにアーティスト名や曲名を尋ねると、Apple Musicから探してくれます。「私が持っている◯◯の曲」と聞いた場合はライブラリ内を検索します。
(2)Siriが目的の曲を再生してくれました。「音量を上げて(下げて)」「この曲はスキップ」「この曲は好き(好きじゃない)」「リピート再生」といった操作も音声でできます。
(3)具体的な曲名などが思いつかない場合は「私が好きそうな曲を流して」のように話しかけてみましょう。すると、ラジオやステーションの再生が行われます。
(4)楽曲の再生中に「これに似た曲をもっとかけて」のように尋ねると、[次の曲]に同じアーティストの別の楽曲が追加されて連続再生が可能になります。
(5)「この曲が発売されたのは何年?」「この曲を別のバージョンで聴きたい」のように、探した楽曲の詳しい情報を調べられます。また、再生中の曲を自分のライブラリに追加する操作なども可能です。
(6)「音楽チャート」の機能など、米国以外では対応していないサービスもあります。今後の改善が期待される部分です。