雨を見たかい
「雨を見たかい(Have You Ever Seen The Rain?)」は、1970年前後に日本でも人気があったアメリカのロックバンド、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル(CCR)が放ったヒット曲。雨にまつわる名曲は数多いが、これもそのひとつだ。ベトナム戦争末期の1971年に発表されたこの曲は「晴れているのに降る雨」、日本流に言えば狐の嫁入り、天気雨のことを歌っているが、この「雨」が意味するものは、実はベトナムで米軍が投下したナパーム弾のことだと言われている(違う説もある)。そのため「雨を見たかい」は当時アメリカのラジオで放送禁止になった。
CCRにはもうひとつ「フール・ストップ・ザ・レイン(who'll stop the rain)」という雨の名曲があって、「誰が雨を止めてくれるんだろう」と歌うこの曲もまた「雨」が爆弾や支配を指していると言われている。なんでも「rain」と似た発音の「reign」(支配や統治といった意味がある)にひっかけているんじゃないかという穿った見方があるらしい。
こう書くと、なんだかCCRがゴリゴリの反戦バンドのようだが、そんなことはない。シンプルでストレートなサウンドが魅力のどちらかといえば垢抜けないタイプのバンドで、他のロックアーティストたちがアルバム志向全盛の時代にシングルヒットに固執。なのに全米第1位は取れずに、第2位が5曲もある、とても味のあるバンド。機会があれば、ぜひ一度聴いてみてください。
というわけで、今回は「70年代ロック」じゃなくて「雨」がテーマ。「雨を見たかい」という問いに答えるかのような名前の気象アプリ「アメミル」を取り上げる。この連載で気象アプリを取り上げるのは3度目だが、どれだけあっても困らないのが貯金と気象アプリ。今回のもおすすめです。
降雨情報とARとAIと
ゲリラ豪雨や土砂災害など、雨による甚大な被害を伝えるニュースが近年目立っている。また、災害クラスの大雨でなくとも、にわか雨には誰もが困惑するし、いつの時代だって楽しい予定の天敵は雨なのだ。雨の動向を知ることは、より快適な生活を送るための第一歩と言えるだろう。
今回のアプリは、降雨情報にAR(拡張現実)とAI(人口知能)を組み合わせたのがミソ。まずは通知機能だ。登録地点に雨雲が接近し、1時間以内に雨が予想される状況になると女性の声でAIがその旨を伝えてくれる。実際に使ってみた感想としては、女性に突然声を掛けられるのって悪くないデスよ。まだ短い使用期間だが肝心の精度もまずまずのようである。1時間以内の雨がわかれば、何かと対策を立てることができて、便利だ。また、2万以上の降雨パターンに気象予報士が解説を加えて機械学習させたというAIによる雨解説は、簡潔にまとめられていて、わかりやすい。
3Dで日本全国の降雨状況が表示されるサテライトアイも面白い。iPhoneを動かすことによって、視点を自由に移動させることができ、衛星から見ているようなリアルな映像で、日本とその上空の様子を知ることができる。
また、半径10キロ内の雨(雪)情報をキャッチして、音と動画で雨(雪)が降っている様子をAR表示することができる。その場にいながらにして、どの方角にどの程度の雨(雪)が降っているのかを、リアルに知ることができる。
とまぁ、いろいろできるアプリだが、ワタクシのおすすめはやっぱり通知機能だ。実はこのアプリを入れてから雲行きの怪しい日が楽しみになってしまった(通知待ちで)。雨は嫌いなんだけどね。
さぁ、かかってきなさい
マップをベースとした「2Dモード」とARを使った斬新な「3Dモード」、2つのまったく異なる表現方式で降雨情報を知ることができる気象アプリ。雨の解説をAIが行っているのも特徴だ。1時間以内に降雨が予想されると、女性の声とレーダー動画によりプッシュで通知してくれる「雨通知機能」が便利だ。