プログラミングって一体何だ?
意外と身近な「プログラム」
冷蔵庫の温度管理、炊飯器の加熱や温度調整、ロボット掃除機の「ぶつかると方向を変える」などは、すべてプログラム制御によるもの。最近の家電は、さまざまなセンサを活用して、より高度な制御が行われています。
プログラムとは「命令」のこと!
コンピュータを動かすには、人間が命令を出さなければいけません。しかも、コンピュータが人間のやってほしいことを察することはなく、やってほしいことをすべて、細かく、順序を追って命令する必要があります。その命令をまとめたものが「プログラム」と呼ばれるものです。
翻訳作業が必要
コンピュータは「0」か「1」の2進数で表現された命令、つまり「機械語」しか処理できません。しかし、膨大な量の「0」と「1」の連なりを人間が読み解くことは不可能…。そこで、「プログラミング言語」が発明されました。あるプログラムを通すことで、プログラミング言語は機械語に翻訳できます。
Lesson 1●Swiftの特徴をチェックしよう!
Swiftは、2014年にAppleがリリースしたプログラム言語です。Swiftを使うと、iOS、macOS、tvOS、watchOSのアプリケーション/ソフトウェアを開発できます。iPhoneアプリは、これまで「Objective-C」という言語で開発されていましたが、Swift登場以降は、Swiftで開発されることが多くなりました。
Swiftは、従来のプログラミング言語の「いいとこ取り」を実現しています。たとえば、最新のプログラミング言語のトレンドを採用した「モダンな設計」を取り入れていることもその1つ。そのほかにも、文法的に記述ミスを起こりづらくする「安全な仕組み」を採用していたり、記述しているプログラムを実行しながら書き進められる「インタラクティブな動作」などもSwiftの特徴として挙げられます。また、高速化を目的として開発されたため、コンパイル(後述)時の実行速度も高速です。
さまざまなプログラミング言語
時代とともにさまざまな種類のプログラミング言語が開発されてきました。スマホアプリが得意なSwift、C#(Unity)、Java、WEBアプリが得意なPHP、Ruby、JavaScript、データ分析が得意なPython、実行スピードが速いC、C++など、コンピュータにどんな仕事をさせたいかで使う言語は変わってきます。
Lesson 2●Swiftに必要なツールを押さえよう!
コンピュータプログラムである文字列、すなわち「ソースコード」を書いて実行するには、開発ツールが必要です。macOS標準の「テキストエディット」でプログラミングをすることもできなくはないですが、開発をサポートする機能がないので、初心者の場合は早々に挫折してしまうかもしれません…。Swiftを使った開発をするならば、Apple純正の統合開発環境であり、実質的な標準ツールとなっているソフトウェア「Xcode」をダウンロードしましょう。XCodeはMac App Storeから誰でも無料で入手できます。
Xcodeには、コードを記述する「エディタ」、機械語に翻訳する「コンパイラ」、問題が起きたときにどこが原因なのか探すのを補助してくれる「デバッガ」などがセットになっています。詳しい使い方は、次回以降で一緒に身につけていきましょう。
Xcodeを入手しよう
「Xcode」は、Mac App Storeから無料で入手できます。ダウンロードされた「Xcode」は、[アプリケーション]フォルダに登録され、それをダブルクリックすると、初回時のみ管理者パスワードを求められます。パスワードを入力するとインストールが開始され、「Xcode」を使う準備が整います。
コンパイルとインタープリタの違い
機械語への翻訳方法は、プログラムとして書いた命令のまとまりを一度にすべて機械語に翻訳する「コンパイル」と、プログラムを1行ずつ翻訳して実行する「インタープリタ」があります。コンパイルは、翻訳作業をすべて終わらせてから実行するので、動作が高速になりますが、1箇所でもミスがあればエラーが出て、翻訳作業自体が完了しません。一方、インタープリタは1行ずつ翻訳するため動作が遅くなりがちですが、プログラムのミスが発見しやすいのが特徴。「Xcode」の「Playground」という機能は、これらのいいところだけを取った便利な機能です。
崎谷実穂
ビジネス、IT、教育関係の記事・書籍のライティングを中心に活動するライター。プログラミングの経験はまったくなし。
びび
Swiftに詳しいツバメ。ノンプログラマーにも丁寧にプログラミングを教えてくれます。