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iPhoneで夜空に光る天体をくっきり撮影

著者: 栗原亮

iPhoneで夜空に光る天体をくっきり撮影

宇宙からミジンコまで

今年は月が地球に最接近する「スーパームーン」や1カ月で2回満月になる「ブルームーン」、皆既月食で赤っぽく見える「ブラッドムーン」が同時に起こる「スーパーブルーブラッドムーン」という珍しい天体現象が発生するなど、天体イベントが賑やかです。SNSでもこの珍しい月を撮影した写真がたくさん投稿されたのですが、どれも真っ黒な夜空に小さく光る点が見えるだけで、それが大きいのか赤いのかわからないものが大半。プロが一眼カメラで撮影したような美しい天体写真を、もっと手軽にiPhoneで撮影する方法がないかと探していたところ、この天体望遠鏡のカメラアダプタを見つけました。

発売しているのは天体望遠鏡などで有名なビクセンで、アダプタ自体は円筒状の接眼部を持つ光学機器で、サイズさえ合えばどれでも取り付けられるユニバーサル設計。つまり、どのメーカーの望遠鏡でも顕微鏡でも利用できます。

レンズ位置に合わせ装着

固定用のアームをスライドさせてiPhoneを取り付けます。デュアルレンズの場合は、レンズの中心がホルダの開口部に合うように調整して固定します。

マニュアルで撮影すべし

iPhoneを取り付ける際には、ホルダのネジで位置調整をします。ほとんどのiPhoneを取り付けできますが、iPhone Xなどのデュアルレンズモデルでは、レンズ部分の位置合わせが少し大変。最初から標準/望遠のどちらのレンズを使うかを決めておきましょう。

さらに、本製品は望遠鏡の接眼部に取り付けますが、夜間の公園などでは手元にライトがないと取り付けや操作で苦労します。もちろんセッティングさえ終了してしまえば、通常の望遠鏡と同じ操作で月面などを大きく捉えられます。

しかし、オートフォーカス設定だと月が明るく白飛びしてしまうので、ISO感度や絞り、シャッタースピードなどをマニュアル調整できるサードパーティ製カメラアプリを利用しましょう。望遠鏡の倍率にもよりますが、画面一杯に表示するようなサイズだと月は思った以上に速く移動します(正確には地球の自転)。動画で撮る場合には、自動追尾機能が付いた架台などが欲しいところですね。

  「iPhoneで月を撮って何の役に立つのだ」といわれそうですが、これははっきりいって「ロマン」の問題です(笑)。忙しい日常から少し離れて天体ショーに目を向ければ明日への活力も湧いてきますよ。ちなみに、今年2回目の皆既月食は7月28日未明とのことなので、今から準備しておくことをおすすめします。

望遠鏡以外にも対応

ホルダ上部のネジで接眼部に固定します。ここでは望遠鏡を利用していますが、顕微鏡やフィールドスコープなどφ19~53mm、高さ20mm以上の円筒形の部分であれば取り付け可能です。

天体をiPhoneで撮影できた!

天体望遠鏡の倍率によって撮影できる天体の種類は異なりますが、入門用の天体望遠鏡「Vixen ボルタII A80Mf」でも月面を十分に捉えられます。カメラアプリは、絞りやISO感度、シャッタースピードをマニュアル設定できる「ProCam」などがよいでしょう。

[SPEC]
[スマートフォン用カメラアダプタ]
天体望遠鏡 スマートフォン用カメラアダプター
【発売】Vixen
【サイズ】149(H)×90(W)×56(D)mm(突起部含む)  
【価格】1万800円(望遠鏡本体は含まず)
【URL】https://www.vixen.co.jp/product/39199_8/

【主なスペック】
【重量】178g(補助スリーブ含む)【備考】対応スマートフォンサイズ:幅58~110mm、高さ108~200mm、厚さ15mm以下、レンズ中心から左10~40mm、右23~70mm以内レンズ中心から上6~45mm、下81~158mm以内、耐荷重:約300g以下(推奨)

私が紹介します!
栗原 亮

Mac片手に各地を飛び回る編集者兼ライター。@cooley