名古屋大学の消費生活協同組合では、新入学生向けの推奨パソコンとしてWindows PCとMacBook Airの両方を勧めているが、2018年度からは、そこにMacBookとMacBook Proも加わった。同大学では、今年から入学式前に新入生を対象にしたMac講座が開催されるようになり、その様子を取材してきた。
全員がMac未体験
今回取材した講座には、24名の学生が参加していた。iPhoneやiPadを触ったことがある学生は20名ほどいたが、Macを触ったことがある学生は0名だった。まったくのパソコン未体験者はいなかったが、Mac未体験者がゼロという状況には正直驚いた。
Mac購入者への引き渡しも兼ねた本講座で指導に当たったのは、現役の名大生が運営する団体「ReNU」がアドバイザーを務める「新入生サポートセンター」スタッフ。彼らが「アップル本社はカルフォルニアにあります。さあ、Macの箱を開けてカルフォルニアの香りを感じましょう」と説明すると、学生全員で開封の儀が行われ、教室は笑いに包まれた。
ReNUのスタッフは、キートップに英数字の刻印がなくマーク表示のみの[リターン]キーや[タブ]キーなどについて、読み方から説明していた。[リターン]キーなどの刻印がマークのみになったのは2017年モデルのMacからなのだが、こうした細かな仕様変更をしっかりと把握しているのに感心した。
また、講義の中では、ファイルが何のソフトウェアで作成されたのかを瞬時に判断できるよう、拡張子を表示するよう勧めていた(ファインダの環境設定から[すべてのファイル名拡張子を表示])。Macの場合、アイコンだけでもある程度ファイルの種類を見分けられるが、拡張子を覚えることでmacOS以外の環境でもファイルの作成ソフトが判断できるようなる。より汎用性の高い知識を身につけてもらいたいという思いが感じ取れた。
学生が学生をサポート
休憩を挟んで後半は、ReNUスタッフをリーダーとするグループ講習が進められた。その中で印象的だったのは、多くの学生がマルチタッチジェスチャに戸惑ったり、トラックパッドでのドラッグ&ドロップがなかなかできなかったことだ。iPhoneやiPadは感覚的に使えても、Macは別物。iOSでは体験したことのない操作が多くあるのだなと、改めて気づかされた。
講師を務めていたMac講座チーフの五十住英恵さん、PCチーム副リーダーの北川雄大さん(お2人とも同大学の3年生)に話を聞いた。
「私も名古屋大学に入って初めてMacに触れました。iPhoneのようだと思っていたら最初はいろいろ違って戸惑いましたが、今ではMacラブで毎日使っています。ですから、新入生にもMacの楽しさを感じてもらえるように今回の講座を作成しました」(五十住さん)
「MacBookやMacBookプロは昨年まで推奨パソコンにしていたMacBookエアより価格が上が理ましたが、予想を超える需要があったことに驚いています」(北川さん)
北川さんは、MacBookエアのキートップとボディをセットでカラーコーディネイトできる保護カバーを使用しており、本体からもMac愛が溢れ出ていた。そんな彼らによる熱心なサポートをきっかけに、Macへの愛着を抱く学生がまた増えていくことだろう。