ドライバなしで簡単動作
本製品は、ビデオカメラなどの映像をHDMI端子経由でMacに取り込むことのできるキャプチャデバイスです。共通規格であるUVC(USB Video Class)及びUAC(USB Audio Class)に対応しているので、ドライバ等を必要とせず、いわゆる「WEBカメラ」と同じ形で認識されます。スカイプなどのビデオ通信はもちろん、ユーチューブやフェイスブックといったサービスを利用したライブ配信に大きな力を発揮します。
WEBカメラは、USBでつなぐだけと手軽ながら、カメラとしての性能は「そこそこ」のものが多いというのが正直な所。そこで、本製品のようなHDMI入力タイプを使うと、簡単さはそのままに、ビデオカメラなどの高品質な映像を用いた配信が実現できます。
この種の製品は以前から存在したものの、実は特にMac環境では「丁度良い」ポジションのものが少ない状況でした。たとえば、業務向けで多機能な分高価だったり、安定性が不安なノーブランド品だったりと、「ごくシンプルにHDMIを安定して入力するだけのものが欲しい!」とずっと思っていました。本製品は、その願望通りのシンプルさで、さらにうれしいのが、USBタイプC接続である点。HDMIとUSBタイプCのケーブルを「中継器」のような形でつなぐだけでセットアップ完了です。MacBookプロとモバイルルータなどを組み合わせれば、電源がない場所でも即座に高画質なライブ配信が実現します。
Macとの接続もシンプル
本製品はHDMIとUSB Type-C端子だけのシンプルな構造。両端USB Type-C、USB Type-C to Aのケーブルが付属するので、現行のMacにはすべて「カメラからケーブル1本」に近い感覚で接続可能です。
ソフトによっては設定に注意
実際の配信環境にも投入してみました。まずは、グーグル・クロームから直接フェイスブック・ライブにアクセス。カメラの入力で「AverMedia USB Device」を選ぶだけで、HDMIから入力されたビデオカメラの映像があっさりと表示され、MacBookプロ内蔵のフェイスタイムカメラを使うのと変わらない感覚で、とても簡単に使えました。
一方、注意が必要な場合もあります。広く使われているオープンソースのライブ配信ソフト「OBS」では、入力を選んだだけでは表示されず、解像度などを手動で設定する必要がありました。そこさえクリアすればあとは安定運用でき、アダプタ経由でiPadの画面を出すなどカメラ以外のデバイスも問題なく使えます。本製品は非常にシンプルながら、本格的にライブ配信をやりたい人にぴったりなアイテムです。
高品質な映像配信が可能
Google ChromeからFaceBook Liveへの接続では、まったく問題なく認識しました。ノーブランドの機器では色バランスなどが崩れることがありますが、本製品からの入力はカメラの画質がそのまま引き継がれ安定感があります。
[SPEC]
[キャプチャデバイス]AVerMedia BU110
【発売】アスク
【Size】17(H)×43(W)×85(D)mm
【価格】オープンプライス
【実売価格】2万9000円前後
【URL】https://www.avermedia.co.jp/product_swap/bu110.html
【主なスペック】
【重量】約82g 【備考】インターフェイス:USB 3.0(Type-C)、入力端子:HDMI、最大入力解像度:1920 x 1080(60fps)、最大録画解像度:1920 x 1080(60fps)、対応ビデオフォーマット:YUY2、Motion JPEG、エンコード方式:ソフトウェアエンコード、録画形式:MP4
私が紹介します!
大須賀 淳
映像作家・音楽家。シンセドキュメント映画「ナニワのシンセ界」監督。