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ビットコインを理解する7つのポイント

著者: 小平淳一

ビットコインを理解する7つのポイント

(1)ビットコインって何?

仮想通貨の1つであり、その代表格といえるものが「ビットコイン」です。リアルな紙幣やコインは存在しませんが、インターネットを介して、価値を共有している人同士でやりとりしたり、ほかの通貨や物品と交換することができます。個人間、企業間を問わず、物やサービスの対価として支払いもできるのです。仮想通貨は、「取引所」と呼ばれるサービスを使って購入(既存通貨と交換)したり、取引台帳データの管理作業に協力することで報酬として入手できます。

国内では金融庁が取引業者を指定しています

国内最大手の取引所「ビットフライヤー」をはじめ、さまざまな取引所がビットコインを扱っています。

(2)どういう仕組みなの?

ビットコインの取引は「ブロックチェーン」という仕組みによって支えられています。ブロックチェーンとは、「誰が誰に送金したか」という取引台帳をみんなで分散して持ち合うという仕組みです。一定期間の取引データ(ブロック)が複数のマシンで連結(チェーン)されて全体の台帳になっているため、この名前になりました。皆で持ち合っているため、データの改ざんがないかどうかは常にチェックされます。もし1つのコンピュータで改ざんがあっても、分散したデータとの整合性がとれないためすぐに明らかになるのです。

現在の金融システム

ブロックチェーン

金融革命と言われる根幹テクノロジーです!

ブロックチェーンでは、皆で台帳を持ち合っているため不正が監視されるほか、1カ所のコンピュータが壊れてもデータが失われることがありません。

(3)誰が作ったの?

実は、はっきりしていません。ビットコインは、サトシ・ナカモトと名乗る人物が2008年に発表した論文によって提唱され、2009年に開発、運用が開始されました。論文といっても、暗号理論に関するメーリングリスト内に寄稿されたもので、ナカモト氏が実際に誰なのかはわかっていません。ビットコインのソフトウェアは、彼を中心とした開発者コミュニティによって作られましたが、ナカモト氏は2010年ごろから徐々にコミュニティと距離を置きはじめ、今ではプロジェクト管理からも身を引いています。

日本人かどうかも不明です!

サトシ・ナカモトの正体は、これまでさまざまなメディアで追跡されいますが、いまだに詳細がわかっていません。

(4)誰が価値を決めているの?

ビットコインが円やドルと決定的に違うのは、通貨を管理する中央銀行が存在しないことです。その価値は、市場に参加している人の需要と供給によって決まります。欲しい人が増えれば値段が上がり、手放したい人が増えれば値下がりするというわけです。円やドルなど既存の貨幣の場合、中央銀行が買い支えたり金融政策を発表することで急激な価値の変動を抑えることが可能ですが、仮想通貨にはそうしたコントロール手段がありません。市場参加者の心理によって大幅に値が動く危険性を併せ持っているのです。

仮想通貨は乱高下の激しい値動きをします!

ビットコインにはそもそも基準となる価値が存在せず、欲しい人が増えればそれだけ価格が上がっていきます。

(5)なんで高騰しているの?

ビットコインが値上がりする理由は複数あります。まず1つ目は、ビットコインの発行枚数は2140年までに2100万枚と、上限が決まっていること。需要に対して供給が限られているため値段が上がる、という市場原則が働いているのです。2つ目は、ブロックチェーンの仕組みが信頼されていること。国の経済状況などにより左右される既存の通貨より下がりにくいと思われて、既存の通貨から仮想通貨に交換する人が増えたといえます。こうして投資材料として注目され始めると、扱いたいと思う人が一気に増えて、急激に価値が上がっていくのです。

一時期は200万円を突破!

1年前には1ビットコインが13万円程度でしたが、昨年12月には223万円という史上最高値に達しました(出典:ビットフライヤー)。

(6)ほかにも仮想通貨があるの?

現在、ビットコインのほかにも1100種類以上の仮想通貨が存在するといわれています。基本的にはいずれもブロックチェーンの仕組みを利用していますが、ビットコインの台帳が分裂して生まれたものや、特定の企業が発行主体となっているもの、匿名性を高めたものなど、仮想通貨によって特徴は少しずつ異なります。ビットコイン以外の仮想通貨は「アルトコイン」と呼ばれ、今や仮想通貨市場全体の約50%を占めるようになりました。有名なものには、「イーサリアム」や「ライトコイン」、「リップル」などがあります。

それぞれに特徴があります!

仮想通貨は全体として1100種以上と言われていますが、市場規模で1兆円を超えるものは現在7種類が存在しています。

(7)危ないんじゃないの?

ブロックチェーンの仕組みが信頼されているとしても、特定の仮想通貨が支持され続けるかどうかは誰にもわかりませんし、価値がほぼゼロになってしまう可能性も否定できません。また、何らかの要因により、一瞬で暴落することもあります。また、資産を預けている取引所が不正アクセスにより取引不能になる危険性や、ハッキングで個人の資産が奪われる可能性もあります。もちろんこれは仮想通貨に限った話ではなく、インターネットで金銭を扱うすべてのサービスにいえることですが、いずれにしても仮想通貨を扱うえではリスクも伴うということを忘れないようにしましょう。

必ずリスクを伴うのをお忘れなく!

1月16日、中国をはじめとする各国が仮想通貨に対する規制を強化したことをきっかけに、ビットコインが大暴落しました。前日まで1ビットコイン=140万円あったものが一時100万円を切る価格まで下がったのです。