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手で書く計算機「MyScript? Calculator」アプリに挑戦

著者: 藤原鉄頭

手で書く計算機「MyScript? Calculator」アプリに挑戦

しっくりこない

電卓がうまく打てない。ここ数年、簡単な計算にも詰まることが多くなり、電卓を利用する頻度が増えているというのに、困ったもんだ。理由はわかっていて、今使っている電卓がしっくりきていないからである。

よく利用するのはiPhone標準の電卓アプリ。必要なときに一番確実に手元にあるので、利便性がイイ。しかし入力がまるでダメ。ディスプレイにタッチして行うキー入力は、ストロークがないため画面を見ていないと正確にタッチできているのかわからない。

Macのウィジェットの電卓もわりとよく使う。これもすぐに呼び出せるのが、最大にして唯一?の長所。マウスとキーボード、どちらでも入力可能だが、マウス入力はいわば指1本でタイピングしているようなものでかったるい。扱う数値が多い場合は、断然テンキー入力がやりやすいが、画面上の電卓とキーボードではキー配列が若干違うので注意が必要だ。

3つ目は日本のメーカー製の名刺サイズ電卓。特にこれといった特徴がない安価な製品だが、適度なキーストロークがあるので、入力時に確かな手応えがある。使いやすさではこれが一番だ。小さいのでジャマにならないけれど、すぐに行方不明になって、いざというときに役に立たないことが多い。

主にこの3つの電卓を使い分けているのだが、いずれも帯に短し…なのだ。もっと自分のニーズに合った電卓があればいいのにと以前から思っていたが、今回、思いがけず良いアプリに出会うことができたのである。

リアルなひみつ道具

ワタクシが今、電卓(アプリ)に求めるポイントは次のとおり。必要なときにすぐに対応できること、確かな手応えが感じられる入力方法、それと最近、指の動きに自信をなくしつつあるので、何か新しい入力方法があるといい(たとえば音声入力とか。ただシャイなので人前では絶対に使えない)。

すると、これらのニーズに応えてくれる計算アプリがあったのだ(それも2012年から、知らなかった…不覚)。手書きで数式を書くと、答えが表示される「MyScript Calculator 2」だ(ちなみにバージョン2は今年1月リリースされた)。

画面上の任意の場所に、たとえば「12×6」と手書きすれば、すぐにデジタルテキストに変換され、答えを含む数式「12×6=72」が表示される。その一連の動きはスムースで、マジックのようにあざやかだ。初めて見たときは、まるでリアルなドラえもんのひみつ道具を見ているような、驚きと楽しさを感じた。

一方、肝心の実用性だが、かなりグダグダなワタクシの文字でも高い確率で認識したので、認識力は高いと思う。そもそも数字や数学記号を認識できればいいので、通常の文字認識に比べれば、まぁ楽なのかもしれない。ただ一度間違えると、同傾向の誤認識を繰り広げる誤認識ループに嵌ってしまうことが何度かあった。

計算式は、数値を部分的に変更したり、式を新たに付け足すことなど、自在にあとから編集を行うことができるので、失敗を恐れずに書く(入力する)ことができる。また計算式はすべて自動的に履歴として保存されており、必要なら何度でも使用することができる。もし入力ミスがあっても、テキストで残っているので、確認は容易である。

とまぁ、ほかとはまったく異なるなんともユニークかつ高いポテンシャルを感じさせる計算アプリだ。ただ使い始めると、楽しすぎて余計な計算までして遊んでしまいがちなのが、ちょっとだけ困りものなのである。

MyScript  Calculator 2

【作者】MyScript

【価格】360円

【場所】App Store>仕事効率化

数字を打つのではなく、書いて計算する電卓アプリ。計算式をディスプレイに手書きすると、すぐにその結果が表示される。計算式に部分的な変更などさまざまな編集を加えて新たな計算を行うこともできる。対応する計算記号も豊富。簡単でなにより使って楽しいアプリだ。

 

楽しすぎる! 手書き計算機アプリにチャレンジ