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孫の写真をフォトストリームしよう!

著者: 栗原亮

孫の写真をフォトストリームしよう!

余った第3世代のApple TVとiCloudフォトライブラリを使えば、遠隔地にいる家族に近況の写真を自動で送れるようになります。これも1つのコミュニケーションツールになるのではないでしょうか?

孫の写真をフォトストリームする!

写真で家族へ近況を伝える

友人夫婦から聞いた話ですが、子どもが生まれると孫の顔見たさに実家の両親が頻繁に地方から上京してくるのだそうです。もちろん、お互いの無事も確認できてよいことではあるのですが、毎回移動やもてなしが双方で大変なのでもっと手軽に近況を伝えたり、孫の写真を親に送る方法はないだろうかという話になりました。

まずは、iPhoneで写真やビデオを撮ってメールやLINEで送信したり、フェイスタイムでリアルタイムにビデオ通話すればいいのではないかと思ったのですが、友人の両親は高齢のためITスキルが低く携帯電話もスマートフォンではないとのこと。

それならば、電話会社や通信キャリアが取り扱っていたデジタルフォトフレームのようなものを思い浮かべましたが、どうやらここ最近は新製品はあまり発売されていない模様でした。一過性のブームだったのかもしれません。

アップルTVが最適

そもそも、写真を送るためだけに新たな機材を設置するというのは手間的にも費用的にも負担が大きいものです。そこで、第4世代の登場で持て余していた第3世代のアップルTVを利用して、iPhone写真を自動的に実家の両親などに送るお手軽システムを試してみることにしました。

ちょうど年末年始に帰省したので、テレビとアップルTVを接続し、親にはテレビの外部入力の切り替え方とアップルリモートでの基本操作を覚えてもらうことに。念のため、紙のマニュアルを自作して、帰省中に何度も繰り返してもらいました。

ちなみに、私の実家では2011年ごろの地デジ化のときに、やけに豪華なハイビジョンTVを買ったようで、ディスプレイ部分の追加投資は皆無で済みました。

あとは、Macのアイクラウド・フォトライブラリを有効にして、写真アルバムを共有するだけです。すると、iPhoneの「写真」アプリから追加するだけで、実家のアップルTVから写真が見られるようになります。

ただし、くれぐれも見られたくないプライベートの写真を共有しないようにしましょう。

  • (1)第4世代のApple TV(左)と第3世代のApple TV(右)です。今回は、余っている第3世代のApple TVを利用して離れた場所にいる家族に写真を見せる方法を試してみました。

(2)まず、写真を送るMacでiCloudの設定を行います。システム環境設定の[iCloud]パネルの[オプション]で[iCloudフォトライブラリ]にチェックを入れます。

(3)設置した第3世代Apple TVを起動して、[設定]から[iCloud]を選択し、自分のiCloudアカウントでサインインします。

(4)サインインしたら[iCloudフォト設定]を開いて[自分のフォトストリームを入にする]を選択します。

(5)メインメニューに戻ったら、チャンネルの一覧から[iCloudフォト]を選択します。するとiCloudフォトライブラリの一覧が表示されるので、閲覧したいアルバムを選べるようになります。

(6)アルバムを選択すると、Macの「写真」アプリの[共有アルバム]に追加したアルバム一覧が表示され、ここからスライドショー再生などができます。

 

テレビをつけるだけで「孫スライドショー」

スクリーンセーバを利用

しかし、高齢者の中にはアップルTVで写真アルバムを選択するだけでも難しいと感じる人もいます。アップルTVでは機能を制限したキオスクモードのような設定ができないため、うっかりほかのメニューや画面が表示されてしまうと手がつけられなくなることも考えられます。

そこで、なるべく操作をしなくても孫の写真が眺められるようになるように設定を見直すことにしました。利用したのはアップルTVのスクリーンセーバ機能です。ここにはアイクラウド・フォトライブラリのアルバムを表示する機能があるからです。スクリーンセーバが表示されるまで一定時間がかかってしまいますが、たとえば孫アルバムを表示するように設定しておけば、スライドショーのように自動再生できるわけです。

もし、孫だけではなく家族の近況写真もどんどん見せていきたいのであれば、表示するのはアルバムではなく「自分のフォトストリーム」のほうがよいかもしれません。写真の流れは一方通行になりますが、これも立派な家族間コミュニケーションではないかと思います。なお、ここで設定している方法はあくまで一例なので、好みに合わせて調整しましょう。

孫ストリームの完成

なお、スクリーンセーバには豪華なエフェクトが多数登録されています。しかし、これらは写真のスライドショー表示には不向きなものが多いので、[Ken Burns]や[クラシック]といったシンプルなエフェクトがおすすめです。また、スライドが自動で切り替わる長さも最大20秒間まで伸ばすことができますので、こちらも設定しておきましょう。初期設定の2秒間では、多くの人が写真を眺めるには速すぎると感じるでしょう。

また、アップルTVのスクリーンセーバ表示は初期設定では1時間後にスリープするようになっています。この表示を続けるためには、スリープ設定の時間を[10時間]にしたり[なし]にしてみましょう。ほかの機能を使うのであれば不便ですが、ただ写真を眺めるだけの専用セットトップボックスとして利用するのであれば問題はないでしょう。

(1)システム環境設定の[iCloud]パネルの[写真]にある[オプション]から[マイフォトストリーム]をオンにしておきましょう。

(2)第3世代Apple TVの場合は[設定]から[スクリーンセーバ]を選択します。

(3)[写真]の項目が[自分のフォトストリーム]になっていることを確認します。なっていない場合は項目を選択して、[写真を選択]から[iCloudフォト]を選びます。

(4)アルバムの一覧が表示されたら[自分のフォトストリーム]を選択します。

(5)Apple Remoteの[MENU]ボタンで[スクリーンセーバ]の設定画面に戻り、エフェクトを[Ken Burns]または[クラシック]を選択します。[スライドごとの再生時間]とトランジションを設定します。

(6)Apple TVの画面で一定時間が経過しスクリーンセーバが起動すると、写真がスライドショー表示されるようになります。

もっと媚薬

Apple TVを使いにくいと感じている人の話をよく聞くと、画面で選択するメニューが多すぎてリモコンで操作するのが難しいからという理由でした。確かに初期設定では利用しないチャンネルが多数表示されています。第3世代Apple TVの場合は[設定]から使わないチャンネルをあらかじめ隠す設定にしておきましょう。画面がシンプルになり、操作が迷いにくくなりますよ。

[設定]の[メインメニュー]から使わないチャンネルを[隠す]にしておきましょう。