外付けハードディスクの買い替え時は「復元」でデータを移行しよう
外付けハードディスクを買い替えるとき、困るのがデータの移行です。外付けハードディスクといえばTBオーダーの容量なので、数千~数万個のファイルを保存しているでしょう。これだけのファイルをFinderでコピーすると、往々にしてエラーが出て止まってしまいます。そこで、ボリュームを丸ごとコピーするときは、「ディスクユーティリティ」で「復元」することをおすすめします。ファイルごとではなくデータをそのままコピーしていくので、高速かつ確実です。ただし、古いHDDと新しいHDDが同じ容量の場合は復元できないことがあるので、新しいHDDはより大容量の製品を買ったほうが安心です。
(1)[ユーティリティ]フォルダにある「ディスクユーティリティ」を起動して、サイドバーから新しいHDDをクリックします。
(2)ツールバーから[復元]をクリックして[復元元]のプルダウンメニューから古いHDDを選びます。復元元と復元先のストレージが逆になっていないか、しっかりチェックして[復元]をクリックしましょう。
(3)新しいHDDが古いHDDの内容で上書きされます。[詳細を表示]をクリックすれば詳しい進行状況がチェックできます。復元中は余計な負荷がかからないようにMacを放置しておきましょう。
Time Machineバックアップの保存容量を制限する方法
macOSのバックアップ機能であるTime Machineは、設定したバックアップディスクの空き容量を使い切るまで過去のバックアップを残します。バックアップディスクと外付けストレージを併用している場合、バックアップデータが容量を圧迫してしまいます。バックアップデータの削除は、Time Machineの画面に入って日時ごとにバックアップを削除するなど手間と時間がかかります。そこで、バックアップ容量に上限を設ける方法として、パーティション分割することを提案します。なお、パーティションを分割するとボリュームの信頼性が低下するという指摘もありますので、リスクとメリットを天秤にかけて選択してください。
(1)ここでは、新規にバックアップディスクを割り当てる場合の手順を解説します。まず、ディスクユーティリティのサイドバーで外付けストレージを選びます。
(2)ツールバーから[パーティション]をクリックするとパーティション編集ダイアログが出るので、[+]ボタンをクリックします。
(3)パーティションが増えますので、名前を付けて容量の割合を指定します。[適用]をクリックすると確認ダイアログが出るので[パーティション]をクリックします。
(4)パーティション処理が終わったらTime Machineのダイアログが出るので[バックアップディスクとして使用]をクリック。システム環境設定の[Time Machine]パネルが開きます。
ソフトウェアRAIDで外付けHDDを高速化
ほとんどのUSB接続のHDDはその速度を活かしていません。USB3.0の速度は理論値で500MB/秒ですが、HDD単体の速度は200MB/秒程度だからです。同じスペックのUSB接続のHDDが2台必要になりますが、ソフトウェアRAIDで高速化してみるのはいかがでしょうか? ハードウェアRAID製品よりは安価です。
(1)ディスクユーティリティを起動して[ファイル]メニューから[RAIDアシスタント]を選びます。RAIDタイプは[ストライピング(RAID 0)]を選んで[次へ]をクリック。
(2)2台のHDDのボリュームにチェックを入れ、[次へ]をクリックして名前などを設定します。これで2台同時に読み書きすることで高速化が実現します。
ネットワークストレージを自動で接続する
ネットワーク接続タイプのストレージ、いわゆるNASは複数のコンピュータで使えるので便利ですが、いかんせん再ログイン時に接続するのが面倒です。そこで、システム環境設定の[ユーザとグループ]にあるログイン項目にNASを登録しましょう。これでログイン時に自動接続されるようになります。ただし、NASやネットワークの調子が悪いとログイン時にMacの反応が悪くなる副作用があります。
(1)あらかじめNASを接続しておいてから、システム環境設定の[ユーザとグループ]パネルにある[ログイン項目]タブを開き、[+]ボタンをクリックします。
(2)ここで自動接続したいNASのボリュームを選んで[追加]します。これで次回からログイン時にNASが接続されます。
外付けストレージの空き容量をチェック
外付けストレージの空き容量はFinderウインドウで開いてステータスバーを表示したり、情報を見るなどの操作をしないと把握できません。そこで、デスクトップにアイコンを表示したうえで[項目の情報を表示]すると常に空き容量が表示できます。
Finderの[環境設定]で[デスクトップに表示する項目]の[外部ディスク]をオンにし、デスクトップで[表示オプション]([command]キー+[J]キー)を出し、[項目の情報を表示]をオンにします。
外付けストレージの速度をチェック
外付けストレージの速度が遅いような気がする…そんなときは「アクティビティモニタ」で速度をチェックしてみましょう。[ディスク]タブにすると動作中のディスクの読み書き状況が確認できます。目安ですが、USB3.0のHDDなら30~50MB出ていれば正常といえます。
[ユーティリティ]フォルダにある「アクティビティモニタ」で[ディスク]タブに切り替えて[毎秒データ読み込み]および[毎秒データ書き込み]をチェックします。
USBメモリからmacOSをインストール
macOSのインストールはインターネット経由が前提になっていますが、オフラインのときに限って障害が起きたりします。転ばぬ先の杖として、余っているUSBメモリにmacOSインストーラを入れておき、いざというとき再インストールできるようにしておきましょう。
sudo /Applications/Install macOS High Sierra.app/Contents/Resources/createinstallmedia –volume/Volumes/USB
まず、macOSのインストーラをMac App Storeからダウンロードしておきます。次に、「ターミナル」でこのコマンドを実行します。USBメモリは「USB」という名前にしておいてください。出来上がったメモリを使うには、電源を入れて[option]キーを押し続けてスタートアップマネージャで[macOS High Sierra]を選びます。
すぐ効く! 便利ショートカットワザ
ボリュームの接続を解除する
外付けストレージなどを取り外すには、ゴミ箱へのドラッグやFinderウインドウのイジェクトボタンのクリックなどがありますが、やはりもっとも手っ取り早いのがこのショートカットキー。デスクトップのアイコンをクリックして[command]キー+[E]キーを押せばOKです。
【厳密な容量】
ハードディスクのパッケージには、「4TB」といったキリのいい数字が書かれていますが、実際の容量はメーカーやモデルで違いがあり、厳密には4TBよりも多かったり少なかったりします。同じ容量でも復元できない場合があるのは、このわずかな容量差によるものです。
【実質速度】
USB 3.0のデータ転送の理論値は5Gbpsなので、単純にバイト換算すると645MB/秒になります。しかし、実は5Gbpsといっても8ビット(1バイト)分のデータを10ビットに変換してから転送しているので、実際に転送できる容量は500MB/秒になってしまうのです。