ストレスは悪者?
「ストレス」という言葉は今から約80年前、カナダの生理学者ハンス・セリエが提唱した『ストレス学説』によって、医学界で診断名として使われるようになったことから広まったものらしい。日本では1967年の流行語という情報もあるが、よくわからない(ランクも18位だし…。ちなみにネタ元は『流行語年表』というアプリ)。余談だが、同アプリによるとこの年の流行語1位は「グラマー」で、2位は「よろめき」、どちらももはや死語と言っていいだろう。そんな中、18位の「ストレス」が60年を経た今も生き残っているとは、言葉ってわからないもんですねぇ。
「もぅストレスたまりすぎ…」「それじゃカラオケでストレス発散といきますか」という風に、今では誰もが気軽に「ストレス」を口にする。だが、その一方で実態は「ツライ、しんどい」「ためすぎるとうつ病などの疾患を引き起こす」など、ストレスにはかなり悪いイメージもつきまとう。
最近では、血管や脳を破壊したり、がんを悪化させ人を死に追い込む「キラーストレス」の存在も明らかになって、イメージはさらに悪化の一途。なるべく平穏で楽な人生を過ごしたいワタクシなどは、できればストレスとは無縁の生活が望みだったのだが…。
しかし、よく考えてみるとストレスがない人生というのも問題がありそうだ。厳しいストレス社会を生き抜いてきたバリバリの仕事人間だったお父さんが、定年後のノンストレスな暮らしの中で急速にダメおやじ化するのはよくある話デショ。それに、人が上を目指すとき、新しいことに挑戦するときにストレスはつきもので、それを乗り越えることで成長につながる。人間にはそうした適度なストレスが必要らしい。
オール 「1」
そもそもストレスとは我々の祖先が荒野で狩りをして暮らしていた時代に、天敵だらけの中で生き残るために備った体の働きだそうである(NHKの番組でやっていた)。天敵と闘うとき、恐怖心や緊張感から体内にストレスホルモンが発生、これが心臓や血管に作用して心拍数や血圧を上げるのだが、その目的は体の血の巡りを良くし、動きを俊敏にするためなのだ。つまりストレスは、元は人間の命を守るためのものだったが、人間の生活の変化によって、無用の長物と化したのである…。
こういう話を聞くと、ストレスを単純に悪者扱いはできない。それにもしもストレスをコントロールできるなら、ストレスから生まれるリスクを回避してストレスとうまく付き合っていけるかもしれない。そう思って取り上げたのが、今回のアプリ「ストレススキャン」である。
使い方は簡単。iPhoneの背面カメラに2分間指を置いて、じっとしているだけ。するとフラッシュで照らされた指先の色の変化をカメラがとらえ心拍を読み取り、そのデータがインターネット経由で心拍変動解析され、ストレスの状態を表すストレス指数として算出される。指数は1~100までの数値で示され、数値が大きいほどストレスを感じていることになる。
実際にやってみると、最初は2分間が長かった。初めてという緊張感に加え、ワタクシは体を同じ状態で維持するのが苦手なので、指先が動いてしまいそうで苦労した。まさにストレスを感じていたのだが、測定結果は「1」。それから日を変え何度も測定してみたが、ほとんどがストレス指数「1」のオンパレード。あまりのノンストレスぶりに、我が身のダメおやじ化を懸念してストレスを感じてしまう(だけどやっぱり今日も指数は「1」の)ワタクシなのである。
カメラで手軽にストレスチェック! カメラに指を置くだけで、今のストレス状態がわかるメディカル測定アプリ。ストレスと一緒に心拍数も知ることができるの で、体調管理には役立つだろう。利用するにはネット 環境が必要。専門医のアドバイスもついている。また 呼吸法やニュース、つ ぶやきなど、ストレスに 関するいろいろな情報 を得ることができる。
最近疲れてません? ストレス可視化アプリにチャレンジ
はじめに
初めて使うときは、ストレスとアプリについての簡単な説明を読むことができる。その後、ログインして測定を始める(ログインはしなくてもアプリは使えるが、端末を変更した際などに、それまでの測定記録が引き継げなくなる)。
カルテの記入
簡単なカルテを作成する。「体感ストレス指数」は、100を最大値にストレスの度合いを自分の体感で表す。他に「睡眠時間」、「測定姿勢」、測定時の状況を表す「タグ」を記録する。このカルテは、あくまでも状況をメモするもので、測定結果には影響しない。