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たくさんの人に動画を見てもらうにはどうすればいい?

たくさんの人に動画を見てもらうにはどうすればいい?

完全に内輪向けの動画は別にして、せっかく動画を制作するのであれば、より多くの人に見てもらいたいと思うのが人情というもの。

しかし、世の中はそう甘くはありません。何の工夫もなくただ動画を配信するだけで何百人、何千人が見てくれることはないのです。もし視聴者を増やしたいのであれば、動画プラットフォームの選択、内容の工夫、各プラットフォームの機能の使いこなしなどを意識して戦略的に取り組むことが大切です。

SNSにおける動画プラットフォームと言ってもさまざまな種類があり、有名なものではユーチューブやニコニコ動画、ほかにもツイッターやインスタグラムも動画公開機能を備えています。まずはそれぞれの特徴をしっかり把握しなければいけません。

たとえばツイッターやインスタグラムはフォロワー以外にアピールする方法が薄いので、比較的知人に向けた動画に向いているといえます。もっと不特定多数に見てもらいたいのであれば、ユーチューブやニコニコ動画が向いているでしょう。

ただし、ニコニコ動画のカルチャーは少し(かなり?)独特です。画面に流れるコメントは誰が書き込んだのかわからないため、非常に高い匿名性を持ちます。また、人気のあるコンテンツはゲーム実況動画やボーカロイド、アニメ、歌、演奏、ダンスといったもので、年齢層も比較的若めです。「タグ」やユーザ広告システムなど、視聴者と動画を結びつける手段は豊富に用意されていますが、そもそもニコニコ動画のカルチャーに合っていないと、なかなか不特定多数の視聴者を獲得することはできません。

また、機能のすべてを使いこなすためにはプレミアム会員になる必要があり、月額540円かかります。視聴者の好みにうまくはまれば人気者になれる可能性がありますが、ややハードルが高いサービスといえるでしょう。

そうなると、現在のところ手軽に多くの視聴者を獲得するのであれば、ユーチューブがベターな選択肢といえます。言わずと知れた世界最大の動画プラットフォームであり、機能や画質・音質なども申し分ありません。基本的にお金もかかりませんし、アカウントがなくても閲覧自体はできるため、視聴者からしてもハードルの低いプラットフォームなのです。

ただし、その分、“つかみどころのない”プラットフォームともいえます。誰もが気軽に始められる半面、なんとなく制作した動画を投稿しても不特定多数の目に触れることは少ないのです。そんななかで視聴者を増やすのであれば、活用したいのが「カード機能」です。

カード機能はユーチューブが2015年3月から導入した機能です。再生している動画の上に情報をカード状にして表示できるというもので、「チャンネルカード」「寄付カード」「リンクカード」「アンケートカード」「動画カードまたは再生リストカード」の5種類があります。1つの動画に5枚まで表示することができます。

多くの人に動画を見てもらいたいのであれば、真っ先に使いたいのは「動画カードまたは再生リストカード」です。これはアップロードした動画や再生リストへのリンクを動画内に表示できるというもので、動画を見てくれた視聴者を自分の別の動画へと誘導することができます。

偶然自分の動画にたどり着き、せっかく興味を持ってくれても、いちいちほかの動画を探すのは面倒だということで離脱してしまう人は予想以上に多いもの。動画から動画へとジャンプする導線をしっかりと作っておくことで離脱を防ぎ、ファンを増やすことができるのです。

また、「チャンネルカード」も重要です。これは別のチャンネルを紹介する機能で、自分のサブチャンネルや、普段仲良くしている別のユーザのチャンネルなどを表示できます。ユーチューブはSNSとしての側面も持っており、動画を投稿していれば同じジャンルで活動する仲間ができることもあるでしょう。そうした友人・知人のユーザチャンネルを表示すると、自分の動画を見終えた視聴者がそちらに流れていきます。それだけなら自分のチャンネルから離脱されたことになりますが、長い目で見ると相手から感謝されてチャンネルカード表示のお返しなどが期待できます。

いずれも視聴者を増やすテクニック…といってしまうと身も蓋もありませんが、コミュニティを大事にすることでファンは少しずつ増えていくものなのです。それに、そうやって同ジャンルの面白い動画を紹介することは視聴者の利益にもなります。

さらに、動画を見てくれる常連を増やすためには、一方通行の情報発信では不十分です。積極的に視聴者と交流することでファンになってくれる可能性が高まるでしょう。そのために有用なのが「アンケートカード」。こちらはアンケートを表示してさまざまな選択肢に投票してもらうという機能です。その結果をもとに次の動画を制作するなどのアクションを起こせば、視聴者との距離はぐっと縮まるでしょう。

そして動画の視聴回数が増えてきたら、ユーチューブを活用して収益を上げることを検討してみましょう。そのために効果的なのが「リンクカード」です。これはユーチューブ内ではなく、関連する外部のWEBサイトにリンクを貼ったカードを表示できるというものです。たとえば自分のWEBサイトなどにリンクしておくと、視聴者に自分自身のキャラクタがより伝わることでしょう。

宣伝用の動画なのであれば、販売サイトはクラウドファンディングサイトなどにリンクするのも効果的です。なお、リンクカードは現在「YouTubeパートナー・プログラム」に参加する必要があります。参加条件はチャンネルで公開している動画の合計視聴回数が1万回に達すること。最初は難しいですが、ユーチューブで広告などの収益を得るためにも必要なプログラムですので、条件を満たし次第参加することをおすすめします。

最後に「寄付カード」ですが、これは非営利団体への寄付を募ることができるという機能で、現時点では米国在住のクリエイターにのみ開放されています。これは今のところ特に気にする必要はないでしょう。

以上のように、ユーチューブではカード機能を使いこなすことが非常に重要となります。まず「動画カードまたは再生リストカード」で自分自身のチャンネルを回遊してもらい、「チャンネルカード」でほかのユーチューブユーザに存在を知ってもらい、「アンケートカード」で視聴者との交流を図る…という手順で実践すれば、少しずつファンを増やしていくことができるでしょう。

動画配信後の効果を最大化するカード機能を知ろう

動画カードまたは再生リストカード

YouTubeの動画を多くの人に見てもらうためにはカード機能を使いこなしましょう。クリエイティブツールで動画の編集欄からカードを最大5枚まで1つの動画に追加できます。最初のおすすめとしては「動画カードまたは再生リストカード」です。

同じカードも登録できる

「動画カードまたは再生リストカード」の追加を選択すると、過去に投稿した動画、または再生リストが表示されます。ここから1つ選んで追加しますが、複数枚「動画カードまたは再生リストカード」登録したい場合はこの手順を何度か繰り返します。

ほかの動画への導線として機能する

追加したカードを開いたところです。視聴者は右上の「!」マークからいつでもカードを表示できます。面白いと思ってもらえたらほかの動画を観てもらうチャンス!

アンケートカードでコミュニケーション

「アンケートカード」で視聴者とコミュニケーションを取るのも有効です。ここで得た意見を次以降の動画に反映させると、視聴者との距離が縮まるでしょう。とはいえ、過剰に視聴者の意見を気にするのは禁物。あくまで参考程度にとどめ、自分が面白いと思う内容にしっかり仕上げることが大切です。

独自のカルチャーを持つニコニコ動画

ニコニコ動画も多くの視聴者を獲得し得る巨大プラットフォームです。ニコニコカルチャーとでもいうべき独自文化の空気が肌に合わない可能性もあります。