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アイデアをまとめるミニマムな議事録ツール

著者: 村田有紀

アイデアをまとめるミニマムな議事録ツール

今月のお題

ブレストのミーティングなどでじゃんじゃん出てきたアイデアを、その場でまとめたい。マインドマップもいいけど、議事録にまとめ直すのは二度手間…。何かいいサービス、ないかな?

…ということで、

アイデアをまとめるミニマムな議事録ツール

会議の規模や内容で求められる議事録は異なる

会議とひと口にいっても、チーム内のブレインストーミングから国際規模のカンファレンスまで、その規模も内容もさまざまです。会議の規模や内容によって、議事録の作り方も違って当然。

たとえば、国会の予算委員会の議事録であれば、すべての発言が余すことなく記録されるでしょう。こうしたタイプの会議では、そのとき誰が何を言ったか、誰がどう答えたかといった「事実」が重要です。問題が発生したときに責任の所在を明らかにする証拠にもなり得ます。

一方、アイデア出し段階のブレスト会議など、自由な発想でアイデアを出し合うような場面では、発言のすべてを細かく記述する必要はありません。この手の会議の記録に長けているのは、マインドマップですが、議事録に残す場合、あとから書面に書き出す手間がかかるため議事録とは切り分けて考えるべきでしょう。「そもそもブレストに議事録なんて必要?」と思う人もいるかもしれませんが、初期アイデアの中から優れた企画が生まれたりする可能性は否定できません。

メモ感覚で議事録が作れるWEBサービスを試そう

では、そうした断片的なアイデアのまとめは、どんな議事録にしたらいいのでしょうか。思いつくのは、ズバリ、箇条書きです。むしろ、余計なことを長々と書くよりも、アイデアそのものをリストにしていく。もちろん、あとから読んだときにわかる程度にメモを添えておくのがベターでしょう。

そこで、今回ピックアップしたのは「ミニッツ・ドット・アイオー(minutes.io)」。

デザインも機能もシンプルで、ちょっとストイックささえ感じるドイツ発の議事録サービスです。メニューなどの表記は英語ですが、日本語も問題なく入力できます。また、そのシンプルな構造故に直感的な操作が可能です。そして、なんといってもミニッツ・ドット・アイオーの特徴は、ほぼ箇条書きに近いノートのような構成の中にも、トピックの種類や発言者を素早く入力できる工夫がされている点です。議事録に不可欠な、議題や参加者、会議の日時や場所をあらかじめ入力しておけば、あとは記録担当者が会議の最中にスイスイ入力して、会議終了後にはそのまま参加者に送信できる仕組みです。この小気味よいスピード感は、試してみる価値あり!

足し並みソフト

minutes.io

【開発】minutes.io

【価格】無料(有料版あり)

【URL】http://minutes.io

minutes.ioは、メモ感覚で議事録を作成できるWEBサービス。非常にシンプルながら、オフラインでも記録できるなど、細部への配慮が行き届いています。月額9ドルまたは年額69ドルの有料サービスですが、一部機能に制限がある無料トライアル版の利用も可能です。昨今のWEBサービスには珍しく、トライアル利用時にメールアドレスを登録するなどのアカウント作成は不要です。

会議の前の下準備は参加者の登録作法がキモ

ミニッツ・ドット・アイオーは、軽快な動作とシンプルな入力メソッドでサクサク記録できるため、スピード感のある会議に最適なサービスです。ただし会議中に楽するためにも、事前の準備はぬかりなくやっておきましょう。

準備といっても、議題や日時、参加メンバーといったごく一般的な情報を入力するだけ。このうちユニークなのが、参加メンバーの登録作法です。参加者の名前とメールアドレスを入力すると、自動でイニシャルが追加されます。このイニシャルは、メールの宛先や発言者を入力する際のショートカットの働きをします。ただし、名前を漢字で登録した場合はイニシャルも漢字になってしまうため、ショートカットとして動作しません。そのため、名前をローマ字で入力するか、ショートカットを手動で書き換えるなどの手間が必要となります。

WEBサイトにアクセスし[Try it now]をクリックすると即座に入力画面が開きます。まずはタイトルや場所、参加者などを入力します。その際に名前とメールアドレスを入力すると自動でイニシャルが設定されます。名前を漢字で登録した場合は、手動で半角英字に書き直しておくといいでしょう。

[Topic]に項目を入力した後、[Type]で種類をメニューから選び、[Note]にメモを入力します。Noteは複数の行にすることも可能です。

画面下の[←]をクリックすると、ダッシュボードの画面に切り替わります。この画面で新規議事録を作成したり、編集したい議事録を開いたりします。

[Owner]には、そのトピックの発言者を入力します。ここで、先ほどのイニシャルの出番です。イニシャルを入力すると候補が表示されるので、クリックして確定します。なお締め切りが必要な項目には[Due]で日付を指定します。

会議後の共有はメールまたはPDFで

会議の間にリアルタイムで作成できるミニッツ・ドット・アイオーの議事録は、会議終了と同時に参加者に配布といったことも非常に簡単にできます。

最初に参加者を登録する際にメールアドレスを追加しておけば、わずか2クリックで送信完了です。ちなみにオフラインでも動作するので、インターネットが使えない環境での会議の場合でも、デスクに戻ってからすぐにメールで送信できます。

なお、残念ながら無料のトライアル版ではメール送信機能が利用できません。その場合は、議事録をプリントまたはPDFに書き出して共有しましょう。

すでに終了したプロジェクトは画面下部の[File]タブをクリックすると、議事録上に「FILED」のスタンプが押され、編集不可モードになります。再編集が必要な場合は、画面下部の[Edit]をクリックします。

作成した議事録を参加者にメールで送る場合は、画面下部の[Send (Preview)]をクリックし、内容を確認して[Send Meeting]をクリックします。

PDFに書き出す場合は、画面下部の[Print]をクリックし、プリントダイアログで[PDFとして保存]を選択します。もちろん印刷も可能です。