アメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスに越してきて2年半が経ちました。最初は免許もないので、ハイヤー配車サービスのウーバー(Uber)に頼る日々。晴れて免許が取れると運転回数も増え、日課にしている散歩の甲斐もあって一人前の地元民らしく抜け道などもわかるようになりました。と、やっと慣れたところでもう少し広いスペースを求めて引っ越すことに。
今住んでいるベニスビーチはどこにいても海風が感じられ、全体的に雰囲気がメローな感じ。とはいえ、ホームレスやドラッギー(麻薬中毒者)が多いのも事実。引っ越す先は、ベニスから車で30分ほど内陸にあるフェアファックスという地域です。有名な美術館「ラクマ(LACMA)」があったり、ショッピングモールとして人気の「ザ・グローブ(The Grove)」などがあります。車で5分ほどのところには、おしゃれなショッピングエリアとして知られる「メルローズ・アベニュー(Melrose Ave)」も。
ロサンゼルスに初めて住んで実感したのは、やっぱりロスは広い! ということです。端に位置する海沿いに住んでいると、特に週末はどこに行くにも1時間ほどかかり、結局近辺で済ませてしまうことが多くなりがち。そのため、なるべく近隣にいろいろお店があったり、やることが多い場所を選ぶのが賢明です。動き出したら早いため、とある週末に内見した3つの物件の中から1つに決めました。
断捨離が始まり、使っていないけれど捨てるのはもったいない物の行き先がないかを調べてみたところ、いろいろな選択肢があることがわかりました。売れないだろうと思っていたものが売れたり、衣類から家具にいたるまでユーズドの物がリサイクルされる循環があることを発見。サンタモニカにある「クロスロード」という古着屋さんが、なかなかいいお値段をつけてくれたり。実際に使ってみたオンライン・オフラインのサービスを紹介します。
ロス発の自転車メーカー「ライナス(LINUS)」で買った水色の自転車は、散歩に目覚めてからほとんど乗らなくなったため、手放すことに。「オファーアップ(OfferUp)」と「レットゴー(letgo)」という2つのアプリに150ドルの販売価格で投稿。これらのアプリは、三行広告サービス「クレイグズリスト(Craigslist)」の現代スマホ版だと言えます。両アプリとも、“ご近所さん同士”で売買することをコンセプトに掲げています。
投稿して1時間もするとさっそく興味があるという人から連絡がきて、最終的に5人から連絡がありました。メッセージでやりとりし、投稿の3日後に近所のお店の前で待ち合わせ。彼女のために買いたいという学生さんにお安くして売りました。代金はその場でキャッシュ払い。商品を発送する必要はなく、必ず相手と会って取引するため、インターフェイスも機能もシンプルなのが特徴です。
食器から衣類までを寄付することができるのが、「グッドウィル(GOODWILL)」というNPO。ウィキペディアによると、全米に3200店舗があるとか。不要なものをドロップオフするための専用店舗もあり、食器や衣類などを持っていきました。寄付といえば、子ども服に限定されますが、以前にボランティアをしたことがある「ベビー・ツー・ベビー(Baby2Baby)」というNPOもあります。寄付した洋服やおむつ、おもちゃなどは、0~12歳の低所得家庭の子どもたちに届けられます。
もう読まないであろう本は、日本でしていたのと同じようにトーランスという日本人街にあるブックオフで販売しました。そのほか、本は図書館や学校に寄付することも可能。さて、衣類から食器、本までいろいろ手放したところで、いよいよフェアファックス生活の幕開けです。ロスのまた新しい側面を発見できることに今からワクワクしています。
Yukari Mitsuhashi
米国LA在住のライター。ITベンチャーを経て2010年に独立し、国内外のIT企業を取材する。ニューズウィーク日本版やIT系メディアなどで執筆。映画「ソーシャル・ネットワーク」の字幕監修にも携わる。【URL】http://www.techdoll.jp