Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

映像制作ワークフローに広がるThunderbolt 3

著者: 山田昇

映像制作ワークフローに広がるThunderbolt 3

2017年11月15から3日間に渡り、幕張メッセにて「Inter BEE 2017」が開催された。Inter BEEは、プロフェッショナルのための国内最大級の放送機器展であり、毎年数多くの製品が披露される。そして、それらの展示内容から、放送機器メーカー各社が今どんな技術に注力しているのかを垣間見ることができる。

4KやHDRを支えるために

幕張メッセで開催された国際放送機器展「インタービー(Inter BEE)2017」には、数多くのプロ向け映像・放送機器が集結する。その顔ぶれからは、映像制作の現場でどのような技術が求められ、メーカー各社がどのように対応しているかという時代のニーズが見えてくる。

たとえば、インタービーでは数年前からライトニング接続によりiPhone/iPadと接続する機器の展示が増えてきた。屋外での撮影・収録において、iPhoneやiPadを取り入れたワークフローが普及してきたということだろう。今やiPhoneやiPadのスペックが上がり、プロのワークフローでもさまざまなシチュエーションで活躍できるようになった。

こうした動向は今年も変わらないが、さらに今年はサンダーボルト3への対応が加速している点も大きなトピックだった。プロ向けの機器であれば常に高速なインターフェイスが求められるのが当然の流れだといえるが、最近は4K映像やHDR映像の普及により、取り扱うデータ量が格段に上がったことの影響も大きいのだろう。

こうした動きがある中、アップルのハイエンドマシンであるMacプロはサンダーボルト3の搭載を見送り続けている。今後映像の現場で活躍していくのはもはやMacプロではなく、サンダーボルト3を搭載したMacBookプロやiMac、そして間もなく登場するiMacプロが中心になっていきそうだ。

Sonnet Technologiesの小型GPUボックス「eGFX Breakaway Puck」。AMD Radeon RX 560または570を搭載し、Thunderbolt 3接続でMacのGPU性能を拡張できる。

AJA Video Systemsが発表したThunderbolt 3接続のキャプチャ/出力デバイス「Io 4K Plus」。12G/6G/3G/1.5G-SDIやHDMI2.0 を含む幅広い接続方法に対応している。

同じくAJA Video SystemsのThunderbolt 3接続IPワークフロー向けキャプチャ/出力デバイス「Io IP」。「10 GigE」IPネットワーク伝送に最適化され、ローカル環境では3G-SDIとHDMI 2.0経由で高品質なモニタリングが行える。

Blackmagic Designは、Thunderbolt 3接続のSD/HDキャプチャボックス「UltraStudio HD Mini」を展示。Thunderbolt 3接続によるバスパワー駆動が可能で、背面にSDI、アナログコンポーネント、コンポジット入力などを装備している。

Shureが参考展示した「ShurePlus MOTIV Video」。iOSデバイス用マイク「MOTIVシリーズ」用の動画撮影アプリだ。マイク設定は従来アプリで行い、動画収録時にピークメーター表示が行える。収録解像度設定、音声フォーマット設定などが行え、2018年内に無料配布される予定だ。

G-Technologyは、USB-C接続のポータブルSSDドライブ「G-DRIVE mobile SSD R-Series」を展示。最大転送速度は560MB/sで、IEC規格60529に基づくIP67など級の防沫性能、耐水性能、防塵性能を備えている。

Sennheiserは、Lightning接続のUSBデジタルマイクロフォン「HANDMIC DIGITAL」を展示。発表から1年以上を経て、ようやく2018年3月に発売されることが決まった。

MI7 JAPANは、ブロック型サウンドコントローラ「ROLI Lightpad Block」の新モデル「Lightpad M」(左)を展示。表面に小さな突起状のデザインが追加されたことで触感が柔らかくなった。右側は、Lightpad Blockに対応したMIDIコントローラ「ROLI Seaboard Block」。5Dタッチ(叩く、押し込む、左右に滑らせる、上下に滑らせる、指を持ち上げる)に対応し、キーボードのような外観で管楽器のようなウネリを出せるのが特長だ。