より鮮明に、色鮮やかに
iPhone Xの「スーパーレティナHDディスプレイ」には、iPhoneシリーズで初めてのOLED(有機EL)ディスプレイが採用されています。OLEDディスプレイは従来のiPhoneのレティナディスプレイに採用されているLCD(液晶)ディスプレイとはまったく異なる特性を持ち、アップル製品ではアップルウォッチシリーズで初めて採用されました。
従来のLCDディスプレイは、LED光源を用いたバックライトパネルの上にカラーフィルタを取り付けた液晶パネルを重ね合わせた構造になっています。つまり、スクリーン全面のバックライトからの白色光源を液晶パネルの各ピクセルの光の透過率をコントロールすることで、目的の色を表現する仕組みになっています。
これに対して、スーパーレティナディスプレイのOLEDディスプレイでは各ピクセル(有機ELセル)そのものが自ら光を放ち、その光がカラーフィルタを通して直接ユーザの眼に届く仕組みです。このため、常にバックライトが発光しているLCDディスプレイとは異なり、自己発光デバイスであるOLEDディスプレイでは画面上の黒い部分はまったく光を放たないため、その部分の消費電力はほとんどゼロに近く、バッテリ駆動時間を延ばせるのが大きな特徴です。
OLEDディスプレイを採用
iPhone XのSuper Retina HDディスプレイにはiPhone初のOLEDディスプレイが採用されており、これによってiPhoneのフロントパネルサイズいっぱいをスクリーンとすることに成功しています。
8 Plusを超えるディスプレイサイズ
iPhone Xの外形サイズはiPhone 8よりわずかに大きいサイズに関わらず、同モデルのSuper Retina HDディスプレイは一回り大きなiPhone 8 Plusの5.5インチを上回る、5.8インチのディスプレイサイズを実現しています。
ピクセル自体が発光
Super Retina HDディスプレイに採用されているOLEDディスプレイは、従来のRetinaディスプレイが採用するLCDディスプレイとは異なり、ピクセルそのものが発光することで表示を実現する方式のため、構造がシンプルで薄型化に適しています。
圧倒的なコントラスト比
また、バックライトの光を液晶パネルで遮ることで黒を表現しているLCDディスプレイでは漆黒の表現が非常に難しい(わずかながら光が漏れる)のに対して、OLEDディスプレイではピクセル単位で完全に消灯することができるため、非常に高いコントラストを表現できます。たとえば、LCDディスプレイを採用するiPhone 8の画面コントラスト比(白と黒の明るさの比)は最大1400対1ですが、iPhone Xは1000000対1と、およそ700倍に拡張。圧倒的なコントラスト比によって、iPhoneでは初めてHDR表示に対応しています。従来のiPhoneでは各ピクセルの明るさのコントロール範囲は256段階(8ビット)でしたが、iPhone Xはこれを1024段階(10ビット)に拡大しており、より繊細かつ微妙なグラデーションの表現が可能です。同時に、明るい部分はより明るく、暗い部分はより暗く表現することができるようになりました。さらに、黒の表現能力が大幅に向上したことにより、色純度(目的の色に他の色が混じる度合い)が大幅に改善され、よりピュアな色合いが表現できるようになっています。
iPhone XのスーパーレティナHDは、数多くの革新的なテクノロジーを集約した史上最強のディスプレイなのです。
圧倒的な解像度
Super Retina HDディスプレイの解像度は2436×1125ピクセルで、これはiPhone 8の1334×750ピクセルはもちろんのこと、iPhone 8 Plusの1920×1080ピクセルをも越える圧倒的な情報量を誇ります。
Dolby Visionに対応
Super Retina HDディスプレイは、Dolby VisionおよびHDR10規格に対応したHDR(High Dynamic Range)表示、1000000対1のハイ・コントラスト、ディスプレイP3に対応する広色域に加えて、3D Touchもサポートしています。
細かく滑らかな表示を実現
Super Retina HDディスプレイのピクセルピッチはiPhone史上もっとも高精細な458ppiで、これはRetinaディスプレイを搭載するiPhone 8の326ppiと比べても非常に細かく、より滑らかで緻密な表示を実現することができます。
明るさ、広色域、正確な色表現
Super Retina HDディスプレイは、OLEDの特徴である広大なコントラスト、高解像度、極薄といった特徴に加えて、本来OLEDが得意としない明るさ、広色域、正確な色表現も実現した特別仕様となっています。