iPhoneが向かう先
iPhone 8/8プラスがこの10年間のiPhoneの集大成だとしたら、iPhone XはこれからのiPhoneが向かう先を指し示す、まったく新しい創造物です。
本体の隅々にまで広がったオールスクリーンの5.8インチディスプレイはどこまでも滑らかで、両面が美しさと強さを兼ね備えた耐久性のあるガラス素材を採用しています。ホームボタンすら取り除かれたディスプレイは、シンプルになったぶん上部にある黒いタブのような切り込み部分が目を引きます。ここは「センサハウジング」と呼ばれる部分で、フロントカメラをはじめ各種のセンサが集約されています。具体的な機能については後述しますが、iPhone X以降のシリーズではこの部分が外観上の特徴となることでしょう。
デバイス全体が1つのディスプレイとなったiPhone Xですが、これを実現するために専用設計のOLED(有機EL)スクリーンを採用しています。このOLEDは従来の液晶ディスプレイと異なりバックライトを必要とせず、1つ1つのピクセルが自ら発光します。そのためスクリーン自体を薄型化して折り曲げることも可能で、四隅の曲面部分にまで表示エリアが行き渡っています。さらに、光源となるRGB各色をサブピクセルアンチエイリアスという処理で解像感を高め、歪みの少ない表示を可能としています。
このような、これまでに例を見ない新しいディスプレイの表示性能を引き出すには、アプリ側のレイアウトも最適化する必要があります。オールスクリーン対応アプリの普及が期待されるところです。
オールスクリーンを採用
iPhone Xは、5.8インチのオールスクリーンディスプレイというこれまでのiPhoneとは一線を画したデザインを採用。前面と背面はいずれも耐久性のあるガラス素材で挟まれ、本体色はシルバーとスペースグレイの2種類となっています。特にスペースグレイ仕上げはステンレススチール製フレームとガラスの色がなじむように物理蒸着処理が施されています。また、サイズは高さ143.6ミリ、幅70.9ミリ、厚さ7.7ミリとiPhone 8 PlusとiPhone 8の中間のような大きさ。重量も174グラムとiPhone 8 Plusよりも軽いのが特徴です。
滑らかに曲がるディスプレイ
側面から見るとディスプレイはデバイスの曲面に沿って、丸いコーナー部分へと滑らかに連続しています。周囲は医療グレードのステンレススチール製のバンドで継ぎ目なく囲まれ、強度を確保しています。
カラバリは2種類
従来とはまったく異次元の性能を持つiPhone Xのディスプレイを、アップルはユーザに新たな視聴体験をもたらすものとして「スーパーレティナHDディスプレイ(Super Retina HD Display)」と命名しました。iOS 11は、このディスプレイを活用できるように再設計されているので、ホームボタンの操作に代わり指先のさまざまなジェスチャ操作によって直感的にコントロールできるようになっています。
なお、本体サイズは1つで、カラーはシルバーとスペースグレイの2種類。両面がガラス素材のためサイズに比べるとやや手応えのある重みですが、これにより「ワイヤレス充電」に対応しました。ガラスといっても耐久性は高く、前モデル同様の耐水・防塵性能を備えています。それでも心配な場合は、別途2万2800円のアップルケアプラス(AppleCare+)への加入を検討しましょう。予約注文は10月27日(金)より、国内での店頭販売は11月3日(金)より開始。価格は11万2800円からで、容量は64GBと256GBのどちらかを選べます。
さまざまなセンサを内蔵
スクリーンにはさまざまなセンサを内蔵し、6チャンネルの環境光センサを用いたTrue Toneは周囲の光に合わせてホワイトバランスを調整します。ディスプレイがまるで印刷物のように表示されるのはそのためです。
HDR対応のコンテンツを快適に再生
ディスプレイはハイダイナミックレンジ(HDR)をサポートし、iTunesやNetflixで配信されるHDR対応の映画やテレビ番組をDolby VisionやHDR 10で視聴可能です。
ワイドなディスプレイ比率
5.8インチのディスプレイはベゼルの上下部分が取り除かれた結果、ディスプレイ比率はiPhone 8/8 Plusの16:9よりもワイドな2.17:1となっています。さらに四隅の角丸やセンサハウジング部分の形状に合わせるにはアプリ側の対応が必要で、今後対応アプリが増えていくことでしょう。
標準アクセサリも発売開始
すでにiPhone X用の標準アクセサリも発表されています。ディスプレイの開閉と連動したフリップ式のレザーフォリオケースや、色とりどりのシリコーンケースやレザーケースが所有者の満足感を高めてくれます。
色を正確に表示
Super Retina HDディスプレイのOLEDスクリーンは輝度の高さや広色域対応も備え、業界最高水準のカラーマネジメントシステムを搭載しています。P3やsRGBのカラーモードを正確に表示できるので映像や写真を視聴するのに最適です。