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[Interview]GraphersRock

 

GraphersRock

CDジャケット、アパレルデザイン、広告を中心にさまざまなデザインを手がけるアートディレクター/グラフィックデザイナー。最近では、スポーツブランド「PUMA」のスニーカーやバックパックなどのデザインを展開。作品制作の傍ら、日本電子専門学校グラフィックデザイン科非常勤講師を務めている。

こだわりがつまったおもちゃ箱

おもちゃ箱─扉の向こうには、そんな表現がぴったりの空間が広がっていました。笑顔で迎えてくれたのは、グラファーズロック(GraphersRock)の名で活躍する、グラフィックデザイナーの岩屋民穂さん。23歳で独立し、CDジャケットやアパレルなどのさまざまなデザインを手がけています。最近ではプーマのスニーカーデザインも行っており、テン年代のポップカルチャーを牽引する存在として注目されています。

そんな岩屋さんのオフィスなのだから、絶対に普通の空間ではないだろうと期待していましたが、これは予想以上…。本棚やオブジェ、吊るされたスニーカー、自転車…あらゆるモノが部屋を埋め尽くさんばかりに並べられており、まるでジブリ映画を思わせる光景。しかし、一見雑然としているようで、しっかりとした秩序が表れているのはさすがです。

もちろん、テレビやラック、デスクなど一般的な家具もありますが、どれ1つとっても「どこで買ったの?」と聞きたくなるような珍しいものばかり。テレビも無機質なパネルのようなモニタが大小3つ並んでおり、画面が映っていなければデジタルサイネージと勘違いしそうな見た目です。

「これはブラックマジック(Blac kmagic)が出しているテレビ局用のモニタで、パーツごとにバラ売りしていたものを買って組み合わせたんです。出力が業務用のマニアックな規格になっているので、HDMIに変換するアダプタを組み合わせて使っています」

普通に買えば変換アダプタなど必要のないテレビ1つとってもこれなのだから、それ以外のモノについては推して知るべし。たとえば、カメラ。学生時代からフィルムカメラが好きだったという岩屋さんは、現在仕事用と趣味用に複数台のカメラを所持。もちろん、普通の一眼レフやコンパクトデジカメなどではありません。仕事用にはハッセルブラッド(Hasselblad)の中判カメラに、フェーズワン(Phase One)のデジタルバックを付けてデジタル化して使っています。また、ソニーから発売されたレンズカメラ「ILCE-QX1」も愛用中。Wi─Fiで接続したiPhoneをモニタ代わりに使えるというもので、相当なガジェット好きでないとなかなか手を出さない一品です。

Blackmagic Designのモニタ

オフィスに置いてあるテレビモニタは、映像機器メーカーであるBlackmagic Design製の「SmartView HD Studio Monitor」。出力規格が特殊なものであるため、岩屋さんはHDMIアダプタを使用してHDMIで出力できるようにしています。

ソニーのILCE-QX1

ソニーのレンズスタイルカメラ「ILCE-QX1」は、モニタなどはなく、Wi-Fiで接続したiPhoneをモニタ代わりにするという変わり種のカメラ。モニタとレンズが分離しているため、手元でモニタを見ながらレンズを違う場所に置いて撮影するといった新しいスタイルが可能です。

Phase Oneのデジタルバック

仕事用に購入したという中判カメラのHasselblad(ハッセルブラッド)。中判カメラとは一般的に使われるカメラよりもはるかに高画質な規格で、主に業務用途に使用されます。岩屋さんが購入したHasselbladはフィルムカメラですが、これをデジタル化するためにPhase Oneのデジタルバックを使っています。

プロっぽいものが好き

モノへのこだわりは仕事道具の選択にも表れています。たとえば、Macを操作するマウスは米国のゲーム周辺機器企業・マッドキャッツ(Mad Catz)製。緻密な操作性が気に入り、ワイヤレスモデルを大量買いしてストックしてあるのだとか。

「日常生活で見かけないものや、プロっぽいものが好きなんです」

なるほど、言われてみればカメラもテレビモニタもラジカセもケーブル類も、すべてプロの現場で使われているもの、あるいは普通の人がまず持っていない珍しいものばかり。「そうはいってもラックくらいはそのへんの家具屋で買ったんでしょ?」と思ったら、「これはスーパーとかで卵を並べたりする業務用ラックなんです」とのこと。うーん、参りました!

しかし、一体どういうアンテナの張り方をすれば、こういった珍しいモノを見つけることができるのでしょう。

「業務用の製品しか作っていないメーカーというのが、世の中にはあるんですよ。普段の生活でそういうものを見つけたら、ネットで調べまくる。それからホームセンターが好きで、よく行っては衝動買いしていますね(笑)」

特殊なツテを持っているというわけではなく、とにかく気になったものは徹底的に調べて入手ルートを探すという岩屋さん。好奇心と探究心、そして人一倍強い行動力が、この魅力的なおもちゃ箱を作り上げているのです。(文/山田井ユウキ)

Mad Catzのゲーミングマウス

米国のゲーム周辺機器メーカー・Mad Catzが発売したゲーミングマウス「Cyborg R.A.T.7 Gaming Mouse」。緻密なマウス操作が可能なので、ゲーマー以外にもファンは多いのだとか。岩屋さんは、この製品をまとめ買いしてストックしてあるそうです。

リョービのBluetoothスピーカ

工事現場で使われる製品を販売しているリョービ。現場用の丈夫なスピーカは日本でも手に入りますが、鮮やかな蛍光イエローのモデルは米国限定。この色に惚れ込んだ岩屋さんは、海外通販サイト「eBay」を活用して海外から手に入れたそう。また、同じ蛍光イエローの温度計は本来建物の壁の温度などを計るためのもの。

Griffin TechnologyのPowerMate

手書きで作業するときに欠かせないのが、Griffin Technologyの 「PowerMate」とワコムのペンタブレット「Cintiq」。PowerMateはひねるだけでペン先の太さを細かく変えられるので重宝しているそうです。