Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

混雑する回線を回避するWi-Fiルータ「Portal」

著者: 松山茂

混雑する回線を回避するWi-Fiルータ「Portal」

速度低下に悩む毎日

我が家のWi-Fiに関する悩みは、通信範囲と複数のデバイスをつなげたときの速度低下の2点。隣室の事務所の隅に設置したAirMacタイムカプセルを自宅でも使っているので、どうしても電波強度が弱くなるエリアがあります。そんな状況で、1台しかないAirMacタイムカプセルにMacとiPhoneがそれぞれ2台ずつ。さらに、iPadにアップルTV、加えて飼い猫の監視用ネットワークカメラを2台つなげているので、アップルTVでフールー(Hulu)などを視聴している最中に家人がiPhoneでユーチューブを見ようものなら、画質が荒くなったり一時停止してしまうんです。この状況をなんとか改善すべく、試してみたのが「ポータル(Portal)」という新しいWi-Fiルータです。

最近のネット環境では、Wi-Fiが普及してきたために従来の回線が混雑してしまい、パフォーマンスが落ちてしまうという問題があります。本製品はそんなWi-Fiの持つ問題を解消してくれるルータなのだとか。さっそくAirMacタイムカプセルがあった位置に設置してみました。

デザインもスッキリ

製品についたロゴの「o」部分が動作状況を示すLEDになっています。他社のWi-Fiルータのように何個もLEDがついていないので、寝室などに置いても目障りになることもありません。

明らかに改善した通信環境

iPhoneアプリ経由で初期設定をし、実際に電波状況がどう変わったかチェックしてみました。私はMacBookプロ(Late 2016)をメインで利用していますが、仕事用のデスクで測ると、今までの転送レートは良くて1053Mbps。下手をすると3桁に下がってしまうのが常でした。ところが、本製品では安定して1300Mbpsをキープ。信号強度(RSSI)もAirMacタイムカプセルのマイナス52dBmに対して、本製品だとマイナス50dBmと、わずかですが高くなっています。「Wi-Fi Explorer」を使ってチャンネル干渉を確認したところ、AirMacタイムカプセルでは近隣の5GHzとモロかぶりしていたのに対して、本製品では混雑している回線を自動で回避して、別のチャンネルに割り当てて干渉を防いでいます。

MU-MIMOやビームフォーミングなど、AirMacタイムカプセルと同等の機能を持つ本製品ですが、通信環境が明らかに改善して大満足。ダイナミックルーティングが可能なメッシュ機能も搭載しているようなので、早急に2台目を手に入れてメッシュネットワークを構築してみようと考えています。

LANなどのポートも充実

背面にはモデムと接続するWANポートに加え、4つのLANポートを搭載しています。もちろんWAN、LANポートともギガビットイーサネット対応です。2つのUSBポートに接続したデバイスを共有することもできます。

5倍の幅の回線を有効活用

Portalの特徴の1つが、独自のスペクトラムターボチャージャ技術。従来のWi-Fiルータよりも5倍以上の電波無線(スペクトラム)へのアクセスを可能にし、5GHz帯全体を効果的に利用できます。

[SPEC]
【発売】Ignition Design Labs LLC
【サイズ】約43(H)×239(W)×189(D)mm
【価格】1万7150円
【URL】https://portalwifi.com/jp

【その他スペック】
【重量】約540g 【備考】準拠規格:IEEE802.11ac/n/a/g/b、データ転送速度(規格値):5GHz帯 (4×4):最大1733Mbps、2.4GHz帯 (3×3):最大600Mbps、セキュリティ:WEP(128bit)WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(AES)、WPA/WPA2-PSK(TKIP/AES)

私が紹介します!
松山 茂

東京の下町・谷中に暮らすフリーライター。Leicaと猫が好物。