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パイオニアのUSB-DAC「Stellanova」を体験

著者: 小平淳一

パイオニアのUSB-DAC「Stellanova」を体験

想像よりも一段上の音質

最近、ひょんなことからボサノバにハマりました。夏の朝には、ボサノバの心地よいリズムやささやくようなボーカルがジャストフィット。おかげで心地よく1日を始められるようになりました。そんな僕が、音楽関連の話でもう1つ紹介したいのが、パイオニアがリリースしている「ステラノヴァ(Stellanova)」です。

ステラノヴァは、基本的にUSB-DAC(APS-DA101Jシリーズ)とワイヤレスユニット(APS-WF02Jシリーズ)、そして一対のハイレゾ対応スピーカ(APS-SP101J)がセットになった製品。ブルートゥースやWi-Fiをはじめ、多彩な接続方法で音楽を楽しめるのが特徴なのですが、実はUSB-DACだけでも十分に購入する価値がある製品なのです。USB-DACやワイヤレスユニット、スピーカは、それぞれ単品でも購入可能なため、この高性能なUSB-DACだけを自宅に導入することができます。

僕がこのUSB-DACを使って初めて音を出したときは、ワイヤレス経由ではなくUSBでMacとつないだのですが、一発目から音の良さに惚れこみました。不自然に低音の厚みを増したりしない素直さを持ち、楽器の一つ一つがしっかり聞き分けられるクリアなサウンドが特徴です。

音の良さの理由の1つが、セット内のハイレゾ対応スピーカにあるのは間違いないでしょう。音量を上げても低音が震えたりバランスが崩れたりすることもなく、非常に安定感のあるサウンドを届けてくれます。

しかし、音の良さの理由は、単に「スピーカの品質」だけによるものではありません。試しにスピーカを使わず、USB-DACにヘッドフォンをつないで音楽を聴き、MacBookプロ(Late 2016)に同じヘッドフォンを直接つないだときと比べてみました。iTunesを使って一般的なサンプルレート(44・1kHz)の曲を再生したときでも明らかに違うのがわかりましたが、さらにハイレゾ音源再生ソフトで192kHzの曲を再生したときは大きな差となって現れました。ステラノヴァのUSB-DACを通すことで、楽器の持つ音の広がりや収録スタジオの空気感まで伝わってくるようで、ハイレゾ音源が含んでいる音のポテンシャルをしっかりと引き出している印象があります。僕は長時間ヘッドフォンをつけるのが好きではないのですが、このUSB-DACを通して聴いた音楽ならずっと聴き続けていてもいいと思えるほどです。

多機能なアプリが便利!

また、USB-DACはブルートゥースによるワイヤレス接続ができたり、光ケーブルでテレビとつなぐことで、テレビ番組やゲーム機、アップルTVで視聴する映画なども、今までより良い音で楽しめます。

Wi-Fi経由でMacやiPh oneとつなぐためには、USB-DACだけでなく、ワイヤレスユニットが必要です。1対1でペアリングするブルートゥースと違って、Wi-Fiなら家族の他のMacやiPhoneでも、すぐにつないで音楽を再生できます。また、データ転送速度も十分確保できるので、ハイレゾ音源も本来の音質をワイヤレスで楽しめるのもポイントです。

さらに、このワイヤレスユニットがあれば、Macはもちろん、iPhone用の専用アプリ「Wireless Hi-Res Player ~Stellanova~」からWi-Fi接続のステラノヴァをコントロールすることもできます。本アプリは、iPhoneアプリでありながらハイレゾ音源の再生に対応していたり、ワイヤレスユニットにつないだ外部ストレージをブラウズして音楽を再生できたりとなかなか高機能。iPhoneやストレージにハイレゾ音源を入れておけば、いつでも高音質な音楽を楽しめるのです。これらの恩恵を授かりたい人は、ワイヤレスユニットの導入、またはセットでの購入を検討してもよいかもしれません。

コスパも良く、良い音をシンプルに楽しめるステラノヴァのUSB-DAC。「機材の知識がないから、どんなDACを買えばいいかわからない…」という人には最適の製品といえるでしょう。

ヘッドフォンで視聴しても◎

ヘッドフォンを使いたいときは、MacとUSB-DACをつなぎ、USB-DACにヘッドフォンを接続して聴きます。Macに直接ヘッドフォンをつないだときとは別次元の音を楽しめるのでおすすめです。

セットでも購入できる!

コンパクトながらも2つのユニットを格納した2ウェイスピーカ。厚みのある樹脂やアルミ材の天板など、随所に高音質へのこだわりが感じられます。スピーカとワイヤレスユニットをセットで購入すれば、一度に再生環境が揃うので、あれこれ悩む必要がありません。

光デジタル入力にも対応

USB-DACに搭載されている光デジタルポートにテレビをつなげば、Apple TVでの映画視聴も迫力が増します。リビングの音楽環境をガラリと変えてくれるというわけです。

ハイレゾ対応のプレーヤソフト

Wi-Fi接続時、MacではiTunesから楽曲を再生できるほか、専用のプレーヤソフトを使えばハイレゾ音源の再生も可能です。また、iPhone用の専用アプリもハイレゾ音源に対応。なお、ワイヤレスユニットを使えば、iPhone内の音楽ライブラリだけでなく、外付けストレージから楽曲を選んで再生する機能もあります。

[SPEC]
Stellanova APS-DA101Jシリーズ
【開発】パイオニア
【価格】3万2184円(直販価格)
【サイズ】198(W)×33(H)×147(D)mm
【URL】www.pioneer.jp/stellanova/

【その他スペック】
【重量】570g 【備考】USB入力:USB2.0 Standard B(USB DAC機能内蔵)、最大サンプリング周波数/ビット数:192kHz/32 bit(LPCM)、5.6MHz/1bit(DSD)、デジタル入力:光デジタル(S/PDIF)、アナログ入力:φ3.5mmステレオミニジャック(内部デジタル変換)ヘッドフォン出力:φ3.5 mmステレオミニジャック、対応インピーダンス:16Ω~600Ω、周波数特性:10Hz~40kHz(-3dB)、サブウーハー出力:φ3.5mmモノラルミニジャック、音質補正機能:バスブースト、対応OS:OS X 10.7以降(macOS Sierra対応)、Bluetooth対応

私が紹介します!
小平 淳一

長野からApple製品の楽しさを発信するライター・クリエイティブディレクター。