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iPod nano & iPod shuffle 思い出をありがとう

著者: Mac Fan編集部

iPod nano & iPod shuffle 思い出をありがとう

iPod nanoとiPod Shuffleの姿がApple公式サイトからなくなった。これで、音楽プレーヤの代名詞であったiPodシリーズが実質この世から姿を消すこととなる。さて、今あなたは何を想うだろうか。

1つの時代の終わり

2017年7月下旬、アップルは音楽プレーヤのiPodナノ(iPod nano)とiPodシャッフル(iPod Shuffle)の販売を終了した。「1000曲をポケットに」というキャッチフレーズで2001年に登場した初代iPodから実に16年の歳月を経て、私たちの音楽の聴き方を一変させた「音楽プレーヤ」という存在は、ついにその役割を静かに終えたことになる。

思い起こせば、ハードディスクを内蔵した初代iPodの流れを汲むiPodクラシック(iPod Classic)がiPodラインアップから先んじて姿を消したのは2014年9月のこと。iPhoneという万能デジタルデバイスが広く人々の手に渡ったことで、純粋な音楽プレーヤを日常シーンで見る機会は自然と減っていった。iPhoneに加えて、アップルウォッチ(Apple Watch)という新しい存在もそれに拍車をかけた。

iPodの名を冠したプロダクトとしては、依然iPodタッチ(iPod Touch)がラインアップされているものの、こちらは音楽プレーヤというよりも、通信回線のないiPhoneと呼ぶほうがふさわしいデバイスである。iPodナノとiPodシャッフルの終焉は、ひとつの時代が終わったことを意味する。

さて、皆さんの手元にはまだiPodシリーズが残っているだろうか。音楽を聴いた記憶は残っているだろうか。iPodシリーズが世界に何をもたらしたのか、おのおのが歴史を振り返りながら、自由に思いを馳せてみてほしい。音楽を解放したiPodシリーズへの賛辞は一人一人が思い思いの方法で送るべきだ。

5色のiPod mini

2004年1月に発表された第1世代のiPod mini。米国で品不足だったために、日本では同年7月から発売開始。iPodがホワイト1色だっただけだったのに対し、iPod miniではシルバー、ゴールド、ピンク、ブルー、グリーンの5色から選択できた。価格は2万7000円前後と高かったものの、圧倒的な人気を得た。2005年9月にiPod nanoがリリースされ生産終了。

U2とのコラボレーション

2004年10月にリリースされたロックバンド・U2とのコラボiPod「iPod U2 Special Edition」。第4世代iPod(20GB)をベースに、ブラックとレッドのカラーリングが特徴的だった。背面には、レーザで彫刻されたバンドメンバー全員のサインがあった。

1,000 songs in your pocket

2001年10月に発表、2001年11月に発売開始された初代iPodは"1,000 songs in your pocket"というキャッチコピーとともにリリースされた。5GBのハードディスクを内蔵し、接続インターフェイスはFireWire。液晶ディスプレイはモノクロだった。コントローラには「スクロールホイール」を採用、指で物理的にクルクルと動かすことができた。

初のフラッシュメモリ搭載

"Enjoy uncertainty"(すべて、偶然にまかせよう)というキャッチフレーズとともに2005年1月に発表されたiPod Shuffleは、曲をシャッフルして聴くというコンセプト。フラッシュメモリが採用された最初のiPodだった。512MBモデルが1万円前後、1GBが1万7000円前後とした安価なiPodで新しいユーザ層の取り込みに成功した。

懐かしいiPodの靴下

2004年11月に発売されたiPodを収納できる「iPod Socks」は、カラフルな色が揃った靴下のようなケース。

リモコンとラジオが一体化

2006年1月に発表された「iPod Radio Remote」。iPodのDockコネクタに接続するリモコンかつ、FMラジオを受信するためのチューナとしても機能した。

miniより小型のnano

iPodの小型モデルとして2006年2月に発売開始されたiPod nanoは、iPod miniよりも小型なボディが特徴的。第1世代モデルはホワイトとブラックのみだったが、第2世代ではシルバー、ブルー、グリーン、ピンク、(PRODUCT)REDが登場した。

USBコネクタなしのShuffle

2006年9月に発売開始された第2世代のiPod shuffleは、第1世代の縦長ボディから一変、本体サイズは半分ほどになり、クリップが一体化されたボディが印象的だった。当初はシルバーのみだったが、その後ピンク、グリーン、ブルー、オレンジが発表された。第1世代で本体にあったUSBコネクタがなくなり、イヤフォン端子をUSBコネクタに変換する専用のDockを介してUSB端子に接続した。

Apple純正のスピーカ

2006年3月に発売開始されたアンプ内蔵スピーカ「iPod Hi-Fi」。本体上部にiPodを接続できるUniversal Dockを装備し、iPod内の音楽を高音質で再生することができた。AC電源だけでなく、単1乾電池6本でも動作した。

第6世代のClassic

初代iPhone発表後、2007年9月に登場したiPod Classic(左)と第3世代iPod nano(右)。iPodは第5世代までは単にiPodだったが、第6世代からiPod Classicと呼ばれた。何度かモデルチェンジがあったあと、2009年に発売終了。

マルチタッチ搭載のnano

2009年9月に発売された第5世代iPod nanoは、9色のラインアップ(写真上)。また、2010年9月に発売された第6世代のiPod nano(下)はiPodの特徴でもある操作系「クリックホイール」が廃止され、マルチタッチディスプレイを搭載した。

第7世代のiPod nano

2012年10月に発売され、2015年7月のモデルチェンジをした第7世代のiPod nano。このモデルでiPod nanoは長い歴史に幕を閉じた。DockコネクタからLightningコネクタへ変更したのもこの頃だった。

第4世代のiPod shuffle

2010年9月に発表された第4世代のiPod shuffle。新たにiPod shuffleとしては初めて「Genius」に対応、再生時間15時間は歴代のiPod shuffleシリーズで最長だった。何度かのマイナーアップデート後、2015年7月に最後のモデルが登場、iPod nanoとともに2017年7月に販売を終了した。