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ストレージ

コストと性能のせめぎ合い

新しいiMacでは一部モデルを除き、フラッシュストレージ(SSD)とハードディスクを組み合わせた「フュージョンドライブ」が最大3TBまで提供されている。購入時のオプションで256GB、512GB、1TB、一部モデルで2TBというSSDも選択できるが、アップグレード価格は容量が増すほど単価が飛躍的に増してしまう。現実的な解としてはフュージョンドライブの選択が最適だろう。OSや頻繁にアクセスするソフトやデータはSSD側に配置されるので、ライトユースでは支障は生じない。さらに、このSSDも最大50%高速化されるなどパフォーマンスは改善され、ハードディスク時代のiMacを使っているユーザは迷わず乗り換えるタイミングだろう。

とはいえ、わずかながら不満がもある。いくら優れたフュージョンドライブの仕組みを用いているとはいえ、ハードディスク部分はノートパソコン向けの2.5インチモデルだ。省電力や静音性、スリム化に配慮した選択だと思われるが、iMacもMacBookシリーズのように全モデルをSSD化するといった抜本的な改革も必要な時期だろう。測定したところ、フュージョンドライブとSSDは3倍以上の速度差が生じてしまった。個人的には容量は抑えても、なるべくSSDへのカスタマイズを推奨したい。

HDD部分は2.5インチ

Fusion Driveは、高速なSSDと容量が確保しやすいHDDを1つのボリュームとして利用できる優れた技術だ。だが、肝心のHDDはノート型に搭載される2.5インチモデルで、回転数も5400rpmと省エネと静音を重視したタイプだ。

SSDモデルは3倍以上速い

Fusion Driveモデルをベンチマーク測定したところ、Fusion Driveでは書き込み600MB/s、読み出し880MB/sであった。

一方、カスタマイズのSSDモデルでは書き込み1973MB/s、読み出し2540MB/sを叩き出した。ある程度容量を犠牲にしてもSSDを選択したくなる。

容量と速度のバランス

たとえば1TBのフュージョンドライブからは容量が半分になってしまうが、512GBのSSDであれば手が届く範囲の追加投資だろう。不足容量については外付けストレージであとでカバーできる。

USB-C対応ドライブも登場

G-Technologyの「G-DRIVE Thunderbolt 3 USB-C」(【実売価格】5万7780円)のように、USB-C接続の据え置き型外付けHDDも登場し始めた。転送速度は250MB/sとなるが、HDD製品としてはとても高速だ。

一部製品はドライバ非対応

Thunderbolt 3製品は規格が合っていればすべての製品が使えるとは限らない。ドライバが未対応な一部製品では認識されない。互換性の観点からは通常のUSB接続のほうが選択肢も多く安価だ。