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プログラミングの学習はどうやって始めるの?

プログラミングの学習はどうやって始めるの?

プログラミングの学習は最初の取り掛かりが重要です。最初から意気込んで専門のプログラマーが業務で使うような言語を選んでしまうと、なかなか覚えられず苦手意識ばかりが先行してしまい、そのあと食わず嫌いになってしまう例をよく耳にします。

そこでオススメするのが、最初は気負わずにできるだけ簡単に扱える言語から始めるやり方です。簡単な言語から始めて必要に応じて本格的な言語に移行していけばよいのです。遠回りに見えるかもしれませんが、メジャーなプログラミング言語はたいてい似通っているので最初の知識は無駄になりません。また、そもそもプログラマーは言語が3つ4つできて一人前といわれるくらいなのです。

ここでは、初学者向きと思えるやや一般的でない言語や、プログラミング入門に適したツールを紹介します。69ページからの一般の言語の紹介も参考にして、自分なりのプログラミング学習を始めてみてください。

とりあえずプログラミングの感触をつかみたい人向け

Scratch(スクラッチ)

【開発】MITメディアラボ

【価格】無料

【URL】https://scratch.mit.edu

Scratchは、MITメディアラボによって子ども向けに開発された言語です。「ブロック」を組み合わせてプログラミングを行うのでタイピングがいらないという特徴があります。子ども向けとはいえ、プログラムの文字が絵になっているだけですから、プログラミングの基本的な要素はすべてありますし、ほかの言語に遜色ないくらい複雑なアルゴリズムを作れます。何か作りたいもののイメージがあってプログラミングを始める人にはうってつけでしょう。一度Scratchで試作品を作ってからほかの言語で仕上げを作る、というやり方にも適しています。しかも、Scratchのサイトには数千万を超える作品が共有されてます。参考になりそうな作品を探してきて改造(リミックスと呼ばれます)もできます。マネや改造から入る学習は、実はとっても効率的なのです。

一度Javaなどに入門して挫折した人向け

Processing(プロセシング)

【開発】The Processing Foundation

【価格】無料

【URL】https://processing.org

C言語やJavaの学習を始めたのはいいものの、最初のサンプルが足し算や掛け算だったりして、つまらなくてやめてしまう人がいます。Processingならそういうことはないでしょう。もともとアート表現のために作られた言語なので、図形や画像を簡単に扱えるからです。学習の初期段階でも、絵が動くゲームだって作れます。こうして得られる達成感は、学習にとってとても大事なことです。また、基本はJavaでできているため、Processingを覚えてからJavaに移行するのも容易です。余談ですが、プログラミング初学者がよくはまるのが「全角スペース」。半角スペースと間違えて入力してしまうことが多々あります。その点、Processingの開発環境では、初期設定のままだと日本語を入力できないので、そういうエラーが起こらないという利点もあったりします。

すべてを理解しないと先に進めない人向け

Sunaba(スナバ)

【開発】平山 尚

【価格】無料

【URL】http://www.page.sannet.ne.jp/hirasho/sunaba/

「呪文のような決まり文句をたくさん覚えたくない!」という人にオススメなのがSunabaです。極めてシンプルな言語で、「言語仕様」といってその言語で使える命令や文法を網羅した文書がA4一枚で済んでしまうほどです。一方で、基本的な命令しかないので、ちょっと変わったことをしようとするとすべて自分で作らなければなりません。「覚えることを少なく、考えることを多く」という思想のもと、ちゃんと自分の頭で考えて理解しないとプログラムが作れないよう設計されています。プロの開発者になりたい人にもオススメ。

なによりゲームが好き!な人向け

Minecraft(マインクラフト)

【開発】Mojang AB

【価格】macOS用:3000円、iOS用(Pocket Edition):840円

【URL】https://minecraft.net/ja-jp/

Minecraftは世界中で大流行のものづくりゲームです。お子さんがハマっている人も多いのではないでしょうか? Minecraftの世界には電子回路(レッドストーン回路)はあるものの、プログラミングの要素はありません。しかし、世界中の有志がMinecraftをプログラミングで操作できるしくみを提供していくれています。たとえば、PC版にComputerCraftというMOD(=Modification、改造データのこと)を入れると、プログラミングでブロックを積んだりできるようになります。

モノを動かしたい!ロボット好きな人向け

Arduino(アルドゥイーノ)

【開発】Arduino

【価格】Arduino Unoの場合で3000円前後、開発環境(ソフトウェア)は無料

【URL】https://www.arduino.cc

Arduinoはここに出てくるほかのものと違って、プログラミング言語ではなくハードウェアの名前です。この小さな基盤をパソコンに接続すると、自分で書いたプログラムからモータを回したり電球を光らせたりできます。プログラミングをパソコンの中だけで完結させず、現実のものを動かすとまた違った感動があります。ここで紹介したScratchやProcessingを使っても動かすことができます。モノづくりが好きな人にぜひオススメしたいツールです。

いずれiPhoneアプリの開発をしたい人向け

Swift Playgrounds

【開発】Apple

【価格】無料

【場所】App Store>教育

我らがAppleもプログラミング学習用のツールを提供してくれています。それがSwift Playgroundsです。macOS、iOSのソフト/アプリ開発用の言語であるSwiftを、Scratchのようなブロックで書けるのが画期的な点です。iPadで動作するので、誰でも簡単にに扱うことができます。しかも無料。iPadを持っている人は、iBooks Storeに用意されている入門書をダウンロードしてぜひ試してみてください。かなり高度なサンプルまで用意されていて、Swiftの学習としては十分なツールですよ。