映画の国からやって来た!
従来のラジコン系オモチャは、テクニックを磨かないとうまく操縦できないところがありました。しかし、未来型トイメーカー、スフィロ社がディズニー/ピクサーの全面協力を得て開発した映画「カーズ」の主人公、アルティメット・ライトニング・マックィーン(以下、マックィーン)は、異なる楽しみ方を提案しています。
同名の専用アプリを起動したiPhoneを近づけると、アップデート確認後に、マックィーンが目を覚まします。特別に開発されたフロントウインドウ内の台形型液晶ディスプレイに目を開くアニメーションがリアルタイム生成され、車体を左右にゆすって、実際に「起きる」のです。そして、内蔵スピーカから「復活したぞ」などとつぶやきます(本稿執筆時点では音声は英語のみ、近日中に日本語対応予定。吹き替え版映画の声優、土田大さんがこちらの声も担当します)。また、車体の5箇所にタッチパネルを装備し、そこに触れても反応します。こうした動きは、まるで映画の登場人物が現実世界に現れたかのようにリアルです。
気分は上級レーサー
マックィーンを動かして遊ぶ際のユーザビリティにも、さまざまな工夫が凝らされています。アプリ内のスタートボタンを押すと表示される円形パッドによる操作は、車体の向きに関係なく、常にユーザから見た前後左右を基準に行えるため、戸惑うことがありません。また、加減速も滑らかで、車体を傾けながら思いどおりに曲がったりドリフト走行したりでき、ドーナツターン(マックィーンが得意なその場でのスピン)をワンタッチで行えるボタンなども備わっているので、上級レーサーのような気分を味わえます。
画面を変えると、マックィーンの声援を受けながらピットインしたクルマのタイヤ交換などを行う「ピットストップ・パニックゲーム」や、セリフと効果音のシーケンスを作ってしゃべらせながら走行できる「アクティングスタジオ」などのモードもあり、まさにクルマの形をした相棒ロボットのような印象です。
1時間の充電で40分間動作可能ですが、スリープ状態でもブルートゥース信号感知用の回路がバッテリを消費するため、充電は欠かさず行う必要があります。
決して安くはない製品ですが、映画さながらの動きをするロボットであることや、アプリのアップデートで今後も機能が進化していくことを考えれば、リーズナブルな対価といえるでしょう。
充電ポートにも遊び心
特殊印刷によるグラフィックスも含め、マックィーンの車体が忠実に再現されているのはもちろん、あえてケーブルで充電し、それを給油口を模したポートに差し込ませる演出が雰囲気を盛り上げます。
日本語対応のiPhoneアプリで自在に操作
円形パッドと、後退、ドーナツターン、ブーストの3つのボタンを組み合わせるマックィーンの走りは滑らかで自在。ピットインがテーマのゲームや、セリフと効果音で演技をつける機能も楽しいです。
[SPEC]
【発売】スフィロ 【価格】4万1450円/4万1904円(Apple Store価格、別パッケージで7月販売開始予定) 【URL】http://www.sphero.jp/pixar/lmq
【その他スペック】
【重量】916g 【備考】外形寸法:全長25.1cm、全幅12.7cm、全高8.2cm、時速:9.65キロ、バッテリ持続時間40分、充電時間1時間、専用アプリ/対応機種:Ultimate Lightning McQueen/iPhone 5s、iPod 第6世代、iPad 3、iPad mini 2以降、Bluetooth v4でAndroid 5.0以降
私が紹介します!
大谷和利
テクノロジーライター、AssistOnアドバイザー。近著に『ICTことば辞典』(共著・三省堂)。