STORY Ⅰ @IBM
佐内桐梧 Tougo Sanai
日本IBMグループ会社で独立系ソフトウェア開発ベンダーの製品担当者、またソフトウェア事業部におけるエコシステム開発部長、セキュリティー・システムズ事業部長を経験したのち、2016年9月から日本IBMのCIOサービス部門のリーダー。
「『ワークスタイル変革』のアイコンとしてのAppleデバイス」
2016年8月より、日本IBMではMacBook Airを標準デバイスとして社内に展開しています。私は同9月よりCIOサービス部門のリーダーに着任したのですが、社内で、諸先輩、同僚、友人に会うたびに、「なぜMacなの?」と聞かれることが何度かありました。その理由は2つあります。
弊社ではApple製品を社員による新しい働き方への変貌のアイコンとして位置づけています。単に使用する機械を変えるだけでなく、これまで慣れ親しんできた世界から、新しい環境へチャレンジする気持ちを拡げていただきたいのです。それが私たち自身の働き方の改革につながるようになればいいなと思っています。これが理由の1つです。
私自身もMacBook Airを業務で使い始めてから、以前のWindows PCを使用したことは一度もありません。ほぼすべての業務をApple製品で実施できています。むしろMacBook Airでできないことを、あえてやめてしまったとも言えます。毎朝の通勤電車の中ではiPadでメールのチェックとスタッフへの指示を行っています(マネージャー、スタッフの皆さんにとっては私からの早朝のメールが心臓に悪くないといいなと思っていますが)。また、海外の上司や同僚、オフィス以外で働くメンバーとの会議には、CISCOのWebExなどのコミュニケーションツールを使っています。
もう1つの理由は、コスト削減です。Windows PCに比べてMacBook Airのほうがトータルのコストは大幅に小さくなります。Windowsでは別途購入が必要だった暗号化ソフトやアンチウイルスソフトは、macOSに付属のものを利用することができます。また、Windows PCではOSと業務に必要なソフトをパッケージングして導入イメージを作成し、あらかじめプリロードして社員に配布していましたが、OSもソフトもリリースが頻繁に上がるため定期的にイメージを作り直す手間が発生していました。
それに較べるとMacBook Airは、出荷時そのままの状態で配布しています。ユーザはいくつかの操作を行うだけで、ネットワークから簡単に最新のソフトが導入できるので、イメージ作成のコストがなくなります。IBMではJAMFのCasper Suiteでこの仕組みを構築しています。さらに自己解決用のガイドにも力を入れています。大体のものはWEBサイト上のガイドで解決できています。ピンポイントで知りたい項目を検索できるようにAI技術を使ったIBM WatsonをMac用のHelp Siteとして1月に導入しました。「画面コピーを取りたい」「ファインダーの使い方は?」などと入れると、答えを返してくれたり、ガイドのリンクを教えてくれたりします。これにより、ヘルプデスクの負担も費用も大きく削減することができています。
日本IBMにおいて、私たちの挑戦は始まったばかりですが、すでにMacBook Airが会社の主流になりつつあります。また、社内におけるAppleデバイスの活用をもとにした社内アプリケーションシステムの開発や事例からは、お客様へご提案できるショーケース化が生まれてきています。どんな変化を私たちにもたらしてくれるのか、どのように働き方や意識を変革していけるのか、今後を大変に楽しみにしています。