社内ミーティング&議事録作成を素早く行う
社内の打ち合わせなどで、イメージ画像を相手に見せて確認するというシーンも多いはず。Macに保存された手持ちの画像ファイルを素早く画面に表示させるスマートな方法を覚えておけば、説得力のあるプレゼンやチームの迅速な意思決定が可能となるでしょう。
まず、目的の画像を探すために特別なソフトは必要としません。Macのファインダは強力なビューワ機能を備えているので、基本操作をしっかりと理解しておくだけで十分なのです。特に覚えておきたいのは表示方法の切り替えとフォルダに含まれている項目の並び替え、そしてクイックルックの3つです。
表示方法はアイコン表示のままにしている人もいますが、画像ファイルを素早く探すのであれば、ファイルの詳細情報と選択した前後のサムネイルが同時に表示される[カバーフロー表示]が最適です。さらに項目を種類ごとに並び替えれば、画像だけを確認することも簡単になります。このように利用目的に応じて、表示や並び替えを切り替える習慣を身につけておくとよいでしょう。
また、ウインドウ内の写真を相手に見せる際に、わざわざダブルクリックして「プレビュー」で開いてはいないでしょうか。それでは時間がかかってしまいます。Macには[スペース]キー1つでファイルの内容を確認できるクイックルックがあるので、これを使わない手はありません。複数画像を選択してサムネイルを一覧表示させる機能や、ファイルを相手にその場で送る共有機能もあるので併せて覚えておきましょう。
画像ファイルのザッピング表示
【時短テク29】ファインダの表示を切り替える
(1)ファインダウインドウをアイコン表示すると、画像のサムネイルアイコンが表示されます。自分で確認する分にはよいのですが、そのままの設定では細かな内容の違いなどを比較できません。
(2)項目の表示を[リスト表示]にすると細かな情報が確認できますが、サムネイルが表示されません。[カラム表示]では選んだサムネイルは大きく表示されますが1つだけです。[カバーフロー表示]はそれぞれの利点を兼ね備えているので画像の確認に向いています。
(3)もし画像とそれ以外の書類が混在しているフォルダの場合は、ファインダのツールバーから項目の並び順序を[種類]にすれば、画像だけをまとめて並べることも可能です。
【時短テク30】クイックルックで一覧表示
(1)画像を大きく表示して人に見せる場合には、画像ファイルをプレビューで開かなくても、[スペース]キーでクイックルックできます。[オプション]キーを押して部分拡大も可能です。
(2)複数のファイルを選択してクイックルックした際に、左上のサムネイルボタンをクリックすると一覧表示ができます。ここから見せたい画像などを選んで拡大もできます。
(3)ミーティングなどその場にいる相手に画像ファイルを渡す場合は、メールに添付しなくてもクイックルックから[共有]メニューで[AirDrop]を選択します。相手がアップルデバイスであればすぐに転送できるのです。
日本語入力設定を見直して書類作成をスマートに
議事録の作成や報告書、企画書には日本語入力が欠かせません。しかし、日本語は同音異義語が多いため「誤変換」がつきもの。なるべく打ち間違えないようにタイピングを習得するのも大事ですが、変換ミスがわかったときに素早く再変換するショートカットキーなども覚えておくと作業効率がアップします。
繰り返して入力することが多いビジネスのフレーズや、社名や製品・サービスなどの固有名詞はユーザ辞書に登録しておくとスピーディなだけでなく打ち間違えを防ぐこともできます。
また、かつて「ことえり」と呼ばれていたシステム標準の日本語入力は機能が洗練され、変換学習や変換操作を省略する「ライブ変換」で効率的な入力が可能になっています。しかし、ビジネス文章に特化していると、変換学習がそちらに引っ張られてしまうためプライベートの日本語変換が不自然になってしまうこともあります。
その場合は「グーグル日本語入力」などサードパーティの日本語入力ソフトを追加して、ソフトや状況に応じて入力ソフトごと切り替えるのもおすすめです。
なお、一般的にグーグル日本語入力は、環境設定でプレゼンテーション時に入力履歴からのサジェストを一時的に無効にする「プレゼン」モードを備えています。ビジネスとプライベートでどちらで使うのかは個人の使い方にもよりますが、標準の日本語入力ソフトの辞書はiPhoneなどのデバイスと同期できるというメリットがあります。連係した使い方については次のページを参照してください。
議事録文書の作成
【時短テク31】誤変換はキーボード操作で修正
JIS配列のキーボードであれば、誤変換の確定直後に[かな]キーを素早く2回押すか、[コントロール]キー+[シフト]キー+[R]キーを押すことで再変換できます。いったん消してから再入力して変換するよりも効率的です。
【時短テク32】よく使うフレーズは辞書登録
自分の仕事でよく使う言い回しは辞書登録します。システム環境設定の[キーボード]パネルの[ユーザ辞書]から[+]ボタンをクリックして、ひらがなの[入力]と[読み]を登録します。ビジネスによく用いられる定型句を辞書登録しておくと、少ないキー入力で長いフレーズも素早く入力できます。時候の挨拶や間違えてはいけない社名表記なども登録しておくとよいでしょう。
【時短テク33】入力モードごと切り替える
(1)ビジネスとプライベートで変換を使い分けたい場合は、サードパーティの日本語入力ソフトを導入します。ここでは「グーグル日本語入力」の[ひらがな入力]を追加しました。設定はシステム環境設定の[キーボード]パネルの[入力ソース]で行います。
(2)入力モードの切り替えはメニューバーからでも行えますが、[コマンド]キー+[スペース]キーでも切り替えられます。なお、[コマンド]キーを押したまま[スペース]キーを連打すると、画面の中央に入力モードが表示されます。
(3)グーグル日本語入力の設定でキー設定を[ことえり]にしておくことで、文字種を変更するショートカットキーなどを標準の日本語入力と共通化できます。
【もっと時短】iOSデバイスと連係させよう
ユニバーサルクリップボードがとっても便利
コピー作業を簡略化
Macのファインダ操作や日本語入力などの時短テクニックを覚えたら、さらに一歩進んでiPhoneやiPadなどiOSデバイスとの連係によって実現できる時短ワザについても見ていきましょう。
といっても特に複雑な設定は必要とせず、比較的新しいMacとiOSデバイスでそれぞれに同じアップルIDが登録してあれば利用できる機能がほとんどです。代表的なのは「ユーザ辞書」の共有と新機能の「ユニバーサルクリップボード」です。
設定が済んでいれば、前ページのように標準の日本語入力で登録したユーザ辞書はiOSデバイスのユーザ辞書にも登録され、日本語入力時に変換候補として表示されます。もちろんMacと同様にiOSデバイスからもユーザ辞書が登録できます。「設定」アプリから1単語ずつ登録することも可能ですが、すでにディスプレイに表示されている文字列を選択して辞書登録するほうが効率的です。この登録内容はMacにも自動的に反映されます。
また、ユニバーサルクリップボードはコピー&ペーストの内容をMacとiOSデバイスで共有するという機能で、テキストだけでなく画像などもお互いのデバイスで共有できます。
作業中の内容をMacとiOSデバイス間で引き継げる「ハンドオフ」という機能も併用すれば、Macで下書きしたメールの内容をiOSで仕上げたり、その際にコピペしたい内容も相互に引き継げます。
ユーザ辞書を連係する
Macのユーザ辞書とiPhoneやiPadのユーザ辞書は、いずれも同じアップルIDを登録していればアイクラウド上に保存されて内容が同期されます。そのため、辞書の登録作業はいずれかのデバイスで一度行えばよく、手間が省けます。そして、いったん辞書に登録した内容はMacでもiOSデバイスでも変換候補に表示されますので、メールや文書の作成作業をハンドオフ機能で引き継ぎながら仕上げていくことも可能です。
(1)iOSデバイスでユーザ辞書に登録したいフレーズを発見したら、テキスト部分を範囲選択して[ユーザ辞書]をタップします。
(2)するとユーザ辞書が起動するので[単語]と[よみ]を修正して[保存]をタップします。
(3)すると、登録したiOSデバイスの変換候補に単語が表示されるだけでなく、Macの変換候補にも自動的に反映されます。
ユニバーサルクリップボード
ユニバーサルクリップボードは、macOSシエラ以降を搭載したMacで2012年以降のモデルとiOS 10以降を搭載したiPhoneやiPadの間で、「コピー&ペースト」の内容を共有できる機能です。それぞれのデバイスで選択したテキストや画像の一部など、クリッピングした内容を共有できるのが大きな特徴です。内容が保持されるのは5分の間で、いずれのデバイスも同一のアップルIDを登録していること、ブルートゥースがオンになっていることが動作条件です。
(1)近くにあるMacとiOSデバイスではクリップボードをコピーしてから5分間だけ共有できます。たとえば、iOSデバイスでテキストを選択して[コピー]をタップします。そして、同じアップルIDが登録されたMacで[コマンド]キー+[V]キーでペーストすると、iOSデバイスでコピーされたクリップボードの内容が貼り付けられます。
(2)逆に、Macのプレビューで画像ファイルを開き、iOSデバイス側で利用したい範囲を指定して[コマンド]キー+[C]キーでコピーします。すると、iOSデバイスにMacで選択した範囲のみをペーストできます。この相互にクリップボードの内容を共有できるのがユニバーサルクリップボードの機能です。
(2)メモアプリでペーストしてみたところ、先ほどMacのプレビューでコピーした画像が問題なくペーストされました。