Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

コミュニティマネージャーと欲張りエナジャイザー

コミュニティマネージャーと欲張りエナジャイザー

STORY Ⅰ @IBM

【URL】https://www.ibm.com/jp-ja/

八木橋 パチ 昌也 Yagihashi Pachi Masaya

バンドマン、蕎麦屋見習い、海外放浪生活などのあとにWEBプランナーとして日本IBMに入社。その後、コラボレーション・エナジャイザーとして企業内外のソーシャル・コラボレーション・ツールの推進を担当。パチはバンドマン時代からのあだ名。

コミュニティマネージャーと欲張りエナジャイザー

「コミュニティマネージャー」という仕事をご存知ですか? ここ数年、世界中で注目を高めている職種ですが、その実態は、業務の多様さと役割の幅広さ、そしてそもそもの定義の曖昧さもあって、あまり知られていないようです。私は、日本IBMの「CIOサービス」という社員のIT活用を支援する部門で、その仕事を6年ほどやっています。

実際の仕事内容は、一言で言えば、IBMの自社製品である「IBM Connections」という企業向けオンライン・コラボレーションソフトを中心とした、社内コミュニティの支援です。具体的にはオンライン・コミュニティの運用、コミュニティイベントの企画や運営、社内外での講演など、ユーザの集まりに飛び込んでいくことで中からコミュニティを盛り立て、社員間のつながりとアイデアの流れを強化し、イノベーションを促進します。そんな風に場にエネルギーを充填させる人を私はエナジャイザーと呼び、私自身も「コラボレーション・エナジャイザー」を名乗っています。

ここ数年、そんな私の仕事に大きな変化が訪れています。以前はユーザが戸惑うのは、「どうしてメールに添付するよりファイル共有ツールのほうがいいの?」といった、ソフトの機能や使い方がほとんどでした。ところが、モバイルやソーシャルWEBが日々の暮らしに欠かせないものとなり、さらにはデジタルネイティブ世代が職場に増えていく中で、ユーザの疑問もより根源的なものへとなってきています。

「仕事をもっとクリエイティブにするには」「成長スピードをより速める手段として使うには」「イノベーションを生み出すための活用方法に取り組みたい」—新しい働き方や仕事の在り方そのものを、コラボレーションソフトを活用して見直したい。そのためにスキルや経験を貸してほしいという要請が、社内だけにとどまらずソフトを導入したお客さまからも増え続けているのです。

私は昔から、イベントに参加し人と出会い、対話するのが大好きでした。人の結びつきから知が深まり、新しいものが育まれていく場にいると、ワクワクが止まらないのです。そして今社会では、コラボレーションとイノベーションのための場と、それが人びとに与えるエネルギーがますます必要とされてきています。そうした変化を実感する機会が急増していることから、昨年、旧くからの仲間と共に、持続可能な新しい資本主義のための事業創造を学ぶ場を提供する「一般社団法人ソーシャルシフト・ラボ」を起ち上げました。

それ以来「パチさん、IBMを卒業して起業されたんですね」といったい何人から言われたことか…。違います! ソーシャルとイノベーション、そして新しい働き方の実地と実験に溢れたIBMみたいにおもしろい会社、そう簡単に離れられません。これからも欲張りに「複業エナジャイザー」として突き進みます。

皆さまとも近い将来、ハッピーなコラボレーションができますように。