Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

無料オンラインストレージをとことん使いこなそう!

無料オンラインストレージをとことん使いこなそう!

どのサービスが自分に最適?

「オンラインストレージ」とは、インターネット上のサーバのディスクスペースを、あたかもハードディスクのようなストレージとして使えるサービスです。ストレージにアクセスできる端末からは共通して利用でき、ローカルとオンラインは自動で同期されるので、Macで作業したファイルをiPhoneで開くなど、複数台の間でファイルをやりとりする際にも、とにかく便利に使えます。

macOSはシステム標準で「アイクラウド・ドライブ」をサポートしていますが、下記のとおり、オンラインストレージは多種多様。あえてシステム標準の機能を使わないという選択肢を取るなら、どのOSをメインに使うかを考えて選べばいいでしょう。

容量は無料の場合、5GB前後が提供されますが、サービスによってはすべて使えるわけではありません。たとえばアイクラウド・ドライブは、シエラでは「デスクトップ」と「書類」の各フォルダを自動的に同期するほか、メールや、アイクラウド・フォトライブラリ、iOSデバイスのバックアップなどと容量を共有するので、それを踏まえて適切な運用ルールを決める必要があります。

また、オンラインとローカルが自動で同期されるのは便利ですが、オンラインのコピーを保存する分、ローカルのストレージが圧迫されてしまうので要注意です。

お手軽さはナンバー1「iCloud Drive」

macOSが標準でサポートしているのが、この「アイクラウド・ドライブ」。MacやiPhone、iPadなどを使っているユーザであれば、誰でもアカウントを取得できます。ファインダのサイドバーに標準で表示されており、ファイル保存時のダイアログでも最初に選択されるなど、使いやすさでは群を抜いています。無料版での容量は5GBと、オンラインストレージとしては標準的ですが、これはメール(「@icloud.com」のメールアカウント)やiOSデバイスのバックアップ、アイクラウド・フォトライブラリなどと共有するため、実際に使える容量はもっと小さくなります。また以前はファインダ上にアイコンが置かれ、直接アクセスできていましたが、シエラからはデフォルトで「デスクトップ」と「書類」がアイクラウド・ドライブに同期されるようになりました。これによりMacが複数ある場合でも作業環境をアイクラウド・ドライブ経由で同期できるようになりましたが、ファイルを置きすぎると容量が圧迫されてしまいます。特に「書類」フォルダはサイズが大きくなりがちなので、こまめにファイルを移動させるといいでしょう。

無料のまま使うポイント

空き容量を複数のサービスで共有するため、圧迫要素が多くあります。iOSのバックアップ対象となるアプリを減らす、アイクラウド・フォトライブラリを使わない、不要なファイルはこまめに削除するといった工夫が必要になるでしょう。ただしMacやiOSデバイスはアイクラウドの利用を前提としているため、無料にこだわるよりは50GB(130円/月)や200GB(400円/月)など、比較的安価な有料版に切り替えてフル機能を使ったほうが気持ちよく使えるでしょう。

基本スペック

お容量&機能はトップクラス「Google Drive」

グーグルによるオンラインストレージサービス「グーグル・ドライブ」は、ストレージ容量は15GBと大きめですが、これは「Gmail」や「グーグル・フォト」(元サイズの写真のみ)と共通であり、Gmailを大量に溜め込んでいる場合などは空き容量が圧迫されます。なお、グーグル・ドキュメントやスプレッドシートなどで作成したファイルは容量を消費しません。macOSではWEBブラウザから利用するか、または専用のクライアントソフトをインストールすると、専用の同期フォルダが作成されます。グーグル・ドキュメントなどを使ってグーグル・ドライブ上に保存した共有ファイルをブラウザ上で共同作業できたり、アップロードした画像内のテキストを検索できるようにするOCR機能など、グーグルならではのユニークな機能も多いですが、ファイル形式をグーグル独自のものにする必要があります(一般的な形式に書き出しは可能)。基本的に環境を選ばず便利なサービスですが、特にグーグルのサービスをメインに使っている場合は積極的に選びたいところでしょう。

無料のまま使うポイント

基本的な注意点はアイクラウドと同様。元の容量が大きめなので容量を圧迫することは少なめですが、Gmailをメインのメールアドレスに使っている場合などは要注意。ワープロや表計算、プレゼンテーションファイルなどはグーグル・ドキュメント/スプレッドシート/プレゼンテーション形式に変換すると容量を節約できますが、元のファイルで使っている機能などによってはレイアウトが崩れるため、無理に変換する必要はないでしょう。

基本スペック

Officeユーザに最適「OneDrive」

Macがアイクラウド・ドライブをシステムに組み込んでいるのに対し、ウィンドウズがシステムに組み込んだのが「ワンドライブ」です。ウィンドウズ8.1以降のシステムに標準で組み込まれており、それ以前のシステム、またはMacではデスクトップ用ソフトを使ってアクセスします。基本的にはアイクラウドと同じ、フォルダ同期型のオンラインストレージです。容量は無料で5GB使用可能で、ここはアイクラウド・ドライブと同等ですが、有料版にアップグレードしても最大50GBまでしか拡張できません。ただし、同社のサブスクリプション制サービス「Office 365 Solo(1万1800円/年)」に加入していると、追加で1TBを1年間利用できます(Office 365 Soloの契約中有効)。マイクロソフト・オフィス自身もワンドライブへの保存をデフォルトに指定しているなど、サービスとの親和性が高いのが特徴です。たとえば会社がウィンドウズ、自宅がMacで、自宅でもオフィスを使っているというような環境のユーザにとっては、かなり有効といえるでしょう。

無料のまま使うポイント

無料で使う場合は容量の少なさが気になるところですが、ほかのユーザにワンドライブを紹介すると1人あたり500MBもらえるキャンペーンが行われています(最大10GB)。これで最大15GBにまで拡張できるので、なるべく多くのユーザを紹介して容量の確保に努めたいところ。ほかのサービスとも共通していますが、こまめに不要なファイルを削除するといったメンテナンスが有効なので、定期的なチェックを怠らないようにしましょう。

基本スペック

スマートフォン中心の人に「Dropbox」

「ドロップボックス」はオンラインストレージとして長い歴史を誇る定番サービスです。どのOSとも関係のない独立系サービスであるため、対応環境が非常に広く、WEBブラウザはもちろん、Macやウィンドウズ、各種スマートフォンで専用アプリが利用できます(Macとウィンドウズ用は同期フォルダ型)。また、自社サービスへの接続をオープンにしているため、アプリ内からアクセスできるスマートフォン用アプリも数多くあります。無料では容量が2GBですが、ほかの3サービスと異なり、メールなどのサービスがないため、純粋にストレージとしての容量となります。さすがに2GBのままでは小さいという人は、ほかのユーザを紹介してそのユーザが登録すると500MBのボーナス容量をもらえます。最大で16GBまで拡張できるので、空き容量が欲しい人はたくさん紹介しましょう。また有料の「ドロップボックス・プロ」は容量が1TB使えるほか、30日までさかのぼって削除したファイルを取り戻したり、書類のバージョンを元に戻せる機能もあります。スマートフォンを中心に作業する場合にベストなサービスでしょう。

無料のまま使うポイント

ほかのサービスと比べると容量が少な目なのが弱点なので、とにかくユーザを紹介して容量を少しでも増やしたいところ。同期フォルダに不要なファイルは置かない、使わなくなったファイルはこまめに削除するなどして節約に努めましょう。モバイル用アプリはデフォルトで写真を自動アップロードする設定になっているので、これを切っておかないとすぐに容量を圧迫してしまいます。できるだけ早めに設定をオフにして、写真を削除するようにしましょう。

基本スペック