Mac業界の最新動向はもちろん、読者の皆様にいち早くお伝えしたい重要な情報、
日々の取材活動や編集作業を通して感じた雑感などを読みやすいスタイルで提供します。

Mac Fan メールマガジン

掲載日:

かわいいクマと楽しく歯磨き 自然と正しい磨き方が身につく

著者: 崎谷実穂

かわいいクマと楽しく歯磨き 自然と正しい磨き方が身につく

アプリと現実の歯ブラシが連動し、動きに応じてキャラクターが歯磨き指導をしてくれる。そんな楽しい子ども用ガジェットが「シャカシャカぶらし」だ。開発したのは、株式会社Temariの代表取締役社長・歌野真理氏。もともとWEB系の仕事をしていた歌野氏が健康系のハードウェア・スタートアップを起ち上げた背景には、個人的な体験があった。

「私の祖父は末期の状態で病気が見つかり、入院してすぐに亡くなってしまいました。なぜ気づいてあげられなかったのか。日頃から健康状態をモニタできる仕組みがあれば、そしてその情報を家族が共有できていれば、こんなことにはならなかったのではないかと思ったんです」

予防医療の入り口として歌野氏が注目したのが、口腔ケアだった。日本人は80歳になったときの歯の残存数が世界的に見ても少なく、予防歯科への意識が低い。それを改善するためのモノを作ろうと考え、ものづくり系のハッカソンに参加。そこでできたのがシャカシャカぶらしのプロトタイプだ。プロトタイプを展示イベントで公開したところ、子どもたちに大好評だった。そこで、もっと製品を磨き上げて量産することを決めた。

本体には加速度センサやジャイロセンサなどを搭載し、歯ブラシの動きを大学と開発した技術により細かく感知。アプリのコンテンツにはゲーミフィケーションを応用し、飽きさせない工夫がされている。歯科医の監修が入っているので、指導内容も信頼性が高い。また、病院での実証実験も進めているそうだ。

「3歳の甥っ子は『歯磨きする』というより『クマちゃんと遊ぶ』という感覚で使ってくれているようです。歯磨きを楽しくする、という目的は果たせているのかなと」

毎日使うことで、歯磨きの時間や磨きの細かさの記録も溜まる。動画を歯科医に送り、顎関節症などの病気にかかっていないか、虫歯になりやすい箇所はどこかといった指導につなげる構想もあるという。

今後は、海外展開や他の世代への展開を進めると同時に、大学の研究室に眠る知財を活用した次期製品開発も考えている。「つらく冷たい」イメージを持たれがちな医療機器を、ゲーム性や女性的視点で「楽しくあたたかい」ものに変えていく。その志を胸に、歌野氏は今日もハード開発、アプリ開発、大学連係の3つのマネジメントに奔走している。

健康な生活は口腔内のケアからアプリと連係するクマ型歯磨きガジェット

シャカシャカぶらし

【発売】株式会社Temari

【価格】8900円(税抜)

【URL】http://www.temarii.com/

専用アプリと連係することで、正しい歯磨きの仕方を子どもが楽しく習慣化できるガジェット。普段使っている歯ブラシの好きな場所(真ん中、端、先端)に本体を取り付け、ブルートゥースでスマートフォンと接続すれば準備完了。そのまま歯磨きをすれば、その様子をモニタリングできる。毎日スタンプがたまり、メールやSNSで家族に達成の連絡がいく。情報はアプリやWEBで管理可能だ。親が常についていなくても、歯磨きをちゃんとしているかどうかわかるようになっている。本体1台につき5つのアカウントが登録可能で、1台で兄弟、親子で歯磨きを楽しめる。

歯ブラシの動きをセンサで感知磨き足りない部分を教えてくれる

「ごほうび」システムによって子どものモチベーションをアップ

株式会社Temari

代表取締役:歌野真理氏