STORY Ⅰ @IBM
宇藤 岬 Misaki Uto
2014年からクラウド・ソリューションのセールスエンジニアとして従事し、クラウドの価値を活かしたお客様の新しいチャレンジやビジネス成長を支援。オーダー済みの新型Macの発送を待ち焦がれながら、本記事を執筆。
「高速なデジタルITにはアジリティーに優れた開発基盤を」
「Two Speed IT」という単語をご存知でしょうか。これからのITシステムは、2つの異なるスピードで設計する必要があるという意味で、マッキンゼーが提唱する「Two-Speed IT Architecture」という考え方がベースになっていると言われています。
企業の基幹システムに代表される信頼性や堅牢性を重視するITを「低速」、デジタルイノベーションを実現するユーザエクスペリエンスやアジリティーを重視するITを「高速」と定義して、それぞれに適したアーキテクチャや開発手法を用いて、異なるスピードで進化させていく考え方です。ちなみにIBMでは、エンタープライズIT(低速)、デジタルIT(高速)と表現しています。
そもそも、デジタル・イノベーションにおいてなぜ高速のITで開発する必要があるのでしょうか。それは、走りながら答えに向かっていく必要があるからです。
低速のエンタープライズITにおいては、業務のプロセスを遂行するために必要な機能や処理フロー、つまりシステムとしての「答え」をあらかじめ定義することが可能でした。一方、高速のデジタルITにおいては、答えが常に変化したり、多様化するため、事前に答えを見つけることが困難です。サービスの提供者が「答え」を決めるのではなく、いつでも市場、ユーザが答えを決める世界なのです。よって、最小機能のみの実装であっても、とにかく競合よりも早く市場に出して、ユーザからフィードバックをもらい、即時、改良とリリースを繰り返して、走りながら正解に向かっていくのが適切なアプローチとなるわけです。
そんな変化の激しい環境だからこそ、最新テクノロジーを組み合わせて、高速にアプリケーションを開発することが重要になり、アジリティーに優れたクラウド基盤は、デジタルITのアプローチにうってつけの実験場になります。IBMでは、アプリケーション実行基盤としてのクラウド「IBM Bluemix」があり、コグニティブソリューションのIBM Watson、IoT、モバイルやブロックチェーンなど先進的なソリューションをAPIとして提供しています。また、データベース等、従来のミドルウェア領域に該当するサービスも豊富に提供されています。さらに、IBM Bluemixは実験レベルだけではなく、そのまま本番環境として使い続けられる環境であることが魅力のひとつです。
常に新しい技術が投入されているIBM Bluemixに携わる身としては、キャッチアップするために日々努力する苦労もありますが、楽しく刺激的な日々をエンジョイできています。IoT関連のデモをするときは、センサデバイスのデータをiPad経由でクラウドに送信、iPhoneのライトをセンサにあててアラート状態にして、IBM Watsonが作成した音声データをMacで再生するといった、手元にあるApple製品をフル活用したデモを行っています。
新しいチャレンジを続けるお客様にワクワクしていただくためには、自ら最新の技術に触れながら変化のスピード感を楽しむことが大事だと考えています。