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Mac Fan メールマガジン

掲載日:

佐藤 光太@IBM/西山正一@Adobe

著者: Mac Fan編集部

佐藤 光太@IBM/西山正一@Adobe

STORY Ⅰ @IBM

【URL】https://www.ibm.com/jp-ja/

佐藤 光太 Kota Sato

大手ERPパッケージベンダーを経て2015年日本IBM中途入社。クラウド事業にてテクニカルセールスを担当。小学生の頃からのマッカーでiPhone発売日はいつも仕事が上の空。

クレイジーを当たり前にするチャレンジ

私 は小学生の頃からのマッカーで、コンピューターデビュー・Macデビューはまだリンゴマークが虹色のMacでした。アップルは常に革新的なチャレンジを行った製品をリリースし続けてくれるので、いつもWWDCでは「今回は何をやってくれるんだ!?」と徹夜でチェックしています。

私は日本IBMという会社でクラウド製品の「IBM Bluemix」のテクニカルセールスをしており、前月号の木村さんとともに製品紹介やデモ、セミナーのスピーカーなどを担当しています。IBMはパソコンメーカーという印象があるかもしれませんが、「コグニティブ・ソリューションとクラウド・プラットフォームの会社」へと大きく舵を切りチャレンジしている企業です。アップルとパートナーシップを結び、1年間で5万台ものMacを導入。業務でのMac利用を推進していることをご存知でしたか? 私も支給されたMacBookエア、iPhone、iPadを使って日々の業務を行っています。セミナーでデモ機をご用意いただいた際、それがシンクパッド(ThinkPad)でキーボードの真ん中にあるトラックポイントが操作できず、「IBMも変わりましたね」と笑われたくらいです。

プライベートはMac、ビジネスはウィンドウズと思っていましたが、今では当たり前のように業務でMacを使っています。Macと業務の相性は抜群です。仕事柄マルチタスクが多くなるのですが、複数デスクトップを利用することでメール用、執筆用、休憩用など用途別に分けることができ、やるべき仕事に注力しやすく、また業務の切り替えも簡単です。電話対応でもiPhoneとMacを同じWi-FiにつないでおけばMacを使って電話を掛ける/受けることができるので メールの電話番号からそのまま電話できたり、作業に集中していてもMacに着信が通知されそのまま電話を受けることだってできます。

電話がスマホと呼ばれるようになり、いつしか電話がサブ機能のようになってきたのはいつからでしょうか。今まで思いもしなかったことがいつしか当たり前になっている。そんな変化が日々生まれているのは、バイアスにとらわれないチャレンジを行った結果だと私は思います。

アプリ開発の領域でも、日々これからの「当たり前」が生まれてきています。テクニカルセールスとして日々業務を行う中でそうしたアプリを生み出すには2つのポイントがあると考えています。1つはコグニティブ・IoTといった最新テクノロジーをうまく活用しているということ。2つ目はリリースして終わりではなく常にユーザの声を聞きながら、新たな機能追加をし続けることです。どちらも一朝一夕で実現できるものではないですが、その実現に一役買うのがクラウドの力だと思います。クラウドを使うことで最新テクノロジーを瞬時に試せる、そして開発・リリースまでの時間を大幅に短縮し1秒ごとにアプリを進化させることだってできます。

「このお客様はどんな面白いことをやってくれるんだ!?」そして「このお客様のチャレンジをどうやってサポートができるのか?」とワクワクしながら日々の営業活動を行っています。

 

STORY Ⅱ@Adobe

【URL】http://www.adobe.com/jp/

西山正一 Nishiyama Shoichi

2001年にアドビ システムズに入社。WEB製作アプリやDTPアプリの製品担当を経て、現在はCreative Cloudのエンタープライズマーケティング部門を統括。新しいガジェット類にはすぐに飛びつくタイプ。食いしん坊でお酒呑み。

専属の秘書のように広告はいずれ優秀になる?

ア マゾンが日本でサービス開始してからすでに15年が過ぎようとしています。気がつけば僕は「アマゾンで買えるものはアマゾンで注文する」という癖がついてしまいました。これまでにアマゾンで買い物した総額を調べてみたい気もしますが、恐ろしくてなかなか実行できません(興味がある人は「アマゾン 総額」でググってみてください) 。

そんな便利なアマゾンなのですが、ぜひ改善してもらいたいのが「リターゲティング広告」です。たとえば子どもの保育園の上履きをアマゾンで検索すると、アマゾンは僕がどのページを見たか記憶し、他のWEBサイトを見ていても僕が閲覧した商品の広告を表示してくれます。買い忘れ防止には便利なのですが、「すでに購入済みの商品」であろうと広告をガンガン出してくるのが玉に瑕です。アマゾンは僕がその商品を「購入した」ことは知っているはずなので、広告の無駄打ちは減らしてもらいたいのですが…。

さて、この「リターゲティング広告」はWEBブラウザのクッキー(Cookie)を使っていることが多いです。たとえば自宅のMacのファイアフォクス(Firefox)からあるXX温泉の宿のページを閲覧すると、そのパソコンのファイアフォクスには僕がXX温泉の情報を調べたという履歴がクッキーに残るので、僕に「XX温泉の宿を予約しましょう」という広告を出すことができます。しかし、僕がiPhoneでネットサーフィンしても、Macのクッキー情報とはつながっていないので、XX温泉の広告は表示されません。

ですが、僕はそのままiPhoneでXX温泉の宿の宿泊予約を行いました。僕が宿を予約したという情報はiPhoneのクッキーには残りますが、Macのファイアフォクスはそれを知らないので、Macではひたすら温泉宿を予約しましょうという広告が表示されます。これがなんとももったいないうえに、うっとおしいわけです。グーグルやフェイスブックなどの個人のIDでログインすることでこの問題はある程度解決しますが、そのログインしているサービスから離れてしまうと、情報は共有されません。

現在多くの人が複数のデバイスを使い分けながらさまざまなサービスを利用しています。その情報をつなげて「個人の消費行動の一連の流れ」として理解することができれば、広告主も消費者も「そのときに必要な適切な情報のやりとり」が可能になります。XX温泉を予約した人に対しては、その周辺の美味しいレストランの広告を表示するということも可能になります。

このような世界を実現しようと多くの企業が取り組んでいますが、アドビも先日「Adobe Marketing Cloud Device Co-op」という複数のサービスの利用状況を紐付け(でも個人を特定できる情報は共有しません)、消費者個人個人の消費行動に合わせた情報提供を可能にする技術を発表しました。こういった技術が広まれば、ネット広告はまるで「専属の秘書」のように便利で快適になることでしょう。