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GoPro HERO5 Black

著者: 熊山准

GoPro HERO5 Black

ツーリングのお供に

人気のウェアラブルカメラ「ゴープロ(GoPro)」が苦手でした。なぜならば、デジカメやスマホと違ってビューファインダがなく、「いま何が撮れているか」がまったくわからないから。そして、基本的にパンフォーカス(手前の被写体にも背景にもピントがあっている状態)の画しか撮れないから。でも、登山やツーリングでは「ああ、この美しい瞬間の見たまんまを残したい、伝えたい」というシーンがよくあります。

そこで、食わず嫌いはやめて「ゴープロ・ヒーロー5・ブラック(GoPro HERO5 Black)」にトライ。新しいこのモデルは、本体に2インチのタッチ液晶ディスプレイを搭載したことで、本体単独でのプレビューと細やかな設定ができるようになっています。また、ハウジングなしでの10メートル防水や、電子手ぶれ補正、メニューの日本語化、日本語による音声操作を実装。さらにRAW撮影やGPS搭載などの強化も図られています。「なぜ、今までなかったんだ?」とちょっと驚いてしまうトピックだらけですが、これでようやく普通のデジカメユーザでも使えるようになりました。

液晶ディスプレイに関しては、ヘルメットに装着して一人称動画を撮影する分には、ゴープロのスマホアプリ「キャプチャ(Capture)」にて無線プレビューを利用するほかありませんが、いったんバイクを降りて撮影するケースではデジカメ同様の使い勝手が期待できます。

今回、東京からフェリーに乗って四国へとツーリングに出かけたのですが、バイクでの走行動画はもちろん、フェリーから幅広い東京ゲートブリッジの超広角撮影や、狭いベッドスペースの全容撮影に成功するなど大活躍。特にキャプチャが優秀でして、カメラをまわしておけば動画から好きな瞬間を切り出せるので、シャッターチャンスを逃すことがありません。

高性能化した分、目立ってしまうのがバッテリの保ち。2時間も動画を撮れば空っぽになってしまううえ、バッテリ交換や充電/給電をしようにも、いちいち本体からマウントケース(ザ・フレーム)を取り外さないといけないため、ガチで撮影に臨むにはもう1台必要なのです。このあたり、素人が気軽に手を出せないところ。防水機能は諦めたとしても、モバイルバッテリにつないでえんえんと走行動画を撮り続けたいものです。

充電や交換が少々面倒

本体の充電やMacとの接続に用いられるのはUSBタイプC端子。これ自体にとやかく言いませんが、問題はバッテリの充電や交換にマウントケースをいちいち脱着しなくてはならない点です。

自撮り棒は簡易三脚としても

マウントのバリエーションが売りのゴープロ。今回試用したのはヘルメットマウントとスリーウェイ(3-Way)。とりわけスリーウェイは自撮りはもちろん、簡易三脚としても利用できるので、ユーザならマストバイです。

手ブレ補正の実力は?

ともあれ、従来のゴープロユーザや、これから購入を検討している方にとって、1番気になるのは手ブレ補正の実力ではないでしょうか。今回ヘルメットの頭頂部に取り付けての走行撮影や、手持ちでの歩行動画などを試してみました。走行動画の場合、安全確認のため視線移動する際に首を大きく振るため、どうしても動画は大きくブレてしまいます。これは手ぶれ補正以前の問題で、ヘルメットに装着する場合は動画ではなくタイムラプスのほうが見やすい映像となるのでしょう。一方で手持ちの歩行動画では、階段の上り下りといった大きな挙動をものともせず、動画酔いの少ない映像の仕上がりとなりました。

それだけにマウントケースの存在がお邪魔虫。もはや本体のみで10メートル防水を達成したのであれば、本体側にマウント用のジョイントを備えてもよいのではないかと思わなくもありません。

バッテリ問題さえクリアできれば、デジカメ代わりとしても十分使用に耐えると感じたゴープロ。そろそろ導入を検討したいところ。しかし、個人的には最低2台持ちが必要、というのが結論です。予算10万円か…。

私が思うに、ヘルメットの頭頂部に取り付けるようなバイク走行動画用カメラの究極スペックは、360度パノラマカメラだと思います。長時間駆動はもちろん、多少首を振ってもスタビライズして、4Kで好きなシーンを切り出し可能であれば、もはやシャッターや録画ボタンすら不要で回しっぱなしにできるから。であれば、クリップ型カメラで大成功したナラティブ(Narrative)社が廃業したいま、ライフログカメラとしてゴープロの存在意義も高まろうというものです。来るゴープロ“10”くらいには実装されているかしら。

本体側面でモードチェンジ

本体の側面にあるモードボタン押すことで「写真」や「連写」「ビデオ」などのモードを切り替えます。「タイムラプス」機能を使いたいときもモードボタンで切り替えましょう。

耐衝撃性にはやや弱い?

10メートル防水で水に浸けられるようになった本体も、耐衝撃となるとちょいと不安な面も。短い試用期間のうちレンズまわりに傷が付いてしまいましたが、このあたりは別売りでリプレースメントも販売しているので安心です。

[SPEC]
【発売】GoPro 【価格】5万760円 【URL】http://www.tajima-motor.com/gopro/product/hr5black/index.html

【その他スペック】
【インターフェイス】USB-Cポート×1、HDMIポート×1 【備考】モード:写真、連写、ナイトフォト、ビデオ、ビデオ+写真、ループ映像、タイムラプスフォト、タイムラプスビデオ、ナイトラプス写真、バッテリ:着脱式1220mAhリチウムイオン充電式バッテリ、防水設計:10メートル/33フィート、ビデオ解像度:最高4K/30fps、静止画解像度:12メガピクセル、その他の機能:自動光量調節、高速充電(別売りのSuperchargerを使用)、HDビデオ出力、露出コントロール、音声コントロール、Wi-FI、Bluetooth、GPS位置情報測定、RAW/WDR写真モード

私が紹介します!
熊山 准

女子力高めの金髪おっさんライター。好きなものは山と旅とアート。