用途をしっかり見極めて
現在、国内で販売されているiPhoneシリーズのラインアップを示したのが左の表です。昨年発売の6s、6sプラスに加えて、今春に発売開始されたSEも販売を継続中。これに7と7プラスを含めて、総勢5モデルのラインアップとなっています。これからiPhoneを購入するならば、その違いをよく理解して、自分に合った最適の1台を見つけましょう。
新しい7、7プラスのポイントは、新色が加えられたカラーバリエーションと、表中に赤字で示した最新のテクノロジーの搭載でしょう。7/7プラスでは、ニューカラー「ジェットブラック」と「ブラック」がラインアップに加えられ、全5色のカラーバリエーションが実現。一方、6s、6sプラス、SEのライアップにはある「スペースグレイ」カラーのモデルは、7シリーズには存在していません。
サイズ感でいえば4.7インチの7、5.5インチの7プラスは、1世代前の6s、6sプラスと変わりません。一方、より小型の4インチサイズのiPhoneが欲しいのであれば、SE一択という、シンプルな選択肢となります。まずはサイズを吟味したうえで、その内部に搭載された最新テクノロジーが自分にとって必要か否か、またそのコストパフォーマンスはどうかといったところを判断していくのが、一般的な選び方の流れといえます。
7、7プラスは、カメラやプロセッサ、ディスプレイなどといった、数多くの新機能を搭載して進化を遂げており、それが旧モデルとの大きな価格差につながっています。たとえば、6sと7の32GBモデルを比較したときの差は1万1000円にも上ります。自身の使い方がそれだけの価値に見合うものかどうかをよく考えてみましょう。
6sにしろ7にしろ、よりサイズが大きい「プラス」の製品を選ぶかどうかは、ほかのアップル製品との連係を視野に入れて考える必要があります。プラス製品の特徴は、なんといってもその大画面。出先でも、手元のiPhoneでコンテンツをより快適に閲覧できます。しかし、外出の際にノート型MacやiPad、iPadミニを合わせて持ち歩くことが多いとなれば、プラスの大画面が中途半端になってしまうかもしれません。お手持ちのアップル製品を確認して、自分にとってベストの選択をしましょう。
SIMロック/SIMフリーについて知ろう
どちらがお得?
iPhone 7/7プラスはアップル直営店(以下、アップルストア)およびオンラインストア、通信キャリアの販売店、家電量販店などで購入できます。購入場所におけるハードウェア仕様上の違いはありません。
iPhoneの購入方法として一般的なのは、いわゆる2年縛りでキャリアと契約して購入する形でしょう。この場合、SIMカード(詳しくは後述します)はキャリア限定となり、契約キャリア以外のSIMカードを挿しても通信できない、いわゆる「SIMロック」版のiPhoneになります。
一方、アップルストアでは、キャリアを選ばない「SIMフリー版」のiPhoneを購入できます。これは購入時に一括で端末を購入しないとならない代わりに、利用するSIMの制限がなく、ユーザが自由に通信会社を選んで利用できるなどのメリットがあります。
では、どちらを購入するのがお得なのか。それぞれメリットとデメリットがあるので、それぞれの料金を確認しながら比べてみましょう。
「SIMロック版」のメリットとデメリットは?
「2年縛り」が基本
通信キャリアでのiPhoneの購入は、基本的に2年間の契約が前提となっています。先述のとおり、SIMロック端末になりますが、その代わり機種に応じた端末代金をキャリアが負担する形でユーザは最低限の月額料金の支払いで利用できること、また購入時にキャリア独自のキャンペーンを受けられるなどのメリットがあります。提供されるサービスに関してはキャリアによって異なるので見極めが必要です。
iPhone 7と7プラスの各キャリアの月額料金(国内通話定額プラン)は、各社ほぼ横並びの状態です。時間制限なしの通話し放題か、5分以内の通話が無料になるライトプランの2種類になります。通話定額プランは、毎月利用できるデータ容量に複数の種類があり、プランによって選べるプランが違うので、注意が必要です。自分の月当たりのデータ量を確認して、最適なプランを選びましょう。なお、下記の各プランの合計金額に、左ページの端末の実質負担金を足したものが月々払う料金の目安になります。
●iPhone 7/7プラス各キャリア別最低月額料金表
NTTドコモ
ドコモの基本料金プランは2つ。時間制限なしに国内通話無料の「カケホーダイプラン」と、1回の通話が5分以内ならば国内通話無料の「カケホーダイライトプラン」から選べます。データ定額は、個人向けの「データS~LLパック」(2GB~30GB)、家族でデータ量をシェアできる「シェアパック5~100」(5GB~100GB)が用意されています(シェアされる回線は、月額500円の「シェアオプション」に入ります)。プランによって選べるデータ定額が決まっていますので、注意が必要です。右表の金額は、更新期間以外でも解約金なしで解約できる「フリーコース」で計算しましたが、利用年数に応じてパケットパックの割引きが受けられる「ずっとドコモ割」を適用すれば、さらに安く運用できます。iPhoneで適用可能な割引プランは「下取りプログラム」、「iPhoneおとりかえ割」、「機種変更応援プログラム」などが挙げられます。
au
auの基本料金プランは3つ。時間制限なしに国内通話無料の「カケホ(電話カケ放題プラン)」と、1回の通話が5分以内ならば国内通話無料の「スーパーカケホ(電話カケ放題プランS)」、月額基本使用料934円(誰でも割☆契約あり)で通話定額でない「LTEプラン」(データ定額は「LTEフラット(月額5700円)」のみ)から選びます。通話定額プラン向けのデータ定額は、「データ定額2~30パック」(2GB~30GB)。ドコモ同様に、プランによって選べるデータ定額が決まっていますので、注意が必要です。iPhoneで適用可能な割引プランは「下取りプログラム」、「iPhoneかえトクキャンペーン」などが挙げられます。
SoftBank
ソフトバンクの基本料金プランは3つ。時間制限なしに国内通話無料の「通話定額」と、1回の通話が5分以内ならば国内通話無料の「通話定額ライト」、月額基本使用料934円(2年契約加入時)で通話定額でない「ホワイトプラン」(データ定額は「パケットし放題フラット for 4G LTE(月額5700円)」と「パケットし放題 for 4G LTE(月額2000円)」)から選べます。通話定額プラン向けのデータ定額は、「データ定額1GB~30GB」(1GB~30GB)。前述の2社同様に、プランによって選べるデータ定額が決まっているほか、月月割の適用外などもあるので注意が必要です。iPhoneで適用可能な割引プランは「のりかえ下取りプログラム」、「タダで機種変更キャンペーン」などが挙げられます。
※上記表は、iPhone 7に 機種変更したときの想定月額料金(税別)です。データ定額の種類や、割引オプションなどによって金額は前後します。また、上記金額は原稿執筆時のものですので、最新の情報は各キャリアのWEBサイトを参照ください。
SIMカードの基本を学ぼう
SIMってなに?
そもそも、SIMカードとは、iPhoneなど携帯電話回線を利用する端末に装着される小さなICカードのことです。アップルストアやキャリアのショップでiPhoneを購入・機種変更する際に見たことがあると思います。
SIMカードの主な役割は「そのデバイスが誰のものなのか」を証明することで、1枚ごとにIMSIという固有のIDが割り振られています。たとえばiPhoneであれば、このIDが電話番号と紐づいていて、契約しているキャリア回線を利用した音声通話やデータ通信が可能になります。3GやLTEなどキャリア回線での通信に不可欠なカードであることを理解しておきましょう。
先述のとおり、キャリアで買ったiPhoneはSIMロックされていますが、2015年5月以降、総務省が事業者に対してSIMロック解除を義務化としました。そうしてキャリアがロック解除に応じることにより、SIMフリー化された端末が増え、ユーザが自由にSIMを選択できる流れが進んでいるのです。
現行モデルのiPhoneやセルラー版のiPadには、接触型のナノSIMカードが装着されています。通常SIMカードはキャリアからの貸与品ですが、プリペイド式のSIMカードとして利用できる契約もあります。
キャリアによって名称が異なることもありますが、SIMカードには数種類の共通規格があります。モバイル端末向けの標準的なミニSIMは現在ほとんど使われておらず、マイクロSIMはiPhone 3GSまで使われていました。現在のiPhoneやiPadはナノSIMを採用しています。なお、物理的なSIMカードを必要としないバーチャルSIMの研究がアップルによって進められています。
格安SIMのはじめの一歩
MVNOという選択
こうしたSIMフリー化への流れの中で登場したのが、大手キャリアより安くSIMカードだけを販売する事業者です。自前で通信設備を持たずにキャリアの回線を間借りしてサービスを提供することからMVNO(仮想移動体通信事業者)とも呼ばれます。
このMVNO事業者からは、さまざまなプランの「格安SIMカード」が登場しています。格安といっても通信インフラ自体は大手キャリアの設備を利用していますので、通信やエリア自体は極端に品質の低いものではありません。
格安SIMには大きく分けて「データ専用SIM」と「音声通話対応SIM」があり、音声通話に加えてSMS(ショートメッセージサービス)に対応しているものもあります。大手キャリアからMVNOに契約を移せば、いずれも月々の通信料金は大手キャリアよりも数千円程度安くなりますが、iPhoneの購入から2年以内の場合、キャリアの端末割引サービスが解除されてしまいますので注意が必要です。
●3種類のSIMカード
データ通信用SIM
3G・LTEなどのデータ通信のみを行なうSIM。通話、SMSは使えません。iPad、Wi-Fiルータなどで使うとよいでしょう。iPhoneでも使用できますが、通話ができないためあまりおすすめできません。
データ通信+SMS専用SIM
データ通信とSMSが使用可能です。たとえば「LINE」のアプリなどはアカウント登録時にSMSを使用するので、こうしたサービスを使う場合にはデータ専用SIMよりもこちらがおすすめです。
音声通話+データ通信+SMS対応SIM
上記の2つに加え、通話にも対応しているSIM。格安SIMはキャリアからのMNP(モバイルナンバーポータビリティ)にも対応しているため、キャリアのiPhoneを使っているユーザが格安SIMを使う場合、このタイプのSIMを使うとよいでしょう。
●MVNOは百花繚乱の戦国時代
格安SIMのサービスを提供するMVNOは、そのサービスや事業ノウハウを支援するMVNE(仮想移動体サービス提供者)の登場によって急速に数を増やし、新規事業者が続々と参入しています。最近はLINEなどWEBサービス系事業者の参入が大きな話題になりました。
●大手キャリアとMVNOの料金比較(編集部調べ)
モデルケースとして、NTTドコモの通話無料(2年間の定期契約あり)+もっとも小容量なデータ通信プランと、IIJmioの音声通話機能付きSIMのミニマムスタートプランを比較しました(初期費用3240円は含まず)。その差額は月額5292円にもなります。
格安SIMの選び方
格安SIMってどう?
格安SIMはキャリアの回線を利用して通信を行うため、対応するキャリアの回線を使っている格安SIMなら、SIMロックがかかっている端末でも通信できます。
ただし、契約中のキャリアによって対応状況が大きく異なります。一番問題がないのがNTTドコモで、ほとんどのMVNOが対応しています。auの回線を利用するMVNOもありますが、ドコモに比べると数が限られます。ソフトバンクの回線を利用したMVNOは今年の8月にようやく登場はしましたが、SIMフリー端末でしか使えないなど、まだハードルが高いのが現状です。
SIMフリーのモデルであればすべての格安SIMを使用できます。アップルストアで購入したSIMフリー端末はもちろん、キャリアから購入した端末でもSIMフリー化すればOKです。ただし、現在キャリアで販売しているiPhoneの中で、今すぐロック解除して格安SIMを利用できるのはiPhone 6sシリーズか、7シリーズ、SEのみとなります。
●キャリア版iPhoneで使える格安SIM
NTTドコモの場合
IIJmio、mineo、OCNモバイルONE、ぷららモバイルLTE、NifMo、DMM mobile、、FREETEL、LINE MOBILE、BB.exciteモバイルLTE ほか
ほとんどのMVNO事業者が、ドコモの回線を利用した格安SIMサービスを提供しています。そのため、ドコモのiPhone 5s以降の端末であれば、簡単な手続きで格安SIMに乗り換え可能です。なお、iPhone各機種の詳細な対応状況は、MVNO事業者のWEBサイトを確認ください。
auの場合
mineo、UQ mobile、Fiimo
auの4G LTE網を利用した格安SIMサービスでは、auから購入したiPhoneに対応しています。ドコモ回線事業者に比べると数こそ少ないですが、上記の格安SIMならば、auのiPhoneでそのまま使うことができます。2016年2月より、3番目のau回線の格安SIMとして「Fiimo」(フィーモ)が加わりました。
SoftBankの場合
Y!mobile
ソフトバンク回線を利用したMVNO事業者は今年8月に登場しましたが、SIMフリー端末にしか対応しないという欠点があります。MVNOに近い形としてあるのが、ソフトバンクモバイルとヤフーが提携した通信サービス「Y!mobile」。格安SIMほど安くはありませんが、音声通話無料サービスなどが充実しています。
●おすすめのMVNO
各社が多種多様なサービスを提供している格安SIM、どのSIMを選べばいいのか困ってしまう人も多いはず。そこで、ユニークなプランやiPhoneと合わせて使いたいサービスなどを提供する、編集部おすすめのサービスを4つピックアップしました。
U-mobile/U-NEXT
高速なLTEで容量無制限の「通話プラスLTE使い放題2」プランがあります。音楽や動画を存分に楽しみたい人向け。また、音楽聴き放題の「スマホでUSEN」プランもあります。【URL】http://umobile.jp
おすすめポイント
●高速使い放題プランがある
●動画や音楽コンテンツに強い
●独自店舗も展開している
IIJmio/IIJ
老舗MVNOで、音声通話対応SIM「みおふぉん」を取り扱っています。格安SIMプランのほか、10GBの容量を家族で分け合える(最大SIM10枚)「ファミリーシェアプラン」があります。【URL】https://www.iijmio.jp
おすすめポイント
●家族全員が格安SIMを使える
●家族間通話料金が20%引き
●イオンや家電量販店で即日MNP
mineo/ケイ・オプティコム
auとドコモの両方の通信網に合わせたサービスを提供しています。データ専用、音声対応など多彩なプランを揃えるほか、家族や友人と余ったデータ容量をシェアできるなどのサービスが特徴です。【URL】http://mineo.jp
おすすめポイント
●auとドコモの回線に対応
●余ったデータ容量をシェアできる
●通話SIMの解除違約金が発生しない
FREETELプラスワン・マーケティング
iPhone専用プランがあり、アップストアからのダウンロードにかかるデータ通信料金が発生しません。使用したデータ容量に応じて6段階の月額料金が設定されています。【URL】https://www.freetel.jp
おすすめポイント
●専用プランならアップストアの通信料がタダ
●使った分だけ支払いする仕組み
●電話かけ放題アプリもある
SIMロックを解除する
SIMロックは解除できる
キャリアによって施されたSIMロックは、一部のデバイスに限り既定の条件で解除できることを79ページでお伝えしました。SIMロックを解除すれば、ドコモの回線でしかサービスを提供していないMVNOをauのiPhoneで使ったり、ソフトバンクのiPhoneで格安SIMを利用したりといったことが可能になります。
2015年5月以降に発売されたiPhone、つまりiPhone 6s、6sプラス、SE、7、7プラスならば、契約から180日経過すれば、SIMロックの解除が可能です。解除の日程や条件は各キャリアによって若干異なるので、iPhone 7を発売日に購入した場合の例を下記にまとめましたので、参照ください。
SIMロック解除の作業はWEBページでもキャリアショップでも受け付けていますが、オンラインでは無料でできるのに対し、ショップで頼むと3000円の手数料がかかるので、オンラインで手続きするとよいでしょう。
●キャリア各社のSIMロック解除対応の違い
NTTドコモ
●購入日から6カ月後の購入日にSIMロック解除可能
●過去SIMロック解除したことがあり、なおかつ前回のSIMロック解除から6カ月以上経っていれば即日解除可能
2016年9月16日に購入したiPhone 7は2017年3月16日から解除可能
au
●購入日から180日後にSIMロック解除可能
2016年9月16日に購入したiPhone 7は2017年3月14日から解除可能
SoftBank
●購入日から181日後にSIMロック解除可能
2016年9月16日に購入したiPhone 7は2017年3月15日から解除可能
対応するiPhoneを確認
対応? 非対応?
ここまで通信キャリアによるSIMロックが施されたモデルと、そのSIMロックを解除したモデル、そもそもSIMロックが行われていないSIMフリーモデルの3種類があることを述べました。
また、SIMロックを解除せずとも移行できるキャリア(ドコモとau)とMVNOの組み合わせや、iPhoneユーザにおすすめの格安SIMについても確認してきました。対応状況が若干複雑なため改めて下記にまとめておきました。自分のiPhoneが格安SIMの利用に対応しているのか、今一度確認しておきましょう。
●MVNOに対応する3種類のiPhone
SIMフリーのiPhone
購入時にキャリアの本体割引キャンペーンが使えないなど入手性に難がありますが、SIMロック解除をせずに各MVNOの格安SIMへの乗り換えに対応しているので安全と言えます。これから新規購入するといった場合にも有力な選択肢となるでしょう。
キャリアのiPhone
iPhone 6/6プラス以前を通信キャリアで利用している場合、ドコモとauの場合はSIMロック解除をせずに、対応するMVNOに移行できます。2年契約の場合、更新月だと解除料がかからず安価に移行できます。
SIMロック解除したiPhone
iPhone 6s/6sプラス以降に発売された機種であれば、SIMロック解除が可能です。特にソフトバンクのiPhoneはロック状態ではMVNOが使えないため、解除が必須です。
格安SIMの導入方法
さっそく導入してみる
現在使っているiPhoneがどのモデルに当てはまるのかを確認したら、いよいよ自分のニーズとマッチしたMVNOで格安SIMの契約を結ぶ段階に入ります。実際にキャリアで購入したiPhoneを格安SIMに移行する手順を紹介しましょう。
利用したのは2015年9月にソフトバンクで購入したiPhone 6sです。移行先となるMVNOはIIJmioの音声対応SIMのプラン。ここでは音声SIMで電話番号もMNP転出する場合を想定していますので、身分証明書とメールアドレスを事前に用意しておいてください。
また、MVNOのプランの多くはクレジットカード決済のみなので、カード情報も用意しておきましょう。データ専用SIMカードの場合は、MNP転出の手続きや本人確認の手続が簡略になるのでもっと簡単に移行手続きが済ませられます。店頭で移行作業を代行してくれる場合もありますので、手続きが不安な場合は相談してみるのもよいでしょう。
(1)SIMパッケージを購入
IIJmioの「SIMパッケージ」を店頭または家電量販店で購入します。MVNOのサイトから注文すれば開通手続き済みのSIMカードを送付してくれます。また、店舗によっては開通手続きまで行ってくれる場合もあります。
(2)申し込みと開通手続き
申し込みサイトにアクセスし、データ通信の場合はSIMカードの台紙に記載された識別番号と製造番号を入力し、画面の指示に従ってプランの選択と申込情報などを登録します。音声SIMプランの場合は本人確認手続き後、1週間~10日程度でSIMカードが送付されます。
(3)MNP予約番号の発行
音声SIMの場合はMNPによる転出でこれまでの電話番号をそのまま使えます。ソフトバンクの場合は番号ポータビリティ(MNP)お問い合わせ電話窓口かソフトバンクショップでMNP予約番号を発行して、数日以内に移行手続きをします。費用は3240円かかります。
(4)SIMロックを解除
キャリアのSIMロック解除の手続きは店頭でも行えますが有料です。オンラインで行うのが手っ取り早く無料です。あらかじめ「設定」アプリの[一般]→[情報]から[IMEI](製造番号)を控えておき、解除手続きを済ませておきます。
(5)SIMカードの差し替え
SIMカードトレイをiPhoneから付属のピンで取り出し、MVNOのSIMカードと差し替えてからトレイを戻します。ICチップの表面には素手で触れないようにしましょう。
(6)APN構成プロファイル
自宅のWi-Fiなどに接続し、IIJmioのAPN構成プロファイル(iOS 7~9用)をダウンロードしてインストールします。すると、自動でAPNの設定が反映されます。
(7)動作を確認
キャリア情報が「docomo」になっていることを確認し、インターネットに接続できるか確認します。また、SMSも利用可能か確認しておきましょう。
(8)設定を確認
最後に「設定」アプリの[一般]→[情報]でネットワークやキャリア情報がこのようになっていればMVNOへの移行が完了です。
やってはいけないロック解除アダプタ
ソフトバンクのiPhone 5s/5cなど、SIMロック解除に対応する以前のモデルで、なおかつMVNO事業者が対応していない場合、SIMフリーモデルのiPhoneを手に入れない限りはすぐに格安SIMを利用できません。
しかし、オンラインの通販サイトなどを確認すると、これらの機種でもドコモ系、au系の格安SIMが利用可能と謳う「SIMロック解除アダプタ」が1000円~3000円程度で堂々と販売されています。
本体購入価格がかからないので安上がりのように思えますが、動作の確実性がないことや、4G LTE通信や音声通話のサポート対象外であること、iOS自体のアップデートに対応しない可能性があるなど非常に不確実性の高いものです。このようなリスクを犯すくらいであれば、中古で型落ちのドコモ版iPhoneを手に入れるほうがまだ安全でしょう。
「SIMロック解除アダプタ」は、容易に入手することができてしまいます。リスクが高いため、おすすめはしません。