朝、太陽の光で自然に起きられたらどんなに気持ちがいいだろう。そんな願いを叶えたのが、株式会社ロビットのめざましカーテン「モーニン(mornin’)」だ。開発のきっかけは、社員の「朝、起きられない」「寝起きがだるい」といった悩みだった。これを解決したいと考えた最高経営責任者の高橋勇貴氏は、朝起きるのがつらいのは眠気を誘発するメラトニンというホルモンの働きによるものだと知る。
「メラトニンは、日光を浴びると分泌が抑制されます。だったら朝、カーテンが自動的に開いて陽の光を取り込めばよいと思ったんです」
そこで思いついたのが、設定した時間にカーテンレール上をモータで走行し、カーテンを押し開けていくデバイスだった。
「アイデアが浮かんですぐ、試作を作って自宅に設置したんです。すると、驚くほど気持ちよく目覚めることができました」
早速商品化に踏み切った高橋氏だが、そこには大きなハードルがあった。世の中にカーテンレールは何十種類もあり、なかには長年の使用によって歪んでいることもある。取り付けの高さも、カーテンの重量もバラバラ。どんな状況にも対応させるのは至難の業だった。
「多くの知り合いに協力してもらってカーテンレールを見せてもらい、自社でも数十個のレールを購入しました」
力の弱い女性でも片手で簡単に設置できる。それを目標に、設置の機構やタイヤを押し付けるバネの強さ、外形を少しずつ調整した。
モーニンはiPhoneなどのスマートフォンと連携し、専用のアプリでタイマーを設定できる。これはスマホを目覚ましにすることが多い現代人の生活になじむよう設計したものだ。
今年7月に発売されると、1日で1000台が売れた。使用者からは「こういう製品が欲しかった!」という声が続々と寄せられた。
モーニンはロビットが進める「Good Morning! on Earth」というプロジェクトの第1号商品だ。寝起きの問題は万国共通で、海外からも「使いたい」という声があがっている。誰もがすっきりと起きられるようになったら、世界の朝の風景が変わるかもしれない。
さまざまなカーテンレールに片手で簡単に取り付けられる
本製品をカーテンレールに装着し、専用アプリでタイマーを設定すると、その時間に自動でカーテンが動くスマートフォン連動型カーテン自動開閉器。朝、太陽の光を浴びて、快適に目覚めることを目的として作られた。ブルートゥースでスマホと接続し、開閉スピードや動かす秒数を調整できる。共有機能を使用すれば、複数のスマホから本製品を操作することが可能だ。