見せる人/斉藤 迅
株式会社SIXのクリエイティブディレクター。「リリック・スピーカー(Lyric speaker)」の開発の中心を担う。SXSWのアクセラレーター・コンペティションにおいて、日本企業として初めてファイナリストに選出、「Best Bootstrap Company」に選ばれた。ちなみに着ているTシャツは、リリック・スピーカーの開発に携わる会社の1つ、Quicco SoundのTシャツ。【URL】http://lyric- speaker.com
斉藤 迅さんのiPhone TOP画面にあるアプリ ARRIVALS/TuneIn Radio/NPR Music/Sonos/Google Play Music など
衝撃のスピーカが登場
今回「どうしてスピーカって一方向の進化しかしてこなかったんだろう」ということに気づかされました。ハイレゾ音源のような音質だけの進化ではなく、ほかの方向への進化があったことに衝撃を受けたのです。
画期的なプロダクトである「リリック・スピーカー(Lyric speaker)」。その開発チームの株式会社SIX・斉藤 迅さんにゲストに来ていただきました。斉藤さんのiPhoneの中には音楽アプリがいっぱい。流石です。
アプリの前にまず紹介したいのが、このリリック・スピーカー。しかし、誌面では本製品のすごさを伝えきれません。ぜひ公式サイトで確認してください。
リリック・スピーカーを端的に表現すると、歌詞が見えるスピーカです。半透明なスクリーンに今聴いている曲の歌詞がリアルタイムに表示されます。このスピーカに出会って、私がiPhoneであまり曲を聴かない理由がわかりました。私は曲を聴きながら、歌詞が見たかったのです。
iTunesストアで買った曲の歌詞をiPhoneで見るのって、少し面倒ですよね。もちろん、自分で登録する方法もありますが、CDに歌詞カードが付いてくるようなシンプルさではありません。「どうして買った曲の歌詞を見るのに手間がかかるんだろう」と思って、私は曲を買わなくなったのです。
iPodレベルのインパクト
表示されるアートワークは曲調に応じて変化します。仕組みフェチとしては、どのようなアルゴリズムで自動的にアートワークが変化するのかが不思議でした。聞いたところ、これは曲調から音楽の雰囲気を認識するエンジンが搭載されているのだとか。産業技術総合研究所の音楽解析技術によるそうですが、それだけではなく、アートワークもプロのデザイナーの思考をアルゴリズム化して、それぞれの楽曲に合わせてモーショングラフィックスを生成。これを「リリック・シンク・テクノロジー(Lyric Sync Technology)と呼んでいるそうです。
音楽という一大産業の中で、本製品はその進化の方向を新しく定義づけてるわけです。iPodと同じくらい、音楽業界に対するインパクトがある発明ですね。
さて、斉藤さんの使っているアプリの1つに「アライバルズ(ARRIVALS)」という音楽記事と連動している音楽ラジオアプリがあります。曲に関する情報を読みつつ、曲を試聴するという新しい音楽との出会いが生まれそうなアプリです。音楽のジャンルはロック、ポップ、エレクトロニック、ヒップホップとさまざま。好きな曲をお気に入り登録しておけば、再度聴きたいときも簡単ですね。
もう1つアプリを紹介すると、「プチリリ」というアプリがあります。これは、歌詞データベースをiPhoneで聴いている曲とマッチングしてカラオケっぽく歌詞を表示してくれるアプリ。
リリック・スピーカーの歌詞データは、このプチリリのサイトと連動しているのです。ですから、このアプリで表示できている曲は、リリック・スピーカーでも美しいアートワークで表示できます。お気に入りの曲がリリック・スピーカーで表示できるかどうか確認してみてくださいね。
リリック・スピーカーは現在、三越伊勢丹で予約受付中。WEBサイトでデモ動画も観れるので、ぜひチェックしてみてください。
音楽に関する記事をチェックしつつ、気になる曲を試聴するという新しいスタイルの音楽アプリです。豊富なジャンルも魅力ですね。
リリック・スピーカーと連動しているプチリリにはiPhoneアプリもあります。音楽を再生するだけで、自動で歌詞が表示されます。
見る人/美崎栄一郎
『iPhoneバカ』『iPadバカ』などの著者。札幌から福岡までアップルストア全店舗、ソフトバンク本社などでも講演したiPhone大好き人間。『「結果を出す人」は、エクセルをどう乗りこなしているのか?』(学研パブリッシング)が発売されました。【URL】http://www.facebook.com/a16misaki